不動の思想、進化の指向

不動の思想、進化の指向


PGM-FI化でエンジンを一新

2007年9月 スーパーカブ50スタンダード

■2007年9月 スーパーカブ50スタンダード
※写真をクリックすると50デラックスが見られます。

2002年以降、モデルチェンジどころかカラーリングも変更されないという、スーパーカブ史上最長級の放置の後、ついに山は動いた。二輪史上最も厳しい平成18年度排出ガス規制に対応するため、スーパーカブ(というブランド)では初となる電子制御燃料噴射装置PGM-FIを装備してモデルチェンジをおこなった。

外見はクランクケースカバーのブラック化、マフラーガード形状の変更程度であり、フルモデルチェンジと思えないが、エンジン周りはPGM-FI化による各種補機やセンサー類の追加、エキパイ内にキャタライザーを内蔵など大幅に変更された他、フリクション低減のためオフセットシリンダー、ローラーロッカーアーム、ピストン3条痕の新採用など、大きな改良が加えられた。

スタンダード(204,750円)、デラックス(215,250円)、カスタム(236,250円)、プレスカブスタンダード(221,550円)、プレスカブデラックス(236,250円)と50シリーズのラインナップは変更なく継続されたが、90は排出ガス規制への対応が行なわれず、2002年モデルが継続販売された。

2007年9月 スーパーカブ50カスタム

■2007年9月 スーパーカブ50カスタム

2007年9月 プレスカブ

△2007年9月 プレスカブ
■エンジン型式■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ ■総排気量(内径×行程):49cc(39×41.4mm) ■最高出力:3.4ps/7000rpm ■最大トルク:0.39kg-m/5000rpm ■圧縮比:10.0 ■変速機:自動遠心式3段ロータリー(停止時のみ) ■全長×全幅×全高:1800×660×1010mm ■軸距離:1175mm ■車両重量:79kg ■タイヤ前・後:2.25-17・2.25-17 ■発売当時価格:204,750円 ■発売開始:2007年9月※諸元はスーパーカブ50スタンダード

2008年8月 スーパーカブ50
50周年スペシャル

■2008年8月 スーパーカブ50 50周年スペシャル
スーパーカブの誕生50周年を記念して50スタンダードをベースにボディをグラファイトブラック、シートをロイヤルブラウンのスペシャルカラーとし、フロントとサイドカバーエンブレムにゴールドの専用アニバーサリーエンブレムを配置、メーターパネルにも50th Anniversaryのロゴが入ったスペシャルモデルを2008年7月23日から8月末日までの受注期間限定で発売した。価格はスタンダードと同じ204,750円とお買い得だった。

2009年 EV-Cub

◇2009年 EV-Cub
2009年の第41回東京モーターショーに参考出品された近未来を想定したスーパーカブ。初代C100を思わせるようなスリムなデザインで、ガソリンエンジンではなく電動モーターを動力とした。フレームはアルミダイキャストで中央部分にバッテリーを搭載し、前後ホイールに内蔵されたホイールインモーターで駆動する2WD。ガソリンタンクの定位置であったシート下はメットインスペースとなっている。初代のC100がコミューター新時代のトビラを開いたように、未だはっきりとした未来は見えにくいEVバイクで、スーパーカブはまたしても時代をリード出来るか!?

新設計の110が登場

2009年6月 スーパーカブ110

▲2009年6月 スーパーカブ110ド
■エンジン型式■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ ■総排気量(内径×行程):109cc(50×55.6mm) ■最高出力:8.2ps/7500rpm ■最大トルク:0.86kg-m/5500rpm ■圧縮比:9.0 ■変速機:自動遠心式4段ロータリー(停止時のみ) ■全長×全幅×全高:1830×710×1040mm ■軸距離:1190mm ■車両重量:93kg ■タイヤ前・後:2.25-17・2.50-17 ■発売当時価格:249,900円 ■発売開始:2009年6月
スーパーカブ年譜

2007年9月
■スーパーカブ50
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△プレスカブ
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電子制御燃料噴射システムPGM-FI採用 触媒も装備され、平成18年国内二輪車排出ガス規制に適合 型式JBH-AA01(50) 50スタンダード 204,750円
2007年9月カタログ

2007年10月
□リトルカブ
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PGM-FIを採用 平成18年国内二輪車排出ガス規制適合に キックタイプ 210,000円
□2007年10月カタログ

2008年4月末
生産累計6,000万台達成

2008年8月
■スーパーカブ50 50周年スペシャル
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■リトルカブ 50周年スペシャル
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スーパーカブ誕生50周年を記念し、車体色に専用のパールコーラルリーフブルー、シートにリードレッドを採用したリトルカブ「50周年スペシャル」を受注期間限定販売 210,000円
2008年8月50周年スペシャルカタログ

2009年6月
▲スーパーカブ110
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フルモデルチェンジ 新設計のバックボーンフレーム採用 エンジンはPGM-FI採用の新設計109cm3を搭載 8.2ps/0.86kg-m 型式EBJ-JA07 249,900円
2009年6月カタログ

2009年10月
▲スーパーカブ110プロ
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配達業務に求められる要素を備えたスーパーカブ110プロ発売 取り回しに優れた前後14インチタイヤ、専用テレスコピックフロントフォーク、大型バスケットなどを採用 289,800円
2009年10月カタログ

2010年2月
▲スーパーカブ110
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新色のコルチナホワイトを追加
▲2010年2月カタログ

2010年8月
▲スーパーカブ110
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新色のプコブルーRとバージンベージュRを追加
▲2010年10月カタログ

2009年10月 スーパーカブ110プロ

▲2010年10月 スーパーカブ110プロ
■エンジン型式■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ ■総排気量(内径×行程):109cc(50×55.6mm) ■最高出力:8.2ps/7500rpm ■最大トルク:0.86kg-m/5500rpm ■圧縮比:9.0 ■変速機:自動遠心式4段ロータリー(停止時のみ) ■全長×全幅×全高:1845×715×1045mm ■軸距離:1205mm ■車両重量:104kg ■タイヤ前・後:70/100-14・80/100-14 ■発売当時価格:289,800円 ■発売開始:2009年10月

排出ガス規制対応がされなかった90は、フルモデルチェンジをおこなった。

PGM-FIとキャタライザーにより平成19年度排出ガス規制をクリアする手法は50と同様だが、従来のボディデザインをそのまま引き継いで環境対応のみを行なった50とは異なり、スーパーカブシリーズのデザインを損なうことなくシリーズ初となる新設計のパイプバックボーンフレーム(従来はバックボーン+プレスフレーム)を採用し、フロント周りもボトムリンク式からテレスコピックフォークとなった。

他にも変速時のショックを低減する2段クラッチや、ピストンにオイルを噴射し冷却効果を高めたオイルジェットなど、今までの国内仕様のスーパーカブにはなかった新機構が採用された。

またハンドルロックがメインキー一体式、ウインカースイッチが一般的な左側配置の水平タイプに変更されたこともスーパーカブ史上のエポックメイキングな出来事といえよう。

車体色はスーパーカブのイメージカラーとも言えるコスタブルーとアバグリーンの2色。従来のようにデラックスやカスタムといったバリエーションは設定されないモノクラス制となったが、10月にはかつての郵政仕様MDを彷彿とさせるような前後14インチ、フロントバスケット付の一人乗り専用のビジネスモデル、スーパーカブ110プロ(289,800円)がラインナップされた。このモデルは民営化された日本郵便の配達用にも採用され、MD系との世代交替が進んでいる。

2010年2月 スーパーカブ110

▲2010年2月 スーパーカブ110 コルチナホワイト

2010年8月 スーパーカブ110

▲2010年8月 スーパーカブ110 プコブルーR

2010年8月 スーパーカブ110

▲2010年8月 スーパーカブ110 バージンベージュR

ビジネスイメージのコスタブルーとアバグリーンのみだったスーパーカブ110に、オシャレなコルチナホワイト(2010年2月)とパステル調のプコブルーR、バージンベージュR(2010年10月)が追加され現行モデルは5色のラインナップに。カラーリングが変わるだけでこれだけイメージが変わるスーパーカブもスーパーカブ史上希な一台。価格は変更なく249,900円。110プロに変更なく、コスタブルーのみの設定。