2017年6月16日
歴代カブ報道体験試乗会
カブシリーズ間もなく生産累計1億台・その4 1962年 ポートカブC240
●撮影:富樫秀明
●取材協力:Honda・ホンダモーターサイクルジャパン http://www.honda.co.jp/motor/
ホンダコレクションホール http://www.honda.co.jp/collection-hall/
1962年、装備を簡略化することで車両価格を下げ、女子高生などの通学バイク普及を狙ったモデルがポートカブ。その存在は書物などでしか知らず、公道で走っているモデルを今まで見たことはない。営業面でも成功したモデルではなかったようだ。ちなみに今、放映されているNHKの朝ドラにポートカブが登場している。
ベースとなったスーパーカブC100と共通なのはフレームしかないのでは? というほど専用パーツ満載のポートカブ。これで車両価格を下げてしまったら赤字では? と思われる不思議な“カブ”である。これまた今や希少な15インチという小径タイヤを履くポートカブは、足つきや取り回しに優れるシャリイのようなファミリーバイクに進化していったと言われている。
試乗車はフラッシャーも装備されていない初期のC240。テールには反射鏡のみ(ブレーキランプはもちろん、テールランプも備わらない)と、今の時代では考えられないプリミティブさが、当時のおおらかさを感じさせる。ミッションは2速だ。
コレクションホール所蔵のC240が走るのは10年振りだったことに加え、短時間の試乗の交代を繰り返したこと、さらにスーパーカブC100とは異なりキャブレターがエンジンに近いこともあってガソリンが早くに気化してしまうという様々な不都合が生じてしまった。エンジンを2.3PSにデチューンし、誰にでも乗りやすいはずのモデルが皮肉な結果となってしまった。そんな状況ながら乗った印象は、C100同様にコンパクトながら、バーハンドルによる視界的な軽快感を得ることができた。
[その3 1960年スポーツカブC110|その4 1962年ポートカブC240|その5 1964年トレール90CT200]
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