2017年6月9日
歴代カブ報道体験試乗会
カブシリーズ間もなく生産累計1億台・その3 1960年 スポーツカブC110
●撮影:富樫秀明
●取材協力:Honda・ホンダモーターサイクルジャパン http://www.honda.co.jp/motor/
ホンダコレクションホール http://www.honda.co.jp/collection-hall/
1960年登場のスポーツカブC110は、スーパーカブC100のOHVエンジンをベースに、当時世界GPで活躍していたホンダの純レーサー・RC系の吸排気系技術をフィードバック。圧縮比はスーパーカブC100の8.5に対し9.5まで高められ、高速型となるエンジンは冷却性を考慮してアルミシリンダーも採用された。リッターあたり100PSの5.0PSを発揮、最高速度も85km/h(カタログ値)を誇る。
スポーティなセミダブルシートを採用するC110の他、当時の時代を反映してか、シングルシート+リアキャリアのC110S、シングルシート+リアキャリアにダウンマフラー&遠心クラッチ仕様のC111とスポーツカブには兄弟が存在する。また、55ccエンジンを搭載したC115/C115Sという原付二種モデルもラインナップされた。
試乗車はスポーツカブの中でも初期型の3速ミッションのモデル。スタイルはフラットなハンドル、アップマフラーなどと相まって中々刺激的だ。青と白のボディカラーの使い分け、短めにカットされたリアフェンダーも軽快感をもたらしている。ボディにアルミが採用されたフラッシャー、カマボコ型のテールランプも特徴。当時のスーパーカブ同様、先端が細くなったレバー類などと共に、当時のホンダ車は50ccと言えど造形にこだわった仕上がりについ見とれてしまう。
クラッチはマニュアルで、シーソー型のシフトペダルを前に踏み込んでロー、セカンド、サードと変速していく(当時のカタログを見ると「踏往復式チェンジ」というらしい)。ビジネスバイクとして21世紀まで生き延びたベンリイCD50の祖とも言えるモデルだが、その名のごとく“スポーツ”気分は満点。年輩ライダーの中にはコイツに乗って腕を磨いた、という人も多いはずだ。
参考までに、“カブ”の名は冠されているが、スポーツカブはアンダーボーンではないため、スーパーカブ・シリーズの累計生産台数の中には含まれていない。
[その2 1960年スーパーカブC100|その3 1960年スポーツカブC110|その4 1962年ポートカブC240]
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