2019年8月27日

第12戦・イギリスGP(シルバーストーン・サーキット) Close to the Edge

西村 章「続・MotoGPはいらんかね?」  MotoGP第12戦・イギリスGP(シルバーストーン・サーキット) Close to the Edge 2戦連続の最終ラップ・最終コーナー決着、アレックス・リンスが0.013秒の僅差でレースを制す!

ジャーナリスト西村 章さんの現地直送レポート「続・MotoGPはいらんかね?」。昨年は雨による路面状態の悪化によって決勝レースが中止となったことで2年振りとなるイギリスGPの模様です。日本人選手の戦いぶりも届きました!

文・写真:西村 章
写真:Suzuki/Honda/Yamaha

アレックス・リンス

  いやほんとうにものすごいバトルでした。アレックス・リンス(Team SUZUKI ECSTAR)とマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の緊迫したトップ争いは、最終ラップの最終コーナーで仕掛けたリンスがマルケスより0.013秒早くゴールラインを通過して大逆転、数十センチの差で激烈な勝負を制した。

 じつに豪快で男っぷりのいい勝ちかたで、スズキ往年の鋭い切れ味も彷彿させる鮮やかな優勝劇だった。スズキとリンスのファンにとっては、痛快きわまりない快勝だろう。さらにこの勝利を際立たせるのは、じつはリンちゃんは周回数を1周間違えていた、という事実だ。

 2周目からマルケスと一対一のバトルが続き、1周ごとに緊張感が静かに高まりつつあるなか、最終ラップ手前の最終コーナーでリンちゃんがマルケスのアウト側からぐいぐいぐいっと横に並びかけ、直線でマルケスがふたたび前に出る、というひと幕があった。勝負どころを見極めて様子見として探りを入れたのかと思っていたら、じつはこの周を最終ラップだと勘違いしていたのだという。

「アウト側から抜こうとしたら向こうも直線でフル加速で対応してきたので『おいおい、あと1周あるぞ……』と自分に言い聞かせた」のだとか。

 ちなみに、この0.013秒という僅差は、2006年ポルトガルGPで、トニ・エリアス(ホンダ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、ケニー・ロバーツJr(KR211V)が三つ巴の勝負を続けてエリアスがロッシに0.002秒差で勝ったとき以来の大接戦ゴールだ。たしかこのときも、ロバーツJrが周回数を1周間違えていたのだが、リンちゃんの場合とは逆に、もう1周あると思っていたばかりに、ロッシから0.174秒背後の3位に甘んじる結果に終わってしまったのだったと記憶している(記憶違いならごめんなさい)。周回数の計算間違いといえば、あのケビン・シュワンツvsウェイン・レイニーの1989年鈴鹿決戦も、レイニーが残り周回数を間違えていたのではなかったか。

 懐古談はともかくとして、マルケスは最終ラップ最終コーナーの激闘を何度も戦っているが、たとえば先日のオーストリアGPは0.213秒差、昨年のタイGPの場合は0.115秒差。これらの数字と比較しても、今回のバトルがいかに激しい内容だったかということがよくわかる。

「今回の勝利は自分にも重要だけど、スズキにはさらに意義が大きい」
 と、リンちゃんはこの優勝の重みを噛みしめた。

「皆が頑張ってくれて(自身の初勝利になった第3戦)テキサスの後も何戦もいいレースをしてきたけど、今回の勝利は自分たちの高い戦闘力をしっかりと示せたので、この調子でがんばって最大の成果を出していきたい」

 シーズン今後の戦いに関して、チームマネージャーのダビデ・ブリビオは「フィリップアイランドではいい戦いをできる自信があるし、次戦のミザノも悪くないと思う。とはいえ、どこまで勝負できるかは、金曜と土曜にキッチリと仕事を進めてどれだけしっかり煮詰めていけるか次第」と気持ちを引き締める。技術監督の河内健も同様に、「シーズン後半戦は、比較的、我々に得意なサーキットが続いていくので、浮き足立たずに一戦一戦結果を残せるように戦っていきます」と述べた。

アレックス・リンス

アレックス・リンス

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 一方、リンスとの勝負に敗れたマルケスは、劇的な最終コーナーの攻防に至るまでの戦いを以下のように振り返った。

「今日の戦略は、勝つというよりもトップグループを小さく絞っていくことだった。そうすればポイントのロスも少なくなる。先頭集団を小さくするために攻め続けた過程で、タイヤも体力も燃料も消耗してしまった。最後はリンスと一対一になり、彼のほうがフレッシュな状態だった」

 前にいるほうが不利になる可能性を知りながら、それでも攻め続けたのは、後方からマーヴェリック・ヴィニャーレス(Monster Energy Yamaha MotoGP)が追い上げてきてさらに混戦になるのを避けるためだったのだとか。

「どこが(リンスの)ウィークポイントかわからなかったので、守りにくかった。レース中盤に後ろについて、タイヤや燃料を温存しながら相手はどこで苦労しているか見ようとしたけど、1周あたり0.1秒くらい遅くなってマーヴェリックも近づいてきた。目先の勝利よりもポイント獲得を優先し、がんばれば20ポイントは取れるだろうと考えて攻め続けた。最後の戦い(チャンピオンシップ)で勝つためには、バトルで負けることもある。今日はすごい接近戦だったけど、こういう結果になった」と述べ、「いずれにせよ、リンスの最終ラップは見事だった」と自分を打ち負かしたライバルにエールを贈った。

マルケス

マルケス

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  3位のヴィニャーレスは、「バイクを最大限に走らせ、集中して攻めた。今後のレースではもっとよく走れるという自信も持てた」と現状で得られるかぎりのリザルトにまずは納得、という表情で決勝を振り返った。ヤマハ陣営は今回、総じていい仕上がりを見せていたが、土曜の予選まではチームメイトやサテライトチーム選手の後塵を拝する流れだっただけに、陣営トップのリザルトにまずは得心、といったところか。

「このコースはエンジンに最も厳しいコースのひとつだけど、できるかぎりの力でバイクを走らせた。これからさらにがんばって、短所を埋めて長所を伸ばしていけるようにしたい」

マーヴェリック・ヴィニャーレス

マーヴェリック・ヴィニャーレス

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 ヴィニャーレスと対照的に、納得のいかないレースになってしまったのがチームメイトのバレンティーノ・ロッシだ。今大会のロッシは金曜の走り出しから好調で、土曜午後の予選では第3戦COTA以来のフロントロー。今回はそもそもヤマハ勢が全体的に調子よく、たとえば超弩級ルーキーのファビオ・クアルタラロ(Petronas Yamaha SRT)はFP1からFP3まで連続してトップタイムを記録。予選はフロントローを惜しくも逃したものの4番手タイムで、「これはひょっとしたら、日曜の決勝でマルケスとガチンコで勝負して優勝争いをするんじゃないか……」という期待も抱かせた。2番グリッドのロッシも、自分自身とマシンのパフォーマンスについて、「ブルノ以降、バイクに手を入れて少しずつ良くなってきた。オーストリアはブルノより良く、今回はオーストリアより良い。明日は5~6名が強そうだけど、がんばって表彰台を目指したい」を意気軒昂に話していただけに、4位とはいえ、決勝のレース内容はかなり不満足なものであったようだ。

「フロントロースタートで、FPでもいいペースで走れていたので、自分もチームももう少し力強く表彰台争いをできると思っていた。残念ながら、序盤からリアのグリップに問題があって、ペースがいまひとつでトップスリーについていけなかった。後半はタイヤのダメージが大きくてスローダウンしなければならなかったので、厳しいレースだった。もっと行けると思っていたのに、思っていたより厳しいレースになってしまった」

バレンティーノ・ロッシ

 ロッシは、次戦のミザノあたりまでの結果や内容を参考にして、2021年以降も現役を続行するかどうかの判断材料にしたい、と以前に話していたのだが、期待と現実に大きなズレが生じてしまった今回のレース内容を、ロッシ自身は果たしてどんなふうに捉えているのだろう。次戦ミザノでの走りには、おそらく大きな注目が集まるのではないだろうか。

 さて、上記でも言及したクアルタラロだが、決勝レースは13秒であっけなく終わってしまった。

 4番グリッドからスタートして1コーナーに差し掛かったとき、
「リンスにオーバーテイクされて、自分はジャック(・ミラー)をアウト側から抜いていった。目の前でリンスのリアが滑ったので、ぶつからないためにスロットルを急に閉じたら自分もスライドしてハイサイド転倒をしてしまった」

 この転倒で、クアルタラロのマシンを避けられずに突っ込み、乗り上げる格好でアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Ducati Team) も巻き添えをくって転倒。幸い両選手に大きなケガはなかったものの、表彰台争いを期待された2台がこれであっけなく消えることになってしまった。
「骨折しなかったのは幸いだけど、ドビには申し訳ないことをした」とレース後に述べたクアルタラロは、「レーシングインシデントとはいえ、今回は運がなかったのだと思う。でも、FPで学習を進めていい経験になったし、今朝のウォームアップでもマッピングをいろいろと試せた。次のミザノでまたがんばりたい」と締めくくった。

クアルタラロ

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 今回のウィークでもうひとり、大きな注目を集めていたのがホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)だ。第8戦のアッセンで胸椎を骨折して治療休養をとっている間に、「このまま引退するかもしれない」「ドゥカティへ電撃復帰するのではないか」といった不穏な情報が流れたが、今大会で復帰。体調がまだ完全ではなく、どれほどのパフォーマンスを発揮できるのか、ということは周囲と同様かそれ以上に本人がもっとも気になっていただろう。

 シルバーストーンはハイスピードコースで切り返しも多く、負傷がまだ癒えない状態での復帰には必ずしも最上のサーキットとはいえない。この点についてロレンソは、「復帰をさらに遅らせると、もっと厳しくなる。さらに数戦待てばケガは完璧に治るだろうけど、筋肉が落ちて柔軟性も衰え、どんどんバイクに乗れなくなっていく。だから、ここで復帰をすることがベストオプションだった」と説明をした。

 金曜はFP1とFP2を終えて最後尾、土曜の予選を終えて決勝グリッドは最後尾からひとつ前の21番手。

 日曜の決勝は5900mのコースを20周する、ロレンソにとっては苛酷な試練だが、14位でゴール。2ポイントを獲得した。レースを終えた夕刻は「この体調だから限界までは攻められなかったけれども、ベストを尽くした」と振り返った。

「序盤数周は燃料がフルタンクで、ブレーキングに苦労をした。燃料が減ってくると、ハードにブレーキできるようになり、タイムもよくなってきた。ウィークを通して、(カレル・)アブラハムや(ハフィス・)シャーリンよりも自分のほうがずっと遅かったので、今日は最後尾になると思っていた」
 と、予想以上に良い順位で終えたことに自分でもやや驚いた様子で
「転倒なく走りきると言う目標は達成できたし、今後のレースに向けて実戦トレーニングにもなった」
 と今回のウィークをポジティブに捉えた。

「ただ、40分間もずっとこの格好(前傾姿勢のライディングポジション)を取り続けていたので、今は金曜や土曜の午後より背中がかなり痛むし、腫れもある。もっと痛みがあればやめていたかもしれないけれども、ガマンできる範囲だったのでがんばって走りきった。ミザノのレースでは、だいぶ良くなっていると思う。体調も回復してくるだろうし、クラッシュの心配もしなくていいだろうから、速さも戻ってくると思う」

ロレンソ

ロレンソ

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 さて、では各クラスの日本人選手についても、ざっと振り返っておこう。

 まずはMotoGPクラス。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、4列目10番グリッドからスタートし、順位を少しあげて8番手を走行中の7周目に16コーナーでフロントを切れ込ませて転倒。その後、マシンを引き起こしてコースに復帰したものの、結果はノーポイントの17位。

「前の周回よりも2km/hほど速かったみたいで、早めにブレーキを離してスロットルを開けるのが数パーセント早かっただけだけど、転倒してしまいました。握りゴケだったらともかく、開けていったところからフロントが切れてしまったので、ちょっとヘンな転びかたでした。ウィークを通してその症状がまったくなかったので、自分としてはびっくりというか……。まずまずの位置を走ってプッシュしていたなかでの転倒で、悪くても8~9位でフィニッシュできたレースだったと思うので、自分のミスでシングルフィニッシュを逃してしまったのは、残念です。今週の木曜と金曜とミザノテストがあるので、レースに向けて走り込み、次戦のサンマリノGPに向けて頭を切り換えて臨みます」

中上貴晶

 Moto2クラスの長島哲太(ONEXOX TKKR SAG Team)は、3列目7番グリッドからスタートして5位でチェッカーを受けた。前戦のオーストリアGPではポールポジションを獲得し、ペース面でも優勝を狙えそうな仕上がりだったにもかかわらず、他車の転倒に巻き込まれてリタイア。今回はそのときほどのまとまりには至らなかったが、その現状でベストを尽くした状態で5位、という結果なのだから、上々のリザルトといっていいだろう。長島自身も、満足そうな表情でレースを振り返った。

「表彰台も前に見えていたけれども、追いつきそうで追いつかなかったので、正直なところ、めっちゃくやしいんですが、最後の3~4周に(チームメイトの)レミー(・ガードナー)がペースを上げたときに自分は上げられなかった。そこが、表彰台に乗るためには今回の足りない部分だったと思います。アッセンでも5位だったんですが、あのときは前が転んだりいろいろあった結果で、実質的にはトップテンに入れるかどうかという内容の5位でした。今回は実力で獲った5位なので、そういう意味ではうれしい。次のミザノは(富沢祥也が亡くなった場所なので)自分にとっても特別なレースだから、表彰台を獲れるようにがんばります」

長島哲太

 前戦のオーストリアGPと今回のイギリスGPに代役参戦を果たした名越哲平(IDEMITSU Hoda Team Asia)は、2戦とも完走を果たし、今回も最後尾ながら28位でチェッカーを受けた。「オーストリアは簡単なコースかなと思ったら、実際に走ってみるとアップダウンがすごくて、レイアウトが単純なだけにタイムの詰めどころがわからなかったのですが、コースが小さい分、前との差も小さかったので、いろいろと見ることができて勉強になりました。今回は本当に難しいコースで、FP1では『どうやって走ればいいんだろう……』というような状態から始まって、短い時間でも少しずつ理解をできてきました。

 最初に代役参戦をしたムジェロでは、周りのペースもわからないままついて行こうとして、自分の技倆を越えて転んでしまい、何も学べなかった。その失敗があったからこそ、ここの2戦は最後までレースを走りきって、タイヤマネージメントの難しさなどを勉強することができました。2戦とも完走できたのは大きかったし、日本に帰っても今回学んだことを忘れずにトライしていけば、自分のレベルも上がっていくと思います」

名越哲平

 Moto3クラスは悲喜こもごもの結果になった。

 日本人最上位は鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)。4列目11番手からのスタートで、序盤は集団に呑まれかけたものの、そこから少しずつ追い上げてトップグループに迫り、終盤でバトルに加わって優勝から0.495秒差の5位で終えた。

「最初から前にいれば、他のライダーのように序盤からポジションをキープしたままタイヤを温存して最後の最後にアタックに出られたと思うけど、後ろからだったので1周たりとも気を抜く余裕もなく、張り詰めたレースでした。その意味では予選の失敗が原因かな。そこがなければ、もうちょっと違ったレースをできたかも。でも、ここ2戦は自分のミスでリタイアしているなかで、今回は自分のポテンシャルも周りに示せて、表彰台も見えてきたので、この調子で次のホームGPもがんばります」

鈴木竜生

 佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)は、予選では2列目4番グリッドを獲得。決勝は終始上位グループで攻防を続けて、鈴木の直後の6位でゴール。
「ずっとペースも良かったし速さもあったし、チームもとてもがんばってくれました。ひとつのコーナーだけブレーキングがうまくいかなくて、そこで決勝中にいつも抜かれてその後で抜き返して、という展開でした。そこが今日の弱点でしたね。トップグループの後方じゃなくて中でバトルをできたのは良かったんですが、以前なら6位を獲るとうれしかったのに、今は全然うれしくないのは、自分が成長しているからなのかなあ、とも思います」

佐々木歩夢

 
 小椋藍(Honda Team Asia)も、今回のレースでは存在感を発揮した。3列目8番グリッドという好位置につけ、序盤から先頭集団で終始積極的な攻めを見せた。中盤ではトップに立つ場面もあり、臆せず激しいバトルに応酬していくレースを続けたが、最後はグループ後方の10位でゴール。

「今回は、レース内容が大事だと思っていました。最後はグループの中でマネージメントをできず、終盤のレース内容がそのまま結果になってしまいました。トップ争いで先頭に出たのは初めてで、終盤何周くらいで仕掛ける、というやりとり的なものがわからなくて待っちゃったところがあるので、次は抜かれたらすぐに抜き返してずっと前にいる、くらいの感じじゃないとダメだと思います。今回は前でレースをできて、ちょっとわかった部分もあるので、今後に向けてよかったけど、もうちょっとなんとか出来たんじゃないかとも思います」
 と、口惜しい表情でレースを振り返った。初めて経験できたトップ争いを喜ぶよりも、ふつうに悔しがっているところが、小椋の逞しさといえるだろう。
「いつも、前にいるときは中盤から最後に順位が落っこちて、逆に序盤に後ろだと終盤に上げていって『あと数周あれば……』という展開になるので、後方から追い上げるのはもういいかんじだから、あとは自分が前にいるときに最後まで勝負できる位置にいることが次の課題です。今後のレースは、ミザノ、アラゴン、タイ、もてぎと続き、フィリップアイランド以外は全部知っているコースなのでがんばります」

 小椋藍

 
 彼ら3名と対照的に、厳しいレースになってしまったのが、鳥羽海渡(Honda Team Asia)。18番グリッドから1周目で順位を落とし、最後まで浮上のきっかけを掴めないまま20位でチェッカーフラッグを受けた。決勝の展開を振り返る声に覇気がないのも、むべなるかな、というレース内容だった。

「グリッド位置が悪かっただけに、ポジションを上げられませんでした。今週は単独走行でタイムを出せていなかったので、自分の走りをできてなかったのが敗因です。いいところをまったく出せなかったので、次は巻き返せるようにがんばります」

 真崎一輝(BOE Skull Rider Mugen Race)は26位。土曜午前のFP3でハイサイドクラッシュの際に左足の踵部分を強打。骨折には至らなかったものの、日曜になって痛みはさらに強くなり、ただ最後まで走りきるのがやっと、という状態。

「レントゲンで診てもらっても骨折はなかったんですが、筋を傷めているのか、足首から足の裏にかけて(痛みは)今が一番ひどいです。痛み止めは服用したんですが、あまり効かず、走れば走るほどキツくなっていきました。次のレースまでにしっかり治して、新たな気持ちで臨んでいきます」

 というわけで、みなさんがんばってください。では、また。

西村 章
web Sportivaやmotorsport.com日本版、さらにはMotosprintなど海外誌にもMotoGP関連記事を寄稿する他、書籍やDVD字幕などの訳も手掛けるジャーナリスト。「第17回 小学館ノンフィクション大賞優秀賞」「2011年ミズノスポーツライター賞」受賞。

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