2018年11月9日

HARLEY-DAVIDSON 115th.Anniversary Celebration アメリカ・ミルウォーキーに 15万人が集まった!

■レポート・撮影:青木タカオ ■HARLEY-DAVIDSON JAPAN https://www.harley-davidson.com/

 
ハーレーダビッドソン生誕の地であり、今なお本社を構えるアメリカ・ウィスコンシン州ミルウォーキー。5年ごとに創業を祝うセレブレーションイベントが開催されていますが、115周年となる今年ももちろん盛大なイベントがおこなわれました。公式会場となっているのは、街の中心に程近いハーレーダビッドソンミュージアムをはじめ、湖のほとりにある大きな公園、地元にある7つのディーラー、ハーレーダビッドソン発祥の地である本社、見学可能な工場、レース会場など多岐にわたりますが、街中がお祭り騒ぎです。8月29日から9月2日にかけての6日間で、15万もの人が集まりました。

 木曜日に到着しましたが、ミルウォーキーの街はもうハーレーダビッドソンであふれかえっていました。集まったライダーたちは、イベントが幕を下ろす日曜日まで、点在するイベント会場を好きなように回って思い思いに楽しむのです。
 ハーレーファンにとっては生誕の地に帰り、長い歴史を祝うセレブレーションイベントに参加するのは特別な経験です。故郷巡礼の旅といったところでしょうか。ハーレー乗りはイベントやミーティングが好きなイメージがありますが、その本陣に乗り込んだ気がします。
 
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イベント開催期間中は「ウェルカムライダー」のサインがそこらじゅうにあり、街のいたるところに無料で利用できるバイク駐輪場が設けられ、訪れたライダーたちは駐車スペースに困りません。公園内や歩道、交通量の少ない道路を閉鎖するなどスペースが有効に使われ、行政と企業が一体化した催しであることがわかります。こういったバイクイベント、日本にもあったらいいですね。羨ましいです。


 
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もちろん、ハーレーダビッドソンという地元企業が、普段から、そしてこうした大きなイベントで、街に大きな経済効果をもたらすことを市民も行政も理解しているからこそ成り立っているのでしょう。警察も全面協力の体制で、白バイのポリスが交通誘導に励んでいます。


 
 日本でたとえるなら、昔から続くお祭りのようなものではないでしょうか。騒がしくても、地元の人が文句など言うことはまずありません。それが伝統であり、文化だからです。
 そう考えると、このセレブレーションイベントであったり、デイトナバイクウィークやスタージスも理解できます。地元のお年寄りも楽しみにしていて、季節の恒例行事のようなものなんだと思います。未来永劫続けていこうと、誰もがこのお祭りを大切にしています。
 

白熱のレースイベントが目白押し
連日、手に汗に握る!

 5年前にもミルウォーキーでの創業祝賀イベントを体験しましたが、あのときはエアロスミスのステージが金曜夜のメインイベントで、エンターテインメントに力を注いでいるイメージでした。
 しかし今回はレースプログラムが充実して、バイクメーカーらしさを感じます。まず、街の中心にあるインドアのアリーナでフラットトラックレースがおこなわれ、フライデーナイトのスペシャルプログラムとなりました。

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マシンはハーレーだけでなく何でもありで、各クラスで本気のガチバトルが繰り広げられますから、観客はヒートアップするばかりです。タイトなショートトラックですから、多重クラッシュも続出します。


 
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ミシガン湖の畔では、黎明期に盛んにおこなわれていたビーチレースが2日間をかけておこなわれました。特設のオーバルコースはフカフカのサンドですから、パワーを喰われないようにライダーはアクセル全開で駆け抜けます。マシンは当時を偲ぶような4バルブのWRやWLに、ナックルレーサーもチラホラ。砂の上を惜しげもなく走り、テール・トゥ・ノーズの本気バトルを見ることができました。


 
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郊外のスキー場ではヒルクライムレースも。心臓破りの急勾配を一気に駆け上がり、先に頂上へ辿り着いた者が勝者という単純明快さ。全米選手権も開催されていて、専用マシンはロングスイングアームを組んだモトクロッサーの車体に、スポーツスターの4カムエボリューションを積んでいます。ドラッグレースのような1対1でのシンプルな勝負で、これにもアメリカらしさを感じずにはいられません。ビーチレースもそうでしたが、フラットトラックレーサーのままタイヤだけ交換してエントリーするライダーもいて、坂の途中でグリップを失い悪戦苦闘する姿も。登り切っても滑り落ちても観衆は拍手喝采。みんなが楽しんでいました。


 
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登場したばかりの新型ソフテイル「FXDR114」が登場し、デモランをしたのはドラッグレース場でした。その加速力は強烈でしたが、ライダーに聞くとチューンナップはされておらず、完全なるノーマル仕様とのこと。ミルウォーキーエイト114=排気量1868ccのビッグトルクは凄まじいものです。


 
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ドラッグレースは参加型で、レーシングチームがバトルしているのではなく、一般ライダーがやってきては次々と直線1/4マイルのドラッグストリップを走っていきます。ツリーのシグナルが変わると同時にスタートダッシュを決めていきますが、普段どおりに早めにシフトアップして穏やかに直線加速を楽しんでいる様子。それをスタンドで、ホットドッグを食べながらノンビリ眺めています。アメリカの開放的な気分が心地良いのです。


 
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 イベントは日曜日、街のメインストリートを閉鎖しておこなう6000台規模のパレードで締めくくられ、沿道はたくさんの人で賑わいます。子どもたちが走り去るライダーと次々にタッチし、とても喜び、憧れの眼差しでライダーたちを、そしてハーレーダビッドソンの走る姿を眺めているのが印象的です。
 きっとこの子たちが大人になったとき、ハーレーダビッドソンに、オートバイに乗ってここをまた駆け抜けるのでしょう。これがアメリカのモーターカルチャーであり、ハーレーダビッドソンの魅力なんだと思います。
 先に書いたような経済効果だけが目当てではなく、ミルウォーキーの人たちは我が町のハーレーダビッドソンを誇りに想い、お爺さんの代から延々と続くそのプライドをこれから先も変わらず大切にし続けていくのです。
 
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連日のレースプログラムやカスタムショーを見てまわり、さらにハーレーダビッドソンミュージアムで歴代モデルを眺めたり、工場見学したりで、ミルウォーキー滞在中は飽きることがありませんでした。日曜日にパレードが終わり、たくさんいたハーレーの姿がなくなると、夏祭りが終わったような気持ちで寂しくて仕方がありません。次もまた5年後、必ずミルウォーキーに行きたいと思います。


 



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