2018年6月7日
ヤマハのYZ250Fがモデルチェンジ、YZシリーズ各車も2019年モデルに
YZ450F/YZ250F/YZ250/YZ125/YZ85LW/YZ85 1,015,200円/874,800円/723,600円/615,600円/507,600円/496,800円
ヤマハのモトクロッサーシリーズの2019年モデルが登場した。昨年はYZ450Fがフルモデルチェンジを受けたが、今回はYZ250Fがフルモデルチェンジの番だ。
レスポンスを改善した新設計エンジン、ハーフクラッチ時の優れたタッチを可能とした大容量クラッチ、走破性を向上させた新設計フレーム、レース中にエンジンマップ切り替えができ、スマートフォンなどでもエンジン設定が可能な電子制御周り、軽量セルフスターターなどが特徴。
昨年フルモデルチェンジを受けたYZ450Fはフロント周りの剛性アップをメインとした細部の熟成が行われたという。
YZ85、YZ85LWの兄弟車は、YPVS(ヤマハパワーバルブシステム)搭載の新設計エンジンの採用、昨今のコース傾向やライディングに合わせたサスペンションセッティング、ニュータイプのブレーキホース、ウェーブタイプディスクの採用、4ポジション調整が可能なアルミ製テーパーハンドルを装備した。
YZ250、YZ125の2ストロークモトクロッサーシリーズはメカニズムに変わりはなく、YZシリーズ共通のイメージとされたカラーリングのみ。ちなみにこれらYZシリーズの2019年モデルは、6月7日から12月9日までの期間限定で予約受付を行う。
★YAMAHA ニュースリリースより (2018年6月7日)
「YZ250F」「YZ85/LW」はエンジン・車体を一新し戦闘力を向上
モトクロス競技用「YZシリーズ」6機種の2019年モデルを発売
ヤマハ発動機株式会社は、84cm3~449cm3の排気量を揃えた、モトクロス競技用モデル「YZシリーズ」の2019年モデル6機種を8月28日より発売します。
フルモデルチェンジを行う「YZ250F」は、1)レスポンスが良くパワフルで扱い易い新設計エンジン、2)ハーフクラッチ時の優れたタッチを可能とした大容量クラッチ、3)新設計フレームの採用などによる走破性の向上、4)レース中に効果を発揮するエンジンマップ切替機能&軽量セルフスターターの採用、5)スマートフォンなどでユーザー自身がきめ細かいエンジンセッティングを可能とする新パワーチューナーの搭載などにより戦闘力を向上させました。
水冷2ストローク84cm3エンジン搭載の「YZ85」「YZ85LW」は、1)パワーフィーリングに優れたYPVS(ヤマハパワーバルブシステム)搭載の新設計エンジン、2)近年のコース傾向やライディングトレンドに対応したサスペンションセッティング、3)新ブレーキホース、ウェーブタイプのブレーキディスク採用によるブレーキ性能の向上、4)ポジション調整可能なアルミ製テーパー型ハンドルなどによりポテンシャルを向上させました。なお「YZ85LW」は「YZ85」をベースに前19、後16インチタイヤを装着したモデルです。
昨年フルモデルチェンジを行った最大排気量のトップエンドモデル「YZ450F」は、フロント周りの剛性向上を中心に細部の熟成を図りました。
「YZ250」「YZ125」は、上位モデルとのリレーションを図ったカラー&グラフィックデザインを採用しました。
なお、本製品は「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて、2018年6月7日から12月9日の期間限定で予約の受付を行い販売します。
- <名称>
- 「YZ450F」
- <メーカー希望小売価格>
- 1,015,200円(本体価格 940,000円/消費税75,200円)
- <名称>
- 「YZ250F」
- <メーカー希望小売価格>
- 874,800円(本体価格810,000円/消費税64,800円)
- <名称>
- 「YZ250」
- <メーカー希望小売価格>
- 723,600円(本体価格 670,000円/消費税53,600円)
- <名称>
- 「YZ125」
- <メーカー希望小売価格>
- 615,600円(本体価格 570,000円/消費税45,600円)
- <名称>
- 「YZ85LW」
- <メーカー希望小売価格>
- 507,600円(本体価格470,000円/消費税37,600円)
- <名称>
- 「YZ85」
- <メーカー希望小売価格>
- 496,800円((本体価格460,000円/消費税36,800円))
- <発売日>
- 2018年8月28日
- <カラーリング>
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- <販売計画>
- 500台(シリーズ合計/国内)
- ※YZシリーズ各モデルは、国土交通省の認定を受けていませんので、ナンバープレートを取得できません。また道路を走行できません。道路を走行すると道路交通法及び道路運送車両法の違反となります。私道、寺の境内、海辺、堤防上、農道、林道など道路の形態を整えていないところでも、人や車が自由に出入り出来るところは道路とみなされます。
- ※保証(クレーム)の対象外製品となります。
- 《2019年モデル「YZ250F」主な特徴》
- 1)レスポンスが良くパワフルで扱い易い新設計エンジンの搭載
- 新設計のアルミ鍛造軽量ピストンを採用し、高回転域での性能向上、軽量化、ロス低減を実現しました。バルブリセスを深くとるなど独自の加工を追加することにより、圧縮比の安定化を図り、優れたパワー特性に貢献します。加えて、優れた吸入効率を得るために吸気側カムプロフィール(ワーキングアングルの変更、バルブリフト量拡大)の最適設計などを行いました。その他、新仕様のカムチェーンガイド&テンショナーの採用や、軽量設計のトランスミッションとシフトカムなどを採用しています。
- 2)ハーフクラッチ時の優れたタッチを可能とした大容量クラッチ
- エンジンのパワーアップにあわせ、クラッチは現行車に対して約7%外径を拡大させた大容量クラッチを採用し、パワー感を向上させ、かつ高い信頼性を確保しました。また、プッシュレバーのボトムにはニードルベアリングの採用などハーフクラッチ時を含め、優れた操作性と軽い操作感を実現しています。
- 3)新設計フレームの採用などによる走破性の向上
- 新たに「YZ450F」と共通プラットフォームとなるバイラテラルビーム・フレームを採用しました。これにより、従来比で縦、横、捻れの剛性を平均約15%向上させています。剛性バランスのポイントとなるエンジン懸架ブラケットは、材質・形状・肉厚・位置などをミリ単位で精査。アルミとスチールを使い分け、かつ搭載角の最適化を施し、出力特性にマッチする強度剛性バランスと、しなやかさを持たせています。
- 4)レース中に効果を発揮するエンジンマップ切替機能&軽量セルフスターターの採用
- レース中の再始動性を向上させるためセルフスターターを新採用しました。電源には軽量リチウムイオンバッテリーを搭載しています。セルフスターターモーターは車両中央に寄せて配置、重量バランスをとりつつ、軽量・コンパクト化を果たしています。また、ハンドル左側には、エンジンマップの切り替えが可能な「モードスイッチ」を設けました。2 種のエンジンマップを選択でき、レース中の状況変化に応じ走行中の切り替えも可能です。
- 5)スマートフォンなどでユーザー自身がきめ細かい
エンジンセッティングを可能とする新パワーチューナーの搭載 - 新パワーチューナーにより、セッティング機能が大きく向上。専用アプリケーションをダウンロードしたスマートフォンなどを操作することで、エンジンセッティングを行うことが可能です。エンジンマップを格子で示す「スロットル開度(%)」「回転数(r/min)」のポイントは、従来モデルの3×3 から4×4 に細分化、かつ、わかり易くビジュアルで表示します。また、各ポイントに設定できる値も任意で選択可能。それにより、狙いの回転域でのきめ細かなセッティングが可能となりました。その他にも、レースログや故障診断、リアルタイムでの車両状況チェックモニター、データのバックアップ機能も備えています。
- 2019年モデル「YZ250F」フィーチャーマップ
- ・エンジンマップ切り替え可能な「モードスイッチ」
- ・新作エアクリーナーボックス
- ・レギュレターとコンデンサーの一体設計
- ・専用セッティングの倒立フロントサスペンション
- ・新作アクスルブラケット&ホイールカラー
- ・新排気ポート
- ・13.8:1 圧縮比の燃焼室
- ・新ECU(メインスイッチレス設計)
- ・頂面形状をチューニングした新ピストン
- ・ウォーターポンプ入り口パイプ形状変更(飛石による損傷低減)
- ・2回加工の吸気ポートと異径バルブシート(吸気ポートのバルブシート内側に複数の斜め加工)
- ・新設計バイラテラルビーム・フレーム(2019年YZ450F共通フレームを最適チューニング)
- ・懸架ブラケット最適チューニング(シリンダー後傾角6.2→5.2度)
- ・軽量設計スターター
- ・軽量リチウムイオンバッテリー
- ・軽量EXCELリム(前後で50g軽量化)
- ・スマートフォンなど対応の新パワーチューナーおよびCCU(コミュニケーションコントロールユニット)
★主要諸元
車名型式 | – | |
---|---|---|
YZ250F(B7B3) | ||
発売日 | 2018年8月28日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.175×0.825×1.285 | |
軸距(m) | 1.475 | |
最低地上高(m) | 0.335 | |
シート高(m) | 0.970 | |
車両重量(kg) | 106 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 1 | |
燃費(km/L) | -(60km/h定地走行テスト値) | |
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | – | |
エンジン型式 | G3L4E | |
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 249 | |
内径×行程(mm) | 77.0×53.6 | |
圧縮比 | 13.8 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | -[-]/- | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | -[-]/- | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 0.96 | |
燃料タンク容量(L) | 6.2 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.142 |
2速 | 1.750 | |
3速 | 1.444 | |
4速 | 1.222 | |
5速 | 1.041 | |
減速比1次/2次 | 3.352/3.846 | |
キャスター(度) | 26°50′ | |
トレール(mm) | 119 | |
タイヤサイズ | 前 | 80/100-21 51M |
後 | 100/90-19 57M | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム(リンク式) | |
フレーム形式 | セミダブルクレードル |
- 《2019年モデル「YZ85」「YZ85LW」主な特徴》
- 1)パワーフィーリングに優れたYPVS 搭載の新設計エンジン
- YPVS(ヤマハパワーバルブシステム)搭載の新設計水冷2ストローク84cm3エンジンを採用しました。YPVSは、排気ポートに設けたバルブがエンジン回転数に応じて作動し、中~高回転域のトルクの谷を解消するヤマハ独自の機構で、扱い易いトルク特性に貢献します。その他に、樹脂製リードバルブや、良好な整流効果を引き出す新採用のスペーサーにより、優れたレスポンスを支えます。また、新作チャンバーはテーパー角度などを最適なものとし、良好な脈動を確保しました。
- 2)近年のコース傾向やライディングトレンドに対応したサスペンションセッティング
-
特殊加工を施したワンピース構造のアウターチューブを新採用。近年のライディングトレンドに合わせてセッティングを最適化しました。アウターチューブは、フレームとの剛性バランスを整えるため、ワンピース構造化と共に高剛性化を図っています。インナーチューブは従来同様のφ36mm、ホイールトラベルも従来同様の275mmを確保し、優れた減衰感
と接地感を獲得しています。セッティングは、YZ85/YZ85LWそれぞれ専用のセッティングとしています。 - また新作のフォークガードを採用し、様々なコースでのロバスト性を追求。ステムシャフトも新たにアルミ製とし、大幅な軽量化によりハンドリングの軽快感を向上させました。
- 3)新ブレーキホース、ウェーブタイプのブレーキディスク採用によるブレーキ性能の向上
- ブレーキのディスク径はフロントΦ220mm、リアΦ190mmです。このディスク径と最適なバランスを取るよう、剛性に優れ膨張率の少ないブレーキホースにすることで、効力に応じ、かつタッチに優れ、力強い製動力を生みだします。剛性バランスを高めたフロントフォークも相まって、制動時の高い安定感を実現。また、ホースの全長を短縮したことで取回しや整備性を高めています。なお、前後ともウェーブディスクブレーキとしました。
- 4)レース中に効果を発揮するエンジンマップ切替機能&軽量セルフスターターの採用
- レース中の再始動性を向上させるためセルフスターターを新採用しました。電源には軽量リチウムイオンバッテリーを搭載しています。セルフスターターモーターは車両中央に寄せて配置、重量バランスをとりつつ、軽量・コンパクト化を果たしています。また、ハンドル左側には、エンジンマップの切り替えが可能な「モードスイッチ」を設けました。2 種のエンジンマップを選択でき、レース中の状況変化に応じ走行中の切り替えも可能です。
- 5)ポジション調整可能なアルミ製テーパー型ハンドル
- 軽量で強度に優れたアルミ鋳造製ハンドルクラウンを採用、ハンドルバーもアルミ製のテーパー型としました。ハンドル位置は、ハンドルホルダーの向きと取り付け位置を変えることで、ライダーの成長に合わせて、前後4段階、最大27mmのポジション調整が可能です。
- 2019年モデル「YZ85LW」「YZ85」フィーチャーマップ
- ・特殊加工を施したワンピース構造で、セッティング最適化を図った倒立式フロントフォーク
- ・剛性アップしたブレーキホース(ホース取回しもシンプル化)
- ・新設計のフロントフォークガード
- ・ウェーブディスク採用フロントブレーキ
- ・新設計のチャンバー
- ・つのポジションに調整可能なアルミテーパーハンドル
- ・アルミ製ハンドルクラウン
- ・YPVSとの適合化を図ったキャブレターセッティング
- ・編み方向・板厚を最適化した樹脂製リードバルブ
- ・整流効果に優れるスペーサー
- ・ウェーブディスク採用リアブレーキ
- ・整備性を考慮したリアアームエンド
- ・YPVS搭載新設計84cm3水冷エンジン
- ・新設計シリンダー(新作ポート)
- ・新設計燃焼室(圧縮比アップ8.1→8.2~9.6)
- ・新設計クランク、コンロッド、クランクケース
- ・点火マップを最適化した専用CDIユニット
★主要諸元
車名型式 | – | |
---|---|---|
YZ85LW(B0G3)〈YZ85(B0B3)〉 | ||
発売日 | 2018年8月28日 | |
全長×全幅×全高(m) | 1.895×0.760×1.175〈1.820×760×1.145〉 | |
軸距(m) | 1.285〈1.255〉 | |
最低地上高(m) | 0.360〈0.330〉 | |
シート高(m) | 0.870〈0.840〉 | |
車両重量(kg) | 75〈73〉 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 1 | |
燃費(km/L) | -(60km/h定地走行テスト値) | |
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | – | |
エンジン型式 | B118E〈B120E〉 | |
水冷2ストローク単気筒 | ||
総排気量(cm3) | 84 | |
内径×行程(mm) | 47.5×47.8 | |
圧縮比 | 8.2~9.6 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | -[-]/- | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | -[-]/- | |
燃料供給装置形式 | キャブレター | |
始動方式 | キック式 | |
点火方式 | CDI(コンデンサ放電式) | |
潤滑油方式 | 混合給油 | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L) | 5.0 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.454 |
2速 | 1.882 | |
3速 | 1.529 | |
4速 | 1.294 | |
5速 | 1.130 | |
6速 | 1.000 | |
減速比1次/2次 | 3.611/3.642〈3.611/3.285〉 | |
キャスター(度) | 26°00′〈26°20′〉 | |
トレール(mm) | 99〈88〉 | |
タイヤサイズ | 前 | 70/100-19 42M〈70/100-17〉 |
後 | 90/100-16 52M〈90/100-14 49M〉 | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム(リンク式) | |
フレーム形式 | セミダブルクレードル |