2018年9月7日
9万を越える観客が集まった 世界最大のドゥカティのお祭り World Ducati Week 2018
■レポート・撮影:河野正士 ■Ducati Japan https://www.ducati.com/
7月20日から22日までの3日間、イタリアのミザノにあるミザノ・サーキット・マルコ・シモンチェリで「第10回 World Ducati Week(ワールド・ドゥカティ・ウィーク、以下WDW)」が開催されました。WDWは2年に一度ミザノ・サーキットで開催される、ドゥカティによるドゥカティ・オーナーのための世界最大のイベント。今年は3日間合計で9万1596人が来場。前回を1万人以上上回り、来場者数の記録を塗り替えました。そこに僕は初めて参加。イタリアン・レッド(それとスクランブラー・イエロー)にすっかり染まって帰ってきました。
突き抜けるように青い空と真っ赤なバイク。スーパースポーツであってもネイキッドであっても、それに跨がるライダーたちは短パンにTシャツのバケーション仕様。もちろん満面の笑顔で溢れている。僕のWDWのイメージは、まさにこれでした。そして現地に行って、その理由も分かりました。それは、とにかく暑いから。個人的には、猛暑と言われる東京と変わらない感じ。湿度が低いので日陰に入れば少し涼しく感じますが、日射しは強くカラダに突き刺さる感覚なのです。
そんなミザノ・サーキット・マルコ・シモンチェリで、朝から夕方まで、いろんなコンテンツを見て回り、仲間とワイワイ騒ぐには、バケーション仕様の短パンとTシャツが必須というわけです。ほとんどの参加者が近隣ホテルかキャンプサイトに宿泊しているので、移動はそこからの短い距離。軽装で行きたくなる理由も分かります。
そして会場が近づくと、四方八方から無数のドゥカティが集結。その密度がドンドン高まっていくと、それにあわせて気分も上昇していきます。単一メーカーのオーナーイベントは、変わらずこんなイメージなのですが、周りに溢れているバイクがレッドやイエローのカラフルなボディをまとっていて、それにバケーション仕様のライダーたちが重なると、他ブランドのオーナーイベントにはない、ドゥカティならではの雰囲気を感じるのです。なにより皆、底抜けに明るい。
今年はセキュリティが強化されたため、入場ゲートに顔認証カメラを設置。そのために入場ゲートから少し離れたサーキット入り口でヘルメットを脱ぐように指示されます。その後、パニアケース付きバイクや大きめのバッグを持ったライダーは、すべて金属探知機を使って中身をチェックされるのです。そのため入場ゲート前は大渋滞しているのですが、そこで皆は、イライラしている感じがない。その渋滞している様子を撮影しようとすると、勝手に歓声が上がり、それに後続が答えて歓喜の輪が広がっていくのです。この歓喜の輪の伝播は、会場のあらゆる場所で感じることができました。
もうひとつ驚いたのは、その規模の大きさ。メイン会場のミザノ・サーキット・マルコ・シモンチェリとは別に、ミザノ、リミニ、カットリカ、リッチョーネの各自治体と、サンマリノ共和国の協賛を得て、各地でもイベントが開催されていたこと。ミザノ・サーキットを一周してからリミニの街を目指すパレードランは、参加者が多すぎてコースインするまでに1時間以上を要しました。そこからリミニまでのパレードも……想像通りです。またパレードのゴールでは「スクランブラー・ビーチパーティ」が開催され、会場となったビーチ&マリーナはディスコ状態(←表現が古い)。また土曜の夜はリッチョーネのローマ広場に巨大なステージを造り上げ、ワークスライダー&レジェンドライダーのトークショーのあとは、音楽コンサートも開催されたのです。
ワークスライダーたちによる、パニガーレV4Sのワンメイクレース「レース・オブ・チャンピオンズ」では、イタリア空軍のアクロバティックチーム「フレッチェ・トリコローレ」が飛来し、イタリア国旗カラーのスモークを焚いて会場を盛り上げるなど、少しオーバーな表現ですが“このイベントに国家単位で協力しちゃうのかよ!?”的な驚きとともに、うらやましさを感じたのでした。
サーキット内のコンテンツは後ほど紹介しますが、ドゥカティ×サーキットイベントと言えば、エキシビションレースがメインディッシュになるのは当然。しかしエキシビションレースは、ライダーと観客が完全に区分けされ、なんとなくもの悲しい気持ちになってしまうのですが……でもWDWは違っていました。参加するレーサーたちの心意気なのか、それを支える観客たちの純粋さなのか、何が違うのかは分かりませんが、両者の間に壁がなく、一体感を感じたんですよね? もちろんメインイベントである、パニガーレV4Sのワンメイクレース開催時も、他のブースにはレースそっちのけで楽しんじゃってる人たちも大勢居るわけです。
皆、それぞれのカタチでドゥカティを楽しみ、ドゥカティを支えている。WDWに参加して、そういったファン層の厚さを感じたのでした。
それでは会場の様子を紹介しましょう。