Norton Commando

Norton Commando Midashi

今回、新生ノートンの国内輸入元となったピーシーアイ( http://www.norton-motorcycles.jp/ )からのお誘いで、蘇ったノートンをイギリス・ドニントンパークの本社に訪ね、国内でも販売が始まるコマンド961SEを含め取材、試乗してきたので報告したい。

Norton Commando

ボクにとって生まれて初めて見るノートンの新車である。目の前にしたコマンド961をつぶさに眺めると、タンクとシートカウルのボトムラインが直線的なイメージで繋がっている所は往年のノートン風味だ。だが、フロントに120、リアに180の17インチのワイドラジアルを履くだけに、全体に横方向のボリューム感が大きい。それでいてリアタイヤとボディの隙間が少なく見える点で巧いと思わせるデザインだ。

またインジェクションを装備した現代のバイクにして、配線周りが綺麗に隠され、スカスカ感が醸し出すビンテージテイストも見事。

ショートマフラーが装着されたテスト車。タンク、サイドカバーに見える部分は一体型のエアクリーナーボックス。そしてテールカウル内には電装系パーツを収める。モールド製法で造られた美しいもの。イタリアの有名な樹脂パーツメーカーがOEMを果たす。80%がイギリス製のパーツを使うコマンドで少ない海外製パーツだ。
ショートマフラーが装着されたテスト車。タンク、サイドカバーに見える部分は一体型のエアクリーナーボックス。そしてテールカウル内には電装系パーツを収める。モールド製法で造られた美しいもの。イタリアの有名な樹脂パーツメーカーがOEMを果たす。80%がイギリス製のパーツを使うコマンドで少ない海外製パーツだ。
エンジンから横に出たエキパイはフレームの真下で左右の距離を詰めキャタライザーを通過後マフラーへと続く。タンクからシートカウルエンドまで一連のスタイルが見えてくる。バージョンアップしたシフトペダルをテスト中。
エンジンから横に出たエキパイはフレームの真下で左右の距離を詰めキャタライザーを通過後マフラーへと続く。タンクからシートカウルエンドまで一連のスタイルが見えてくる。バージョンアップしたシフトペダルをテスト中。

フレームはスティールパイプで組んだもの。その設計にはかのスポンドン・エンジニアリングが関わっている。製作そのものはドニントンパークサーキットにあるノートン本社から20分ぐらいの工房で行われているという。

いわゆるマンクスの“フェザーベッド”的なノートンの史実をそのまま再現というわけではないが、メインチューブがエンジンオイルタンクを兼ねるこのフレームは、エンジンを搭載するループを大きく取ったダブルクレードルで、レトロモダンな佇まいにスパイスを利かせている。ステアリングヘッド後ろにあるそのエンジンオイルのフィラーキャップが、どことなく往年のフリクション式ステアリングダンパーのノブを思わせる点もやるな、という印象だった。

インナーチューブもコーティングされている。ゴールドのアウターチューブとともにフロント周りのアイコンだ。外に飛び出すエキパイの形状が解る。
インナーチューブもコーティングされている。ゴールドのアウターチューブとともにフロント周りのアイコンだ。外に飛び出すエキパイの形状が解る。
丸みを帯びたテールカウル、その中に装着されたテールランプ。クリアレンズのウインカーも控えめな存在感で全体のスタイルの邪魔をしていない。
丸みを帯びたテールカウル、その中に装着されたテールランプ。クリアレンズのウインカーも控えめな存在感で全体のスタイルの邪魔をしていない。
国内向けコマンド961SEは正立フォークを採用するため、倒立とカーボンホイールの組み合わせは無いが、倒立フォークを採用するカフェレーサーのフロントブレーキキャリパーはラジアルマウントとなる。写真のカーボンファイバーホイールは通常のアルミダイキャストホイールの2倍の強度、半分の重量、そんな軽いバネ下が見せる軽快さは体感出来る違いをもたらす。
国内向けコマンド961SEは正立フォークを採用するため、倒立とカーボンホイールの組み合わせは無いが、倒立フォークを採用するカフェレーサーのフロントブレーキキャリパーはラジアルマウントとなる。写真のカーボンファイバーホイールは通常のアルミダイキャストホイールの2倍の強度、半分の重量、そんな軽いバネ下が見せる軽快さは体感出来る違いをもたらす。

そのフレームに前後に装着されるオーリンズ製サスを組み合わせ、ブレンボのブレーキ4ピストンキャリパーを装着する(国内販売されるコマンド961カフェレーサーは倒立フロントフォーク+ラジアルマウントキャリパーを組み合わせる)など、21世紀モデルとして妥協なきスポーツ性を封入している。

コマンド961に搭載されるエンジンは、新設計の空冷OHV2バルブ(ノートンの人達はプッシュロッドと呼んでいた)ユニットだ。ボア×ストロークは88.0×79.0mm。圧縮比は10.1:1とショートストローク型。油圧タペットからプッシュロッド→ローラーロッカーと駆動される。クランクは270度。てっきり360度かと思っていたが、乗り味にこれが大きく作用していることが後々解る。駆動系は左側にプライマリーを張り出させた駆動方式で、見応えのある外観を作り出している。

文字盤のレタリングにも細かい神経が行き届くアナログメーター。しかし中身は電気式のVDO製だ。時計、外気温などインフォメーション機能も装備。
文字盤のレタリングにも細かい神経が行き届くアナログメーター。しかし中身は電気式のVDO製だ。時計、外気温などインフォメーション機能も装備。
カフェレーサーの特徴的なメーターバイザーもカーボン製。クリップオンハンドルが醸し出す前傾姿勢は正統派カフェレーサーを体現するマストアイテムだ。
カフェレーサーの特徴的なメーターバイザーもカーボン製。クリップオンハンドルが醸し出す前傾姿勢は正統派カフェレーサーを体現するマストアイテムだ。

       | このページのトップへ | 次のページへ | 3ページ目へ |