2018年11月14日
ホンダコレクションホール20周年記念イベントその7
2018年7月16日(月・海の日)、栃木県にあるツインリンクもてぎ南コースで「ホンダコレクションホール開館20周年記念 市販製品特別走行」が開催されたが、このイベントは単発での開催ではなく、9月24日(月・振替休日)に2回目が開催された。このイベントはホンダコレクションホール所蔵の2輪&4輪の市販車の中から、ホンダ創業期から2010年代までの70年間の歩みを代表する車両約60台を、実際に動いている姿で一般に公開するというもの。
7月の第一回目は好天に恵まれたが、第2回目の開催は事前の予報から雨の確率が高い一日だった。特に夕方にかけて降水確率が高くなっていくという状況であったため、空を眺めながら、休憩時間や予備の時間を調整しながらのデモンストレーション走行となったものの、予定していた62台の走行は無事に終了した。
基本的には2回とも同じ車両の走行だったのだが、ちょうどレストア作業が完了した1300セダンをぜひファンの皆さんに見てもらおうということで、当初の予定にあった1300クーペと入れ替える形で走行を行った。また、同様の理由からエレメントもデモンストレーション走行を行った。そして追加プログラムとして、個性派原付バイクも登場。以下に紹介する10台が加わり、会場も大いに盛り上がった。
■文・撮影:青山義明
■取材協力:ホンダコレクションホール https://www.honda.co.jp/collection-hall/
スーパーカブをベースに空冷4ストローク単気筒OHCエンジンに、2輪車で初めての副変速機〈スーパートルク〉付き3段変速機を搭載。エキゾーストパイプも上方に設置したアップマフラーとして、オン・オフ両用に使えるデュアルパーパスモデルとなっている。リアには大型キャリアも装備し、6Lの大型タンクと機動力も抜群だった。
ダックスホンダは小柄な車体は低重心で長いホイールベースが特徴の不整地でも安全に運転できる設計のモデルとして1969年に登場。経済的で信頼性の高いスーパーカブ譲りのエンジンを搭載したレジャーバイク。ダックスフントを連想させるスタイルからそのネーミングがつけられた。白いボディに花柄シートの組み合わせのモデルがホワイトダックスと呼ばれた。スポーツはマニュアルクラッチ+4段ミッションでハンドルが固定式のモデル。Ⅰはアンダーガードなし。Ⅱがアンダーガード付き。
モンキーの兄貴分として1978年に発売されたモデル。空冷4ストロークOHCエンジン、マニュアルクラッチの4段ミッション、モンキーの倍近くもある9リットルの大型燃料タンク、さらには前後キャリア、ビッグシートと、レジャーの幅を広げる各種装備を充実させている。ロングセラーモデルで、1990年まで生産が続けられた。。
新しいアウトドアライフのために、ハンドル、シート、ステップが折り畳みできて、同時発売となった4輪車シティのラゲッジスペースに搭載可能なトランクバイク。細長い箱にタイヤが付いている姿はとても風変わりなものだが、車載をしっかり考慮し、完全密閉タンクや逆止弁など液洩れ防止機構も盛り込み、乾燥重量は42kgと軽量であった。
積載機能を重視したアウトドアユースのレジャーバイク。モーターサイクルとトラックとを融合させた造語でモトラと名乗る。原付とは思えないヘビーデューティーな仕様で、4ストロークエコノパワーエンジンは通常の3速の変速機にプラスして副変速機も備えており、低速側に切り替えてローギアをチョイスすれば、最大23度の登坂能力を誇った。
スポーツバイク並みの高出力を誇る水冷2ストロークエンジンを搭載するスクーター。斬新で未来的なデザインの外観に、ペダルにより低回転と高回転でトルクの切り替えが可能なV-TACS(バリアブル・トルク・アンプリフィケーション・チャンバー・システム)という排気デバイスを始め、世界初の独自機能を多数盛り込んでいる。
ホンダにとって「ストリーム」「ジャイロX」「ジョイ」「ジャスト」に続く5機種目の前1輪後ろが2輪のスリーター。パイプで構成されたパラレルフレーム、バケットタイプのシートなどユニークなスタイリングが特徴の一台。ワンタッチ・パーキングブレーキやセルフスターター、2速オートマチック機構、バックレストにノートポケット(小物入れ)などを装備した。
低いシート高と前方に長く傾斜したフロントフォークによって生み出された長いホイールべースのスタイルで、リアクッション、バッテリーケース、エアクリーナーなどはクロームメッキを施し、徹底的にアメリカンイメージを追求した原付バイク。量産車では日本初となるミラードホイールを採用している。1999年まで販売されたロングセラーモデル。
スケートボードをイメージした若者向けの個性的なスタイルのタウンビークル。シンプルさと機能を追求し、シートは2段階のアジャスト機構を持ち、降車時にはヘルメットを載せ、ヘルメットホルダーとしても使用できる形状を採用。またフロアステップ中央にキー付の小物入れも採用。使い勝手にも配慮。タイヤのトレッドパターンは靴底の形をイメージしたユニークなパターンを採用している。
1962年に発売となった市販レーサーCR110カブレーシングをモチーフに、その60年代のレーサー風の車体に、市販車世界最小の量産DOHCエンジンを搭載する。「ドリーム」の名にふさわしい精密なメカニズムと美しい仕上がりが特徴。ブレーキは、前・後ディスクブレーキを採用するなど一般ユースに耐えられるものとなっている。
空冷エンジンに最後までこだわって登場したホンダ初の小型乗用車で、前回走行した2ドアクーペと、今回の4ドアセダンの2つのボディタイプをラインナップしている。独創的なDDAC(一体式二重空冷)4ストローク4気筒OHCオールアルミ製エンジンは1300ccながら1800ccクラス並みの出力を発揮した。
センターピラーレス構造と両側観音開きのサイドアクセスドアを採用したユニークな外観のSUV。ホンダR&Dアメリカで開発、オハイオの工場で生産され、日本に輸入されたモデル。アウトドアユースを前提に考えられ、各所に防水処理が施され、リアのトランクも開口部が広く、使い勝手の良い一台であった。
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