1999年2月15日 W650(A1/C1)
平成に蘇ったカワサキバーチカルツイン
1998年9月15日、ドイツのミュンヘンでベールを脱いだW650は、1996年に免許制度が改訂され大型二輪免許が取得しやすくなり大型二輪市場がかつてない盛況を見せており、世界に先駆けて日本で先行発売された。
エンジンはもちろん空冷バーチカルツインで、OHVからSOHCへと進化。バルブの駆動はエンジンの造形を考慮し、カムチェーンではなくプッシュロッドケースに見える筒の中に設置されたシャフトを使ったベベルギア駆動が採用された(このあたりの開発の苦労話は近日公開予定なのでお楽しみに)。
ビッグツインらしい鼓動感や音はもちろん、エンジンの振動までライダーが感じる感覚をイメージして製作されたW650は、落ち着いたスタイルと、素直で扱いやすくビッグツインらしい乗り味で、排出ガス規制により絶版となった2009年まで永きにわたり愛され続けていく。
余談ではあるがW650のエンジンを担当した渡辺芳男氏は後に初代MotoGPマシンの開発を託され、その苦闘はNHKでドキュメントとして放映された。カワサキファンならずとも涙無しには見られないストーリーはぜひ再放送してもらいたい。
初代のカラーはギャラクシーシルバー×ルミナスポラリスブルーとルミナスビンテージレッド×パールアイボリーの2色が用意されていた。また、アップハンドルとローハンドルの2ポジションが設定され、これは最終モデルまで受け継がれた。
●エンジン型式:空冷4ストローク2気筒SOHC4バルブ●総排気量(内径×行程):675cc(72.0×83.0mm)●最高出力:50ps/7500rpm●最大トルク:5.7kg-m/5500rpm●圧縮比:8.6●変速機:5速リターン●全長×全幅×全高:2175×905<780>×1090<1075>mm●軸距離:1455mm●車両重量:194kg●燃料タンク容量:15L●タイヤ前・後:100/90-19・130/80-18●発売当時価格:686,000円 < >内はローハンドル仕様
2001年3月21日 W650(A3/C3)
排出ガス規制対策を施行
排出ガスを浄化するためKCAとパイプ触媒を組み合わせたKLEENを採用しサイドカバーのW650ロゴ下にKLEENマークが付けられた。
他にもハンドリングのさらなる向上のためフロントサスのセッティングの変更、ニーパッドは形状の見直しとツーピース構造からウレタンワンピース構造化、ホールド性を高めたタックロール入りシートの採用などの熟成化がおこなわれた。
諸元は最高出力発生回転数が7000rpm、全長2180mm、軸間距離1460mm、キャスター/トレール27°/108mm、乾燥重量195kgに変更となった。
2002年2月1日 W650(A4/C4)
2001年モデルを継続
2002年モデルは性能・諸元およびカラーリングなどは2001年モデルから変更はないが、コードのみA4/C4に進行。