2018年5月11日
HARLEY-DAVIDSON IRON1200/FORTY EIGHT SPECIAL試乗 『今度のスポーツスターはチョッパースタイル! ’70年代グラフィックを身にまとって2機種デビュー』
■試乗・文:青木タカオ ■撮影:HARLEY-DAVIDSON
■協力:HARLEY-DAVIDSON JAPAN https://www.harley-davidson.com/
ハーレーダビッドソンのスポーツスターファミリーへ新たに加わったアイアン1200とフォーティーエイトスペシャル。その実力はいかに!? クロアチアにて試乗してきた。
こちらの動画が見られない方、大きな画面で見たい方はYOU TUBEのWEBサイトで直接ご覧下さい。https://youtu.be/D4iaUj1ZPuM |
ドコドコ感が気持ちよく、長距離も疲れない
間もなく日本のディーラーにもデリバリーが始まる新型スポーツスター、アイアン1200とフォーティーエイトスペシャルのメディア向け試乗会がクロアチアのスピリットにて開催された。両モデルとも大胆なアップハンドルを備えたフロントエンドと燃料タンクの70年代風グラフィックが目を惹き、俗に言う「チョッパーカスタム」となっている。
ただし実際にグリップを握ると、ハンドルは見た目ほど高くなく、肩より少し下がった違和感のない位置。アイアン1200はミッドコントロール、フォーティーエイトスペシャルはフォワードコントロールとステップ位置は異なるものの、両車とも肩の力が抜けるリラックスしたライディングポジションとなり、ノンビリ流すにはちょうどいい。およそ160kmあるテストコースの半分は、アドリア海に浮かぶ大小様々な島を望みながらの風光明媚な海岸ルートで、ゆっくり走っているとこのまま地中海沿いを果てしなく進みたくなってしまう。
そう思わせるのは空冷Vツインのドコドコ感が心地良いからで、特にトルクが図太いとかスロットルレスポンスが鋭いなどということはないものの、どことなく懐かしさがあり、扱いきれると感じさせる穏やかさが感性に自然と馴染む。乗り心地が良いわけでもないし、クルージング速度が速くウインドプロテクションが充実しているわけでもないのに長時間乗っても疲れないのがハーレーダビッドソンの不思議な魅力。それはアメリカという広大な国で生まれ育ったからで、クルーザーとしての資質は最新スポーツスターにもしっかり受け継がれている。
ワインディングでは“らしさ”を見せる
スプリットの裏側にはディナール山脈が広がり、海岸ルートを離れればすぐにワインディングに突入していく。チョッパースタイルになった2台のスポーツスターだが、ハーレーダビッドソンのスポーティモデルという役割は忘れてはいない。
フロント19、リア16インチに細身のタイヤを履くアイアン1200は、昔ながらのスポーツスターのディメンション。旧車然としたリア荷重で乗れ、ハンドリングに神経質さは皆無だから石畳や砂の浮いたスリッピーな路面も臆せずアクセルを開けていける。トラクション性能が高く、電子制御によるエンジンマネージメントなど不要と言わんばかり。新型といえども熟成され尽くした車体で、非の打ちどころがないのだ。
前後16インチでフロントにファットタイヤを履くフォーティーエイトスペシャルもスンナリと車体が寝ていき、低いハンドルバーを備えるスタンダードのフォーティーエイトよりもハンドリングが軽快に感じる。トールボーイバーと名付けられたアップハンドルのおかげで、寝かし込み時の重かったステアリングフィールを解消しているのだ。
そしてフォーティーエイトスペシャルはフロントフォークのインナーチューブ径が10mm太い49mmフォークだから、より剛性感があって路面追従性も良く感じた。切れ込みにさえ注意していればフォーティーエイトスペシャルの方がフロントにしっとりとした落ち着きがあり、安定志向といえる。その反面、ヒラヒラとした軽快なハンドリングを好むならアイアン1200に軍配が上がるだろう。ハッキリ言えることは、両車とも走りを犠牲にしたファッションバイクではないということだ。
HARLEY-DAVIDSON IRON 1200
HARLEY-DAVIDSON FORTY EIGHT SPECIAL
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