2018年6月7日
ハハとムスメとスギヌマが行く!ゆる〜り奥多摩お散歩ツーリング
しかし、働く母はなんだかんだで忙しい。
とはいえ、プライベートを後回しにしていると、子供はあっという間に成長して親と遊んでくれなくなっちゃうのだ。
そこで! 小学校6年生になったムスメと、ライター仲間のスギヌマ女史とゆる〜く女子会ツーリングしてきました〜。
■写真:杉沼えりか、守田二草&ムスメ、通りすがりの貴婦人
バイクに乗っている女性だったら結構ありがちかもしれないけれど、いつか子供が生まれたら、親子でタンデムツーリングするゾ!……なんて夢見ていたワタクシ。が、実際に母親になってみると、なかなかツーリングに行けないモノである。いいとこ1年に1〜2回のペースだ。気がつけばムスメは小学校6年生になってしまった。友達と遊ぶ方が楽しくって、今ではあんまり母とお出かけしてくれない。中学生になったら本格的に遊んでくれなくなるだろうなぁ〜。ツーリングにでも行こうかと声をかけると「え〜、疲れるからヤダー」とけんもほろろだ。
そこで、ライター仲間のスギヌマこと杉沼えりかさんにムスメをツーリングに誘ってもらうことに。優しいオネエさんが好きなムスメにとっては、『母の』というよりは『自分の』トモダチだと思ってるフシがあるのだ。
「いいですよ〜」とコチラの申し出に快諾してくれたスギヌマさん。ムスメはまんまと策略にハマってくれてトントン拍子に計画が進行。目的地はスギヌマさんのお気に入りスポット奥多摩にすることに。私の旅の相棒は1986年式ハーレーダビッドソンのXLH883(野外保管の放置気味)だ。ミッションは4速でエンジンもリジッドマウントのため、振動がちょっと大きめ。ドコドコした鼓動感は人気があるけれど、タンデムしているムスメにはちょっぴり不評である。
そうして当日、出発の準備に時間がかかってしまい(子連れあるある)、少し遅れて待ち合わせ場所のコンビニへと向かう。が、前日の雨でシートが水を吸ってしまっていたらしい。タンデムシートの縫い目から染み出した水分でズボンが濡れてしまい、ムスメのテンションはすっかり下がってしまった…。
なんとかなだめすかして待ち合わせ場所へ。予定よりもさらに遅れてしまったのは、途中で違うコンビニでも休憩したからである(子連れあるある・その2)。アセり気味で駐車場にバイクを滑り込ませると、コチラの心配をよそに満面笑顔のスギヌマさんが迎えてくれた。癒されるわぁ〜。彼女にはなんだかゆるいキャラクター的な癒し効果があると思う。とまぁ、そんなこともあってかムスメは彼女が大好きなのであった。
「ツグサさん、ムスメちゃん、おはよー!」と笑顔で挨拶すると、スギヌマさんはおもむろにポケットからムスメへのプレゼントを取り出した。オンナの子の大好きなヤーツ、かわいいネックレス。友情の証だ。思わぬサプライズのプレゼントで、ムスメはすっかりゴキゲンに。スギヌマさん、意外と女子力高し。私にはまったくないアイディアだった。そうか、女の子のゴキゲン取りにはプレゼントがいいのか、そうか、そうだな…と感心することしきり。こうして珍道中は始まったのであった。
ちなみに今回のスギヌマさんの相棒はホンダのXL230だ。なんでも、タンクをヘコませてしまって修理中で、仮でスズキハスラーのタンクを装着しているんだとか。レトロなルックスで意外とマッチしているが、スギヌマさん的にはワザとメーカー違いのパーツをつける『ハズし』のカスタムと思われるのが心外らしい(笑)。「あんまり見ないでください恥ずかしいっ!」と見苦しい言い訳をしている。
大丈夫、私のオンボロスポスタのサドルバッグも取り付けのサポートがうまく合わず、前後逆に装着しているのだ。私たち、見事に恥ずかしいコンビと言えるだろう。でもいいのだ。連休の最終日、だけど道は結構空いていて快適。どんどん山が近くなって、景色にも緑が増えていく。トコトコ下道を走っていくのは楽しい。ムスメも今のところゴキゲンだ。
こうして都道7号杉並あきる野線『五日市街道』を西へと向かってバイクを走らせる。1時間ほどして到着したのが、秋川渓谷エリアにあるこんにゃく専門店『一穂のこんにゃく 池谷』だ。秋川渓谷沿いにあるこんにゃくの製造工場兼販売店で、山々の緑と秋川のせせらぎに包まれて癒し効果バツグン! 渓谷を眺める刺身こんにゃくやこんにゃくそば、味噌田楽を試食した。これがなんとも美味しいのだ!! 風味と食感が素晴らしい。ムスメはよくこんにゃくゼリーをオヤツにしていて、サービスエリアでは屋台で売っている玉こんにゃくをねだるほどのこんにゃく好き。そんなムスメも太鼓判だ。低カロリーでヘルシーだし、これはもう買うしかないっ!!! お土産に結構な量を買ってしまった…。サドルバッグを付けてて本当によかった〜。
都道251号青梅日の出線をトコトコと北上。山間の緑の森を抜ける片側1車線の対面通行道路だけれど、思ったよりも車通りも少なくて5月の風が気持ちいい。目的地は国道411号『青梅街道』沿いの御嶽渓谷にある『ぎん鈴(ぎんれい)旅館』だ。昔ながらの木造建築の旅館で、素朴でレトロなたたずまいがいい。実はここ、北海道名産の黒いそば『音威子府(おといねっぷ)そば』を食べることができるのだ。ここも麺好きのスギヌマさんのオススメスポット。北海道から直送された本場の音威子府そばが食べられるのは、本州でもココだけなんだとか。
さっそく駐車場にバイクを停めて建物へ。民家の立ち並ぶ道路側からはわからなかったけれど、多摩川を見下ろす山あいに建つ宿で駐車場からも美しい景色が望むことができる。美しい自然の風景と、木造建築の懐かしい昭和な雰囲気に思わずワクワクしてしまう。玄関を入ってすぐ左側にあるそば処は広い和室で、縁側の大きな窓から柔らかな外光が降り注いでいた。やっぱり畳の部屋は落ち着くぅ〜。ゴロンと寝転びたい衝動に駆られるけれど、グッと我慢して注文することに。コチラのそばメニューは黒い『音威子府そば』が中心だ。散々悩んだ挙句、3人とも1番人気と聞いた『ざる天ぷらそば』をオーダーした。レポートするならば、いろんなメニューを頼んだ方がいいのだろうけれど、ココは食欲優先なのだ(笑)。
お昼のピークを過ぎた時間帯のせいか、あまり待たずに運ばれてきた。この『音威子府そば』は、ズルズルっとすするタイプとはちょっと違って香りが強くて食感もしっかり。一口頬張るととそばの香りが口の中いっぱいに広がる。のどごしよりも風味を楽しむ感じだ。量も結構あるので、食べ応えも充分! 天ぷらもサクサクの揚げたてで美味しい。さすが1番人気メニュー。ハズしません!! ボリューミーにもかかわらず、ムスメも完食! 3人とも心もお腹もすっかり満たされたのであった。
国道411号『青梅街道』から都道45号『吉野街道』を通って、都道238号大久野青梅線へ。渓流沿いの細い山道をトコトコと走ってあきる野市に向かう。ココには養蜂園が経営する『みつばちファームカフェ』があるのだ。スギヌマさんはミツバチに関する書籍「ミツバチと暮らす」(地球丸刊)を編集したことがキッカケで養蜂に興味を持ったんだとか。まさに夢中で、ハチミツを語る時のスギヌマさんの目にはハートが浮かんでいるようだ。行き先の近辺でハチミツのあるスポットを探す姿が、ゆるいキャラクター的なクマさんに見えないこともない(笑)。
あきる野市に入ると住宅が増えて、閑静な町並みに。しかし、住宅の並ぶ大きな都道185号『山田通り』から細い道に入ると、畑が広がる開放的な景色に。広々とした畑の中にポツンとあるのが『みつばちファームカフェ』だ。5月になってそろそろピークを過ぎた頃だと思っていたけれど、まだまだ大丈夫だったようで菜の花が一面に咲き乱れ、ミツバチたちが忙しそうに飛び回っていた。スギヌマさんによると、むやみに近づいたりしない限りミツバチに刺されることは滅多にないそうで、必要以上に怖がる必要はないのだとか。最初、ミツバチの羽音におののいていたムスメも説明を聞いてひと安心。パニックせずに済んだ。羽音がしたからと怖がって、払いのけたり逃げ回ったりする方が危ないらしい。
まずは養蜂園にある『みつばちミュージアム』を見学。ガラスの向こう側に巣箱があって、ミツバチが働く様子をじっくり観察できる。事前に予約すれば、蜂場見学やみつろうのキャンドル作り体験などもできるらしい。今度はムスメに何か体験させたいなぁ〜。まずは、ハチミツの試食と説明をしていただいた。アカシアやサクラなど、花によってハチミツの風味が違っておもしろい! せっかくなので、お土産にハチミツを購入した。今までパンケーキにはメイプルシロップ派だったのだがハチミツ派になりそうだ♪♪
こうしてミュージアムを見学した後、『みつばちファームカフェ』へ。人気メニューのはちみつパンケーキも魅力的だけど、昼ごはんが遅めだったので種類豊富なハチミツスイーツを堪能することに。ココでは少しずつオーダーしてシェアすることにした。独身時代は苦行みたいなツーリングばかりしていたので、こんなほっこりツーリングは久しぶりかも。女子っていいなぁ〜と実感。走行距離はそんなでもないのに、カフェを出る頃はすっかり夕暮れ。旅気分が味わえて楽しかった。
なんだかんだでお疲れ気味のムスメに「帰りは高速道路で帰ろうか?」と提案してみた。八王子インターから中央自動車道を使えばすぐ家にたどり着けるだろう。高速道路では念のためタンデムベルトを装着。ムスメは居眠りせずにタンデムシートにちょこんと収まっていた。久々の親子タンデムツーリングは成功したようだ。きっと走りながらおしゃべりできたらもっと楽しいだろうな、今度はインカム使ってみようかなぁ…などと、母ライダーの妄想は膨らむばかりだ。ムスメの胸元にはスギヌマさんからもらったネックレスがユラユラと揺れていて、今日はなんだか幸せな1日だったなぁとしみじみ思った。