2019年1月29日
「CBR400R」のスタイリング変更と各部の熟成を図るモデルチェンジ
CBR400R 793,800円(3月22日発売)
“ニューCBシリーズ”として、2012年11月のミラノショーで発表されたCBR500R、CB500F、CB500X。同構成の国内向け400バージョンは翌2013年に発売された。3月のモーターサイクルショーでも注目を集め、フルカウルスポーツ版のCBR400Rが4月23日に発売。その後、ネイキッドスポーツ版のCB400Fが5月23日。そしてオン・オフスポーツの400Xはやや遅れて6月7日の発売とそれぞれ発売月をずらして登場している。
フルカウル仕様でやや低めのセパハンが採用されたCBR400Rは「街乗りからワインディングロードでのスポーツ走行まで楽しめるオールラウンドフルカウルスポーツ」で、コンセプトは“Super Sports DNA”とされた。CBRシリーズのフラッグシップモデル、CBR1000RRのDNAを受け継ぐ空力特性を持つフルカウル、シャープなデザインのデュアルヘッドライトによる個性的なフロントフェイスなどを特徴とするモデルだ。
ちなみに40代以上の方には、あのエアロボディを採用したCBR400R(1986年7月発売)を思い浮かべてしまう懐かしのネーミングだが、新型CBR250Rの時と同様、このCBR400Rもスムーズで優れた燃費性能を特徴とする新型ツインエンジンを搭載する“ニューCBシリーズ”の名のとおり、全く新しい世代のCBRの登場だった。
2016年2月には“ニューCBシリーズ”の中でも、このCBR400Rと400Xのみモデルチェンジが行われている。国内では期待ほどの人気が得られなかったネイキッドモデルのCB400Fは、海外版のCB500Fに集約されるのだろう。ちなみにこのマイナーチェンジもCBR400Rと400Xとでは微妙に発売日がずれており、CBR400Rが2月26日発売なのに対して、400Xは2月19日だった。
主な変更点は、新型LEDヘッドライトを採用したフェアリング周りの見直しが最大のポイントで、デザインの変更だけでなく、風の流れを積極的にコントロールすることでハントリングの向上にも役立たせようという新しい試みが行われている。マスの集中化に貢献する新形状の異型断面マフラー、プリロードアジャスターを装備したフロントサス、新設計のフューエルタンクなどが特徴だった。
2017年4月には、CBR400Rと400Xのカラーチェンジが発表されたが、やはり同一ではなく、CBR400Rが4月7日発売、400Xが4月17日発売となっている。変更は両モデルともカラーのみ。
2018年4月には、400Xと同時にカラーリング変更と、それまではタイプ設定とされていたABSを標準装備としている。
今回は、型式も変更されているフルモデルチェンジで、キープコンセプトならでは、一見大してして変わっていないように思ってしまうが、よく見るとスタイリングも細かな部分まで見直されていることが分かる。兄弟車の400Xのようにフロントが19インチ化されたわけでもなく、しかもキープコンセプトのスタイリングといい、まさに熟成の言葉がピッタリのフルモデルチェンジだろう。
★HONDA ニュースリリースより (2019年1月29日)
ロードスポーツモデル「CBR400R」の外観を一新し各部の熟成を図り発売
Hondaは、水冷・4ストローク・DOHC・直列2気筒・399ccエンジンを搭載し、軽量コンパクトな車体パッケージで扱いやすさが好評のロードスポーツモデル「CBR400R」の外観を一新するとともに各部の熟成を図り、Honda Dreamより3月22日(金)に発売します。
CBR400Rは、「より刺激的に、より自由自在に」を開発のキーワードに、外観をスポーティーなライディングポジションとしたスピード感に溢れるスタイリングに一新しました。
パワーユニットは、吸気系の見直しに加え、バルブタイミングとリフト量の最適化を図るなど、低中回転域のトルクを向上させるとともに、エキゾーストパイプおよびマフラーの構造を一部変更することで、力強い加速と心地よい吹け上がりを実現しています。
また、アシストスリッパークラッチを新たに採用し、より“操る楽しさ”の向上を図っています。
足回りは、分離加圧式のリアサスペンションを採用するなど、サスペンションの作動性をより高めることで、幅広い走行状況で扱いやすい運動性能を実現しています。
電装は、スポーティーなイメージをより際立たせるシャープな造形としたLEDヘッドライト、テールランプに加え、新たに前後ウインカーにもLEDを採用し軽量コンパクト化に寄与しています。
新設計のLCDメーターには、ギアポジションインジケーターなどの機能を新たに採用しています。
車体色には、レーシングイメージ溢れる「グランプリレッド」、精悍な印象の「マットアクシスグレーメタリック」、シャープな印象の「パールグレアホワイト」の3色を設定しています。
- ●販売計画台数
- (国内・年間) 1,000台
- ●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- CBR400R 793,800円(消費税抜き本体価格 735,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません。
- =CBR400Rの主な特徴=
- ■スタイリング
- ・直線を基調としたスピード感溢れるデザインのフルカウルを装備。外観をよりスポーティーなスタイリングに一新しています
- ・従来モデルではトップブリッジ上側に配置していたセパレートハンドルをトップブリッジ下側へ配置し、よりスポーティーなライディングポジションとしています
- ・従来モデルから容量を約1L増やしたフューエルタンクを採用しています
- ■パワーユニット
- ・バルブタイミングおよびリフト量、インジェクターの最適化を図るなど、低中回転域のトルクを向上させ、力強い加速と心地よい吹け上がりを実現しています
- ・吸気系の構成部品の最適化により吸気効率を高めるとともに、エキゾーストパイプのキャタライザー前後のボリュームを増したことで、吹け上がりの鋭さと力強いトルク特性に寄与しています
- ・マフラーはテールパイプを2本に増やすなど構造を変更し、よりパルス感のある排気音を表現しています
- ・トランスミッションのドッグ形状の変更と本数を増やし、スムーズで質感の高いシフトチェンジフィーリングを実現しています
- ・アシストスリッパークラッチを採用。クラッチレバーの形状変更と合わせ、クラッチレバーの操作荷重を低減させ、より扱いやすいクラッチ操作フィーリングにするとともに、連続的なシフトダウンなどで生じる後輪ホッピングを抑制することで、より“操る楽しさ”の向上を図りました
- ■足回り
- ・リアサスペンションには、サスペンション内のガスとオイルを完全に分離させる構造とした、分離加圧式を採用。路面追従性をさらに高めることで、よりスポーティーな⾛⾏に寄与する動性能を実現しています
- ・制御をより緻密化したABSモジュレーターを採用。ABS※1作動時のブレーキレバー、ブレーキペダルへのキックバックを低減させるなど、制動時の安心感をより高めています
- ※1 ABS はライダーのブレーキ操作を補助するシステムです。ABSを装備していない車両と同様に、コーナーなどの手前では十分な減速が必要であり、無理な運転までは対応できません。ABS作動時は、キックバック(揺り戻し)によってシステム作動を知らせます
- ■電装
- ・ギアポジションインジケーター、シフトアップインジケーター、水温計などの機能を新たに設定するなど、豊富な情報をライダーに伝える新設計のLCDメーターを採用しています
- ・急ブレーキ時にハザードランプを高速点滅させるエマージェンシーストップシグナルを採用しています
★主要諸元
車名型式 | 2BL-NC56 | |
---|---|---|
CBR400R | ||
発売日 | 2019年3月22日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.080×0.755×1.145 | |
軸距(m) | 1.410 | |
最低地上高(m)★ | 0.130 | |
シート高(m)★ | 0.785 | |
車両重量(kg) | 192 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※2 | 41.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※3 | |
28.3(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※4★ | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転小半径(m) | 2.9 | |
エンジン型式 | NC56E | |
水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 399 | |
内径×行程(mm) | 67.0×56.6 | |
圧縮比★ | 11.0 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 34[46]/9,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 38[3.9]/7,500 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式★ | セルフ式 | |
点火方式★ | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式★ | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L)★ | 17 | |
クラッチ形式★ | 湿式多板コイル・スプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 3.285 |
2速 | 2.105 | |
3速 | 1.600 | |
4速 | 1.300 | |
5速 | 1.150 | |
6速 | 1.043 | |
減速比1次/2次 | 2.029×3.000 | |
キャスター(度)★ | 25°30′ | |
トレール(mm)★ | 102 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 160/60ZR17M/C 69W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
■道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)■製造事業者/本田技研工業株式会社
※2 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※3 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※4 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます