2017年5月11日

MOTO GUZZI V9 BOBBER試乗
ボバーらしく車体は無駄な装飾がないシンプルなもので、 シートに腰をおろしハンドルを掴むと クルーザーというよりネイキッドモデルのような印象

■試乗&文:濱矢文夫 ■撮影:依田 麗
■協力:Piaggio Group Japan http://motoguzzi-japan.com/
    JAIA 日本自動車輸入組合 http://www.jaia-jp.org/motorcycle/

『V9は、モト・グッツィのスピリットをもっとも純粋に具現化した新しいモデルです。新型V9 Bobberは、伝説の「Bobber」スタイルをより現代的に蘇がえらせました。短めのシートを採用することでマッドガードとファットなタイヤが一層際立つ、これぞまさにBobberスタイル。850cc縦置きV型エンジンと剛性スチールフレームというモト・グッツィのエッセンスがこのBobberにも間違いなく注ぎ込まれています。金属製マッドガードからのぞく堂々としたタイヤが、路上のすべての視線を虜にします。スチールタンクはダーク・マット色にペイントされ、チェッカーフラッグをモチーフにしたグラフィックがV9 Bobberのスポーツスピリットをさりげなく表現しています。ABS、トラクションコントロールを標準装備し、安全性能にも妥協はありません。』(MOTO GUZZIのWEBサイトより)
 
IMG_0317.jpg

IMG_0316.jpg
IMG_0308.jpg

ライダーの身長は170cm。

 V7のエンジンをベースにして腰上を新設計し、853ccに拡大した縦置き空油冷Vツインエンジンを積んだ、現在流行しているボバースタイルのクルーザー。実際に見て乗ると、ボバーらしく車体は無駄な装飾がないシンプルなもので、シートに腰をおろしハンドルを掴むとクルーザーというよりネイキッドモデルのような印象である。そして乗ると外から見るよりコンパクトに感じる。ペグの位置もミッドコントロールと呼ぶほど前にない。スポーツライディングしたくなる姿勢だ。エンジンは目覚めたときから鼓動感がたっぷり。スロットルをあおるとそれと同時に車体がグイッと右に傾ぐのもMOTO GUZZIらしいテイスト。
 
 身長170cmで何も気にせずシートに座ると、左右シリンダーヘッドのライダー側についたクッションパッドと膝とのクリアランスがギリギリで、ちょっと足を前に動かすとすぐに触ってしまう。だから「背の高い人はどうするんだろう?」と心配したけど、すぐに解決策が分かった。フラットな形状のダブルシートの座っている位置を後ろに下げればいいだけ。実際、近くにいた身長180cmクラスの人に乗ってもらったが、より後ろに座れば膝は当たらなかった。この乗車位置で、ペグがミッドコントロールらしいクルーザー的な位置にくる。まあ、どこに座ろうがクルーザーらしく足を開き着に乗れば、まったく気にならなくなる話ではあるが、開きたくない人は座る位置で調整しよう。ストレートっぽいハンドルは横幅もありグリップ位置は遠くない。Uターンでフルロックしても腕の長さ不足は感じなかった。私くらいの背格好のライダーならそういうことでポジションの自由度が高くて面白い。
 
IMG_0386.jpg

 エンジンはV7より明らかにトルクフルで、高めのギアを選んで、回転数をそれほど上げず、鼓動に包まれながら、豊かなトルクに身を預けてクルージングするのが気持ちいい。速度に関係なく安定性も問題なく、気難しさはない。 最近のMOTO GUZZIはスロットルオンオフでのピッチング方向の動きがより自然で、コーナーリングでそれをあまり意識することがなくなっているから、流しても、ペースを上げてもクセが小さく乗りやすい。ABSや2段階設定ができるトラクションコントロールなど、今風の装備もあり、運転スキルに関係なく、どんな路面状況でも不安なく走れそうだ。
 
 リーンアングルがそれなりにあるから、先に説明したように座る位置を前にして、ステップを踏み込んで、他のメーカー製ボバーモデルとは違い、ネイキッドスポーツっぽく連続するコーナーを走っても楽しい。コーナーで倒し込む時の動きは違うけれど、リーンしてから曲がっていく感じは70年代の国産スポーツモデルに乗っているよう。これがV9 BOBBERが持つ独特の個性であり魅力である。
 
(試乗・文:濱矢文夫)
 
IMG_0391.jpg
 
IMG_0326.jpg
 
IMG_0329.jpg
 

IMG_0323.jpg

●V9 BOBBER
■エンジン:4ストローク空冷90°V型2気筒OHV2バルブ、総排気量:853cc、最大出力:40.44kW(55HP)/6,250rpm、最大トルク:62Nm/3,000rpm、トランスミッション:6速リターン■フレーム:高張力鋼管モジュラーダブルクレードル、フロントサスペンション:φ40㎜油圧式テレスコピックフォーク、130mmトラベル、リアサスペンション:ツインショックアブソーバー、スプリングプリロード調整可能、97mmトラベル、フロントタイヤ:130/90-16、リアタイヤ:150/80-16、全長/全幅/全高:2,185㎜/840㎜/1,160㎜、シート高:780㎜、ホイールベース、1,465㎜、燃料タンク容量:15L、車両重量:199kg
■希望小売車両本体価格:1,248,000円(消費税8%込み)


| MOTO GUZZIジャパンのWEBページへ(外部のサイトへ移動します) |