2018年10月10日
市販製品特別走行に登場した60台を一挙紹介! ホンダコレクションホール20周年記念イベント開催(その5)
2018年7月16日(月曜日・海の日)に、栃木県にあるツインリンクもてぎの南コースで「ホンダコレクションホール開館20周年記念 市販製品特別走行」が開催された。もてぎの敷地内にあるホンダコレクションホールには、数多くのレーシングマシンや2輪&4輪の市販車、さらには汎用機器などがコレクションされている。今回は、その開館20周年を記念して、ホンダ創業期から2010年代までの70年間の歩みを代表する所蔵車両60台を、実際に動いている姿で一般に公開した。
当日は酷暑といわれるほどの、非常に暑い一日となったが、それぞれ合計6機種に試乗したゲストライダー&ドライバー。伊藤真一選手はこの日最初に乗ったA型について「乗る前から難しいぞって脅されていたけれど、実際に乗ってみると普通に乗れて全然難しくなかった。自転車ですけど、乗ったらしっかりバイクなんですよ。どこにでも行けそうな気がしました」とコメント。
高橋裕紀選手は「父親がCBX400Fすごいぞって昔から話しを聞いていたので、今日はこれに乗るのを楽しみにしていました。速いです。時代を感じさせないというか、僕よりも年上なんですけど(笑)。やはり400なんで取り回しも軽いし、なおかつ走るいいバイクでした。伊藤さんから、今すごいプレミアがついているぞって聞きましたが、すごく高いんですよね? 今回乗ることができてよかったです」とコメントしてくれた。
■文:青山義明
■撮影:富樫秀明・青山義明
■取材協力:ホンダコレクションホール https://www.honda.co.jp/collection-hall/
型式名RC30で呼ばれることの多いVFR750R。「ワークスRVF750に公道を走るための最低限の装備をする」という思いで開発がなされ、「プライベートチームが無改造のRC30でワークス勢に割って入ること」を目指して登場。当時、国内で市販量産二輪車では過去最高の販売価格148万円というプライスタグをつけたものの、1000台限定ということもあって希望者が殺到し、抽選販売となった。
1980年代、一大ブームとなっていたミニバイクレースで勝つために登場したNSR50。水冷2ストローク・エンジンに、ダイヤモンド式の軽量・高剛性ツインチューブフレーム、キャストホイール、前・後輪ディスクブレーキを採用している。世界GPで活躍するNSR500を3/4サイズで再現するだけでなく、スピードメーターとタコメーターはワークスレーサー同様にスポンジラバーでマウントするなど、レーシーな雰囲気を細部にまで再現したものとなっていた。
2ストローク・レーサーレプリカマシンが大ヒットしていた1980年代半ば、ホンダは1986年に、「目の字」断面をもつアルミニウム製ツイン・スパーフレームに、クランクケースリードバルブの水冷2ストローク90°V型2気筒エンジンを搭載したNSR250Rを投入。毎年モデルチェンジし進化するこのカテゴリーで、NSR250Rもデビュー翌年に早くもモデルチェンジを行い、カウル形状はよりレーシーなものになりヘッドライトは小型化し、テールランプは丸目2灯へと大きく姿を変更して登場したのがこの88モデル。走行したこのモデルは、スタンダードに対して、世界初となるマグネシウム合金性ホイールを装備して、1.5kgもの軽量化を図ったSP仕様。
ホンダ2輪ラインナップの最高峰モデルとして開発され、1975年の初代GL1000は発売以来13年にわたって進化を続けた。そして、搭載エンジンを水平対向6気筒1520ccエンジンへ変更し登場したのがこのモデル。二輪車の持つ爽快感溢れる乗り心地と、豪華な装備・快適さを併せ持つグランドツアラーで、足周りには、車高調整機構付きのエアサスペンションを採用し、優れた路面追従性と操縦安定性を持ち合わせた真のクルーザー。
「高次元ヒューマンフィッティング」と「スーパーレスポンス・クォーター」をキーワードに開発されたCBR250RR。水冷4ストロークDOHC直列4気筒エンジンの最高出力は45馬力を発揮し、レッドゾーンが1万9000回転から始まる超高回転型エンジンは当時話題に。マシン全体は「より小さく、より軽く、より低く」というテーマで、 重心から遠い部位を軽量化するなど慣性マス集中化設計となっている。
世界初の舵角応動タイプHonda-4輪操舵システム(4WS)を装備するなどハイテク満載で、かつ、エンジンの徹底したコンパクト化と後傾レイアウトでFF車とは思えないほどの超低ボンネットにリトラクタブル・ヘッドライトなど流麗なフォルムで一時代を築いた3代目プレリュード。デートにクルマが欠かせない、女子ウケするクルマが求められていた時代、このプレリュードは先代の2代目とともに、スペシャルティ・カー、デートカーなどと呼ばれた。
アコードの上級モデルとしての位置づけで登場したアコードインスパイア。2000ccの5気筒エンジンをフロントミッドに縦置きするという日本初のレイアウトを採用。超ロングホイールベースにショートオーバーハングで、ロングフロントノーズ&ショートデッキというスタイリングは、当時「八頭身フォルム」と呼ばれ、上質なインテリアもあり、高級スポーティセダンというジャンルを確立したモデルとなった。
世界初のオールアルミ・モノコックボディを採用し、軽量コンパクトな90度V型6気筒エンジンをミッドに搭載した2シーター後輪駆動の本格スポーツカー。乗員が快適・自在にクルマを操ることにより、マシンの高度な運動特性を発揮できるという人間中心の思想で企画されたこのスポーツカーは、1日25台というペースで生産されていた。
NSXと同じミッドシップエンジン・リアドライブ方式を採用した軽乗用車。2シーター・フルオープンボディを採用し、4輪独立懸架ストラットサスペンションに、軽乗用車として初めてSRSエアバッグシステム、4輪ディスクブレーキを装備し、安全装備の充実も図っていた。タイヤは前後で異なるサイズで組み合わせ、直進の安定性、旋回の性能を向上させている。
スペイン語で「太陽の」という意味をもつ「デルソル」というサブネームを持つ3代目CR-X。2シーター・スポーツ、オープントップ・モデルとなり、脱着式トップ、そして電動で天井が開閉するトランストップも用意されて話題を集めた。今回の走行では、メタルトップ電動オープンのデモンストレーションも実際に行われた。
本格的なミッドシップスポーツカーとして登場したNSXに追加設定されたNSX タイプR。走りの楽しさを徹底追求し、さらに運動性能を際立たせるため、バンパービーム、ドアビームのアルミ化、エンジンメンテナンスリッドのアルミメッシュ化に加え、レカロの超軽量フルバケットシート、MOMOの軽量ステアリングホイール、ENKEIの超軽量アルミホイールなど専用パーツを採用。ほかにもフロアカーペット、トランクライニング材など数十項目にわたるグラム単位の見直しを行って、ベースの1350kgに対し120kgもの軽量化を達成している。