2018年11月12日

第62回「もしものために……」の巻

MBHCC A-1

第62回「もしものために……の巻」の巻

 
 あれは7〜8年前のこと。新宿駅で丸ノ内線に乗ろうと地下道に入ったところ、10メートルほど先に財布が落ちているのが見えたのです。
 朝の新宿駅なのでかなりの人が歩いているのですが、なぜか誰も拾わないのですよ。

 それでしょうがないのでワタシが拾って駅員さんに届けたのですが、そいつ露骨に嫌な顔をしやがったのです。
 新宿駅にはいくつもの鉄道会社が乗り入れているので、それぞれに領域があるらしく、いちいちそれを確認しないといけないのでめんどくさいらしいのです。
 新宿駅には派出所が三つあったのを思い出し、持っていったら、今度はワタシのことを根掘り葉掘り聞かれ、結局、落とし物を届けただけなのにものすごい時間を取られてしまいました。なるほど誰も拾わないワケですね。

 財布の中には現金7万円と免許証に保険証、カード類が何枚も入っていたので、落とし主はきっと胸を撫で下ろしたことでしょうね。ワタシもお礼は辞退したしさ。

 実はワタシ、昔からやたらと財布やバッグなんかを拾うのです。旅先でバイクを走らせているときも、何回か免許証や財布なんかを拾ったことがあります。地元のおまわりさんに届けると、お国なまりでのんびりとした対応をされたりするのですが、逆にそれがよかったりして、やさしい気持ちになれたりするものです。

 関越道を走っているときも、道路上にウエストバッグが落ちているのを発見しました。どこかのライダーさんの腰から滑り落ちたのでしょう。車に轢かれて潰れていなかったので、落としたてホカホカだったのかしら。
 車はほとんど通っていなかったし、よほど路肩にバイク停めて拾おうかとも思ったのですが、さすがにそれはやめましたけどね。

 それ以来、ワタシも恐くなって、もしものときのために、バッグとジャケットをカラビナで留めるようにしているのです。

 みなさんはどうにされているかもしれないとは思うのですが、落下防止のためには必要ですね。

 

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