2018年10月16日
第44回「モトクロス最終戦!ここ押さえて楽しんで!」
全日本モトクロスもいよいよ大詰め、今シーズンは必ずと言っていいほどウィークに雨が降ったり、豪雨で中止になったり波乱含みでありました。シーズンの流れは色々で、それぞれの選手にドラマがありますが、ちょっと興味を持って「モトクロス見てみようかな?」と思った方々が国内最高峰のIA1クラスを観戦するのに参考にしてくだされば幸いです。
昨シーズン、3年間のMXGP参戦から帰国した#1山本鯨選手は、王者成田亮選手とのチームHRC内でのバッチバチの闘いを制してチャンピオンを獲得。そして現在もランキングトップです。
ロードレースの中須賀克行選手よろしくモトクロス界に君臨した成田選手も今年で38歳。常に勝つことを求められる立場の成田選手は、自身が率いるチームNRTを休止して身軽になり、ゼッケン982をつけてのチームHRCからの参戦。開幕で2連勝し、そのうち1ヒート目でIA通算150勝という大きな記録を達成。昨年は開幕以来優勝に恵まれなかった成田選手でしたが、今季はこれまでに6勝をあげています。
シーズン後半は山本選手が盛り返し、成田選手が不調だった第5戦と第6戦を制し、第8戦は成田、山本両選手が優勝を分け合うなど、昨年につづいてチーム内バトルはヒートアップ。2人のトップ争いはしばしばぶつかり合うこともあり、バトル的に面白くもありますが、ヒヤヒヤします。HRCのテント内でも、休憩や支度をするスペースは離れていてお互いの距離を保っている様子が見うけられます。タイトル争いは山本選手が301ポイントでランキングトップ。成田選手は9ポイント差の292ポイントで最終戦に突入。
追いかけるのはカワサキの#2小方誠選手(292)と#331新井宏彰選手(250)ですが、小方選手は第3戦SUGOで1勝、第4戦では総合優勝を飾り、新井選手は第2戦オフロードビレッジで2-1で総合優勝。表彰台の常連ではあるものの最終的にノーポイントのレースが響き、チャンピオン争いには遠くなりました。今季はスズキが世界選手権も含めファクトリーの撤退を表明し、ヤマハのエースだった平田優選手の引退などで、ホンダVSカワサキが目立ったIA1クラスです。
最終戦はタイトル争いに加えて、ホンダからはMXGPのエース、ティム・ガイザー選手が2度目の来日参戦。AMAに参戦の富田俊樹選手も参戦。ヤマハがMXGPのジェレミー・シーワー選手を招聘。ティム・ガイザー選手は2015年にMX2クラスでチャンピオンを獲得し、翌年MXGPクラスにステップアップしていきなりチャンピオンを獲得。ジェレミー・シーワー選手は2015、2016年はMX2クラスでランキング2位を獲得し、今年からはヤマハに移籍してMXGPクラスにステップアップしました。富田選手は開幕前に膝を負傷しましたが、今季は第10戦では総合10位に入り、年間ランキングを14位としています。
シリーズ通しての仕事をしている身としては、上位にゲストライダーが食い込むことでタイトル争いのポイント計算がややこしいことになるので大変なのですが(笑)、パドックがいつもと違った空気になるし、シーズンの流れや最近のライダーを把握していなくても、この大会だけでも、海外ライダーの走りやトップライダー達のレースで楽しめるのではないかと思います。
モトクロスはパドックの見学は無料ですし、ポスターやグッズ配布もあります。お昼はトークショーとかサイン会も各チームで開催されていて選手との距離も大変近いです。最終戦は10月28日スポーツランドSUGOで開催されます(詳細はこちらで)。
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