2019年5月30日
第104回「なんだ神田」
超弩級の10連休、あそこに行こう、ここにも行こうと思っていたのですが、10日もあると「明日でいいか」とずるずる先延ばし、結局どこにも行かずに気がつけば最終日6日の夜。己の計画性と行動力の欠如を嘆いたのではなく、10日間も退屈することなくぼーっと過ごせたとことに感心しました。おかげでお金も体力も使わなかったので、お金はともかく体力はムダに余っております。でも暴れたりしませんからご安心を(あたりまえ)。
もちろんみなさまにおかれましては、幕を開けた令和元年、有意義な時間を過ごされたことと慶賀の至りでございます。
というわけで、平成最後、令和最初の立喰・ソも特に意識することもなく、なし崩し的に今日に至るわけです。おっと、間違えた。なし崩しは、なあなあにしてしまうみたいな使い方をしますが、本当の意味知っていますか? 「少しづつ借金を返済していくこと」が本来の意味で、「こつこつと物事を成し遂げる」ことなんだそうです。これも連休中にぼーっとラジオを聞いていたおかげで得られた知識です。ぼーっと生きているから得られる知識もあるんです、チコちゃん。
しかし、「借金はなし崩しでいいですね」と本来の意味で言われても、「了解で〜す」というのはかなり勇気がいることで、今月もなし崩しに話を進めて参ります。
前回の立喰・ソNEWS2019でお伝えした神田の謎の立喰・ソが今回の主役です。立喰・ソNEWSなのに、そもそもNEWSになっていないという的確なご指摘は真摯に受け止めるとして、NEWSの語源を「North、East、West、South」(東西南北の意)の頭文字と思っている方も結構いらっしゃるでしょう。これも間違いだそうです。ぼーっとテレビを見ているだけで少し賢くなったような気がしますが、語源は? と聞かれてもそこは覚えていません。やはり、ぼーっとしているだけではだめなようですね、チコちゃん。
ぼーっとしているボンクラ弟子でも、師匠は前回の駄コラムもしっかり見ていただけたようで、「あの店は神田駅北口の通りを渡ったところにあった」と教えてくれました。さらに、「そばはまずかったけどカレーだけうまかった」と追加情報も。ちゃんと訪問済みなんですね。さすがは師匠!
「で、師匠、なんという立喰・ソだったんですか?」「ううううん」
しばらくして
「名前のない店だ」
え?
それを最後に師匠からの音信は途絶えたままです。「たまには自分で調べんかい!」という師匠からの叱咤激励でしょう(と、思いたいです)。
連休も明けたことですし、調べました。といってもネットで「神田 立ち食いそば 閉店」と検索しただけです。ところで、ネットのない昭和時代はどうやって調べ物をしていたのでしょう? これまたまったく思い出せません。世の中便利になると人は堕落するのです(責任転嫁)。
結果、惜しまれつつ閉店したかの名店神田そばを筆頭に、はせ川、あすわ、やまと、梅や、田毎、最近閉店したつぼみ家や縁。さらに水道橋駅前にあった神田家や、遙か仙台駅前のそばの神田東一屋駅前店と多数ヒットしましたが、かんじんな謎の立喰・ソは出てきません。普段ならこの時点で「そもそも名前もわからない、時期もわからないんじゃ検索しようがないですよね〜終了」と、きれいさっぱりあきらめるのですが……師匠の鼻を明かすべくもうちょっと頑張ってみようと、あれこれ検索すると、とある方のサイトでついに写真を発見。師匠を越える日が来た! 令和は俺の新時代だ! と力みつつ眺めてみたら、なんとまあ「店名不詳」ですと……。
「ポキッ」と心が折れる音が聞こえました。師匠さえ名前を失念? してしまうくらいなのですから、私ごときに解明できるはずもないんです。師匠を越えるのは令和の次の時代です。(それまで生きているとは思えませんが)。
これではあまりに安直すぎるので、なつかしの神田界隈にあった幻立喰・ソ・ウの在りし日を眺めて、溜飲を下げてやっていただけませんでしょうか。こんなわたしと幻立喰・ソですが、令和もひとつよろしくお願いいたします。
●幻立喰NEWS2019
平成最後の、令和最初の……
平成のラスト幻立喰・ソ、はGWを前に一旦閉店した三崎町のとんがらしでしょうか。大将、おかあさん、おつかれさまでした。無事に後継者も出来たようで、令和最初に開店する立喰・ソになるのでしょうか。先代の熟練の技をそのまま再現することは難しいと思いますが、末永くがんばっていただきたいです。で、平成から元号が令和に改まったばかりで縁起でもないのですが、始まる立喰・ソがあれば終わる幻立喰・ソもあるわけで……令和最初の幻立喰・ソは……それは立喰・ソ神のみが知ることで……す。
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