2017年3月17日
スズキ GSX-S1000 ABS/GSX-S1000F ABS
“ストリートスポーツ”の旗艦、GSX-S1000シリーズが出力アップ等のモデルチェンジ
1,131,840円/1,185,840円(3月30日発売)
2014年のモーターサイクルショーで国内デビューし、多くのバイクファンの注目を集めたスズキの新型スポーツモデル、GSX-S1000 ABS/S1000F ABSは、2015年7月から発売開始された。スーパースポーツ、GSX-R1000をベースとしたエンジンを、これまたGSX-R1000をベースにさらに開発を進めたフレームに搭載したスポーツモデル。“GSX-R”というサーキット指向のスーパースポーツに対して、こちら“GSX-S”はワインディングを制する「高揚感のある加速と走りを楽しめる」スーパーストリートスポーツだ。
「GSX-S1000 ABS/S1000F ABSは、ストリートでのエキサイティングな走りのために生まれました」ということだ。スーパースポーツ、GSX-R1000をベースに開発がスタートしたのは周知の事実だろう。それ故、サーキット指向の強烈な走りをそのまま引き継いでいる、と単純にとらえられたくない、それが開発者たちの強い思いとなっていたという。「走る」「曲がる」「止まる」を高いレベルで実現するのはスーパースポーツも同じだが、戦うフィールドが違えばおのずとその性格、質は違ってくる。
エンジンは、GSX-R1000のものをベースに再開発している。だが、単純にベースにといっても、GSX-S1000 ABS/S1000F ABS用に選んだのは最新モデルのエンジンではなかった。実際に各世代のGSX-R1000をアップハンのネイキッドスタイルにしてテストするなど、ネイキッドスポーツとの相性を調べた結果、よりトルクフルで中低回転域も重視する2005年~2008年のモデルに搭載されたエンジンに白羽の矢が立ったという。
フレームも基本はGSX-R1000から開発が始まっているが、ストリートでのよりしなやかな特性を実現するべく剛性を中心に見直しが行われ、さらにはエンジンもデザインの一部として重要な役目を果たすネイキッドならでは、で、最終決定の直前になってもエンジンハンガー部のリデザインすら敢行されたほどだったという。
このように、スタート地点こそGSX-R1000だが、ほぼ全ての部分にわたって再開発が行われ、GSX-R1000の遺伝子がそのままのカタチで伝わっているのは、唯一スイングアームくらいなのだそうだ。
さて、このGSX-S1000シリーズ初のモデルチェンジだが、単にカラー&グラフィックの変更にとどまらず、なんと出力、トルクともに改善させるなどのモデルチェンジとなった。最高出力で107kWから109kWへ、最大トルクで106N・mから107N・mと数値上ではわずかなアップだが、平成28年国内新排出ガス規制対応をフォローしている。また、新たにスリッパークラッチが採用され、より自在な走りを裏付けることとなった。
★SUZUKI ニュースリリースより (2017年3月17日)
高揚感のある加速と軽快な走りを楽しめるロードスポーツバイクの
「GSX-S1000 ABS」とフルカウルモデルの「GSX-S1000F ABS」の
仕様を一部変更して発売
スズキ株式会社は、高揚感のある加速と軽快な走りを楽しめるロードスポーツバイク「GSX‐S1000 ABS」、「GSX‐S1000F ABS」の仕様を一部変更して3月30日より発売する。
- ●主な変更点
- ・エンジンの基本構成はそのままに、出力、パワーフィーリングの向上。最高出力を107kw(145ps)から109Kw(148ps)へ、最大トルクを106N・m(10.7kgf.m)から107N・m(10.9kgf・m)に向上
- ・スリッパークラッチを採用。シフトダウン等における過度のエンジンブレーキによる後輪のロックやホッピングを抑制し、後輪から伝達されるバックトルクを制限する。
- ・ステップ、ステップブラケット、ハンドルレバー等をブラック化し質感を向上。
- ・平成28年国内新排出ガス規制に対応。
- ・ 「GSX-S1000 ABS」には特別色マットブラックメタリックNo.2を設定。マットブラックのサイレンサー、フロントのアウターチューブをブラック化、専用デカール、専用リムストライプを採用。
「GSX‐S1000 ABS」、「GSX‐S1000F ABS」は、スーパースポーツバイク「GSX‐R1000」(海外向けモデル)のエンジンをベースとした直列4気筒エンジンを搭載。高回転域の出力特性を損なうことなく、力強い低中速トルクにより街中やワインディングロードでの高揚感のある加速を楽しめる特性とした。また、軽快にライディングを楽しむため、軽量フレームをはじめとした小型・軽量な車体を新開発した。街中からワインディングまでの多様な走行シーンにおいて軽快でニュートラルなハンドリングと、アップハンドルによる前傾の少ない乗車姿勢を実現した。
「狩りをする野獣」をコンセプトにデザインされた、低く構える野獣を想起させるボディ形状を採用し、「GSX‐S1000F ABS」には高速走行や長距離ツーリング時の快適性を高めるフルカウル(風防)を装着した。3段階※1から選択可能なトラクションコントロールや、レンサル社製アルミハンドルバー、ブレンボ社製ラジアルマウントフロントブレーキキャリパー、ABS を標準装備とし、スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけでエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」を採用した。
※1 1(低)/2(中)/3(高)の3段階(解除可能)
- ●「GSX-S1000 ABS」、「GSX-S1000F ABS」の主な特長
- エンジン・車体
- ・「GSX-R1000」のエンジンをベースとした水冷直列4気筒998cm3エンジンは、鋭敏なスロットルレスポンスと高揚感のある加速を実現。
- ・ 軽量フレームをはじめとした新開発の小型・軽量な車体による軽快でニュートラルなハンドリングと、アップハンドルによる前傾の少ない乗車姿勢。
- 装備
- ・3段階※1から選択可能なトラクションコントロールは、前後輪の速度、スロットルポジション、クランクポジション、ギヤポジションの各センサーの情報により、リヤタイヤのホイールスピンを検出した際、速やかにエンジン出力を低減。エンジン出力をより効率よく路面に伝達することが可能となり、より快適なライディングを楽しめる。※2
- ・滑りやすい路面状況や過度なブレーキング等によるホイールのロックを一定範囲内で回避する電子制御式ABS※3を標準装備し、前輪には強力な制動力を発揮するブレンボ社製ラジアルマウントフロントブレーキキャリパーを装備。
- ・ハンドルが固定される中央部を大径化したテーパー形状による力強さと所有感を感じさせるレンサル社製アルミハンドルバー。
- ・スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけで、ECMがスターターモーターを回転させてエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」を採用。また、ニュートラル時はクラッチレバーを握らなくても始動可能とした。
- ※2 トラクションコントロールは、あらゆる条件下で後輪のスリップ(スピン)を完全に制御したり転倒を防止するものではない。
- ※3 ABSは、ライダーのブレーキ操作を補助するための装置であり、制動距離を短くするための装置ではない。また、コーナリング中のブレーキングによる車輪の横滑りはコントロールすることができない。
- デザイン
- ・「狩りをする野獣」をコンセプトに、低く構える野獣を想起させるボディ形状を採用。「GSX-S1000 ABS」のLEDポジションランプは牙を表す形状とし、「GSX-S1000F ABS」のフルカウルは低くシャープな形状のノーズ部分と前傾したサイドパネルで構成。ポジションランプは牙を表す形状とし、「GSX-S1000F ABS」のフルカウルは低くシャープな形状のノーズ部分と前傾したサイドパネルで構成。
- ●商品名
- 「GSX-S1000 ABS」(GSX-S1000AL7)、「GSX-S1000F ABS」(GSX-S1000FAL7)
- ●メーカー希望小売価格
- 「GSX-S1000 ABS」、1,131,840円(消費税抜き1,048,000 円)
「GSX-S1000F ABS」、1,185,840円(消費税抜き1,098,000 円) - ●発売日
- 2017年3月30日
- ・車体色
GSX-S1000 ABS(GSX-S1000AL7)
・「グラススパークルブラック/トリトンブルーメタリック」(KEL)
・「グラススパークルブラック/キャンディダーリングレッド」(AV4)
GSX-S1000 ABS(GSX-S1000ZAL7)
・特別色 「マットブラックメタリックNo.2」(YKV)
GSX-S1000F ABS(GSX-S1000FAL7)
・「グラススパークルブラック/トリトンブルーメタリック」(KEL)
・「グラススパークルブラック/キャンディダーリングレッド」(AV4)
★主要諸元※1
車名型式 | 2BL-GT79B | |
---|---|---|
GSX-S1000 ABS〈GSX-S1000F ABS〉 | ||
発売日 | 2017年3月30日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.115×0.795×1.080〈1.180〉 | |
軸距(m) | 1.460 | |
最低地上高(m) | 0.140 | |
シート高(m) | 0.810 | |
車両重量(kg)※2 | 209〈214〉 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 25.3(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
18.7(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 3.1 | |
エンジン型式 | T719 | |
水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 998 | |
内径×行程(mm) | 73.4×59.0 | |
圧縮比 | 12.2 | |
最高出力(kW[PS]/rpm)※6 | 109[148]/10,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)※6 | 107[10.9]/9,500 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式 | |
潤滑油方式 | 圧送式 | |
潤滑油容量(L) | 3.4 | |
燃料タンク容量(L) | 17 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.562 |
2速 | 2.052 | |
3速 | 1.714 | |
4速 | 1.500 | |
5速 | 1.360 | |
6速 | 1.269 | |
減速比1次/2次 | 1.553/2.588 | |
キャスター(度) | 25° | |
トレール(mm) | 100 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 190/50ZR17M/C 73W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク ABS |
後 | 油圧式シングルディスク ABS | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(インナーチューブ径41mm) |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※1 燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※2 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※3 WMTCモード値は、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
〈 〉内は、GSX-S1000F ABSの値です。