KAWASAKI 2012 NewModel Midashi KAWASAKI WEB SITE

KAWASAKI 2012 Model Ninja ZX-14R
特徴的な“6眼”のヘッドライト構成は変わらないものの、片側3灯ずつ一体化され、鋭角のアウトラインを持つ“戦闘的”なデザインとなった。「R」にふさわしい新しい顔だ。
※スタートボタン通すと、KAWASAKI ZX-14Rの動画を見ることが出来ます。見られない場合はYouTubeのサイトで直接ご覧ください。http://www.youtube.com/watch?v=6UzQXTNYC2k

カワサキ・フラッグシップの“中興の祖”となるべくZX-14(ZZR1400)が登場したのは2006年。

トップパフォーマンスモデルのZX-12R、サーキット最速のZX-10R、そしてスーパーツーリングのZZ-R1200という3極体制に細分化されてしまったカワサキのビッグバイク体制に、Z1以来の原点回帰で臨んだのがZX-14だった。

圧倒的な動力性能と、ビッグバイクでありながら市街地でのショートランからロングツーリングまで、オールマイティに使用することができるスーパースポーツモデル。それこそがカワサキのビッグマシンを支持する多くのライダーたちの求めるものだった。そのリクエストに見事応えた、といえるZX-14だが、今回久々にモデルチェンジ&フェイスリフトを受けることになった。

ボア×ストローク、84.0×65.0 mmへとストロークアップすることにより排気量を1441ccへと拡大し、得られたパワー&トルクは、中低速域での更なる余裕の走りのために配分されたという。現在海外市場で趨勢となろうとしている“200馬力自主規制”に配慮して、スペック上の最高出力は200馬力におさえられることになったが、ラムエアーが効果を発揮する高速域では当然プラスアルファとなる。それはともかく、実際に公道での走りを左右する中低速域のパフォーマンスがよりパワフルになるのはライダーにとっては大歓迎だろう。

新しい顔、新しいサイドビュー、そしてパフォーマンスを誇るかのような押し出しの強いビッグマフラーなど“オープンクラスキング”の名をかけて一歩も譲れない、という意気込みが「R」の車名プラスに現れているとも言える。

※KAWASAKI 2012 Model ZX-14R
存在感の溢れるマフラーに変更されるなど、重量アップが想像されるが、新型キャストホイールの採用などによる軽量化で従来モデルとほとんど変わらない車重におさえられている。
(※写真の上でクリックすると大きな画像が見られます)
KAWASAKI 2012 Model ZX-14R
V字型の特徴的なテールランプは新型でも引き継がれた。アメリカ仕様のみはダブルシートが標準ではなく、タンデムグリップと荷掛けフックが外され、シングルシート仕様となる。
KAWASAKI 2012 Model ZX-14R
どうしても巨大なルーバーとなったサイドのエアアウトレットに目がいってしまうが、ライダーの足元に熱風が来ないようにフェアリング端の形状を見直すなど様々な部分で細かな熟成も行われている。
(※ライダーの身長は176cm)
KAWASAKI 2012 Model ZX-14R
カラーはヨーロッパ仕様、東南アジア仕様が写真のライムグリーンとブラックの2色。アメリカ仕様は同じライムグリーンでもファイアーパターンが追加されたオリジナルのグリーン(このページの一番上の写真)、ブラック、そしてブルーの3色となる。
KAWASAKI 2012 Model Ninja ZX-14R
“自主規制”とはいえ今後300km/hの目盛りがメーターに記されることはないだろう。マルチファンクション機能を持った液晶パネルのオープニングは6眼ヘッドライトのイメージが現れる凝ったものに。ヘッドライトの点灯確認機能を兼ねている。
KAWASAKI 2012 Model Ninja ZX-14R
マルチファンクション機能の切り替えは左手側のグリップホルダー部分に設けられたスイッチで。トラクションコントロール等の切り替えもハンドルから手を離さずに可能。
KAWASAKI 2012 Model Ninja ZX-14R
ハイパワーを誇示するかのようなヘキサゴンスタイルのテールエンドを持つ巨大なマフラーを左右に。テールのアシストグリップ部とフロントシート下後部に荷掛けフックを備えるのはカワサキ車のお約束事(アメリカ仕様では荷掛けフックは装備されずシートカウルに)。
KAWASAKI 2012 Model Ninja ZX-14R
タンクパッドは標準装備。深くえぐられたタンク後部とスリムなシートにより日本人でも足つき性は良好。こういった微妙な部分が日常生活の足として使えるかどうかを左右する。
KAWASAKI 2012 Model Ninja ZX-14R
ZX-10Rで初採用されたカワサキのトラクション・コントロール(KTRC)を装備。設定は3段階に選択可能で、1と2は“前に走らすためのトラコン”ポジション、そして3が横滑り防止を行うポジションに。スポーツABSの採用とあわせてライダーの負担を大幅に軽減してくれる。
KAWASAKI 2012 Model Ninja ZX-14R
シート下にはETCを収納できるスペースが。リアシート下にあたる部分に見えるケースは工具入れ。写真で手前に見えるのが引き出せる荷掛けフック。その横にヘルメットのストラップを掛けるフック、もう一ヵ所、工具入れ脇にもケーブルタイプのヘルメットホルダーが。
Block01 Midashi
 エンジン周りの変更点は、ストローク量を4mm伸ばして排気量を1,441ccへ拡大、従来モデルと比較し、全回転域においてトルクが向上、特に中速回転域から高速回転域において大幅な性能向上を実現。特に4,000回転を超えてからの加速力に顕著に現れているという。シリンダーヘッドの燃焼室形状の製作過程を鋳造から切削へと変更、より精巧な造り込みが可能となった。圧縮比も12.0から12.3へとアップ。パフォーマンス向上のため吸排気ポートを改良。吸気はポート形状変更とポリッシュ仕上げの導入、排気はポート直径を拡大、排気性能を高めている。吸排気カムプロフィールも見直された。より強度の高いカムチェーンを採用、新型油圧カムチェーンテンショナーも導入し冷却時のメカニズムノイズも減少させている。ピストン1個あたり約6gの軽量化も実施。
 新たにピストンジェットシステムを採用、エンジン外部に追加した配管を通してオイルをピストン背面に噴射し冷却効率をさらに高めている。エアクリーナーエレメントも面積を拡大、有効濾過面積を約10%増やし、空気の通路抵抗を約60%も改善。ヘッダーパイプ径を38.1mm~42.7mmのテーパータイプへ変更。クラッチにはシリーズ初採用となるバックトルクリミッターが装備された。
 フレームも基本構造は同一だが、実に半分以上のコンポーネントが変更を受けている。ステアリングヘッド周りの剛性アップに始まり、スイングアームピボット周りの構造変更、モノコックフレームのねじり剛性アップに貢献するエンジンのリジットマウント、エアフィルターのガイドレールを排除することで、より大きなエアフィルターの採用を可能に、モノコックフレームに内蔵されるバッテリーのバックプレートをプラからアルミニウム製に変更することでフレーム剛性のアップなど。
 スイングアームも全長で10mm延長、二次減速比の変更に対応させている。スイングアーム自体にもガセットを追加して強度アップを図っている。
 足回りでは、ホイールデザインの見直しでフロントで360g、リアで1,030g、トータルで1,390gの軽量化を達成。時速300km/hまで対応するハイスピード用ラジアルタイヤを装着した。最新のABSとともに3モードKTRC(Kawasaki TRaction Control)を採用。モード1と2は2011年モデルのZX-10Rに搭載されたS-KTRCと同様、最大限の加速を最優先させるモード、そしてモード3は2010年モデルの1400GTR ABS搭載のKTRCシステムとほぼ同機構の、滑りやすい路面でのスムーズなライディングを実現するモノとなっている。
Block01 Midashi
■ZX-14R 主要諸元■
全長×全幅×全高:2,170×770×1,170mm、ホイールベース1,480mm、最低地上高:125mm、シート高:800mm、車両重量:265kg(ABSは268kg)、燃料タンク容量:22L●水冷4ストローク並列4気筒DHOC4バルブ、排気量:1,441cc、ボア×ストローク:84.0×65.0mm、圧縮比:12.3:1、燃料供給装置:F.I.+MIKUNIφ44mm×2、点火方式:デジタル、始動方式:セル、潤滑方式:圧送式ウエットサンプ、最高出力:147.2kW(200PS)/10,000rpm(フランス仕様は78.2kW)、ラムエア加圧時は154.5kW(210PS)、最大トルク:162.5N・m(16.6kgf・m)/7,500rpm(フランス仕様は120.1N・m)●常時噛合式6段リターン、1速:2.611、2速:1.947、3速:1.545、4速:1.333、5速:1.154、6速1.036、一次減速比:1.556、二次減速比:2.471●フレーム形式:アルミニウムモノコック、サスペンション前:φ43mm倒立式テレスコピック、ホイールトラベル117mm、後:ボムリンクユニ・トラック(ガス封入式)、ホイールトラベル124mm、キャスター/トレール:23°/93mm、タイヤ:前120/70ZR17M/C 58W、後190/50ZR17M/C 73W。

Block01 Midashi

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