“グローバル化”の大波の中にあっては、好むと好まざるとにかかわらず、モノの生産は労働力の安い海外で生産するのが当たり前の時代。ついにホンダのロードスポーツモデルの生産も、本格的な海外シフトが始まったといえるだろう。
ホンダは10月27日、タイホンダで本格的なロードスポーツ「CBR250R」を生産、11月からアセアン地域で発売を開始、来春には日本国内へも導入すると発表した。
また、インドのホンダ拠点でも来春から生産を開始、インド国内や南米の国々へ輸出するとしている。
ちなみに開発は日本とタイによる共同研究で行われ、タイホンダにとっては同社で生産する最大排気量、かつ初の本格的なロードスポーツモデルとなる。
これまでも海外生産され国内でも販売されたモデルが無かったわけじゃない。アメリカ産のゴールドウイングや小型スクーターはすでに海外生産が当たり前。しかし国内のメインクラスであるスポーツモデルを海外で生産するというのは「いよいよその時代が来たか」の感が強い。
堅い話はこのくらいにして、昔懐かしい「CBR250R」の名前が与えられたタイホンダの新型ロードスポーツを見てみよう。
車名でどうしてもひっかかってしまうのが、ホンダが'80年代にリリースしたCBR250R('87年3月発売)の存在だろう。それまでのどちらかといえばスーパースポーツ指向のモデルといえたCBR250FOURから一転、フルカバードタイプのエアロ・マシンとなったモデルだ。
今回発表された新時代のCBR250Rがエアロ・マシンといえるVFR1200Fのスタイルをそっくりそのまま縮小したかのようなデザインを取り入れたことと共通する部分があって面白い。
エンジンはメカ・マニアを唸らせたかつてのCBR250Rのカムギアトレイン採用DOHC4バルブ4気筒とは異なり、新開発されたのは水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒エンジンだった。ただし環境の時代に開発されたエンジンらしく、当然のことながら燃料装置はPGM-FI、そして排気系にはO2センサー+触媒装置で欧州の排出ガス規制のEuro3、ならびにタイの“第6次エミッション規制”をクリアーするというクリーンエンジンなのだ。
フレームは剛性の高いトラス構造のダイヤモンドフレームを採用。フルカウルは写真で見ての通り、VFR1200Fを彷彿とさせるエアロダイナミックスデザインを採用。排気量以上の車格を誇っている。
また、250クラスのロードスポーツモデルとしては世界初のコンバインドABSをタイプ設定。前・後輪連動ブレーキシステムCBS(コンバインド・ブレーキ・システム)にABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を組み合わせた国内では大型モデルやスクーターでおなじみのシステムだが、いよいよ中間クラスの空白が埋められていくことになるのだろう。
国内発売は2011年春。タイ製ということで値段の面でも大きいに期待できそう。お楽しみに。
●CBR250R 諸元表(参考:タイ仕様) | |
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HONDA CBR250R | |
全長 | 2,030mm |
全幅 | 709.5mm |
全高 | 1,127mm |
シート高 | 784mm |
ホイールベース | 1369mm |
車両重量 | 162kg |
キャスター角 | 25° |
トレール | 95mm |
燃料タンク容量 | 13リットル |
始動方式 | セルフスターター |
エンジン | 水冷単気筒DOHC4バルブ |
排気量 | 249.4cm3 |
ボア×ストローク | 76mm×55mm |
圧縮比 | 10.7:1 |
最高出力 | 19.42kW/8,500rpm |
最大トルク | 22.9N・m/7,000rpm |
燃料供給方式 | 電子制御PGM-FI |
変速機 | 6速リターン |
サスペンション前 | φ37mmテレスコピック式 |
サスペンション後 | プロリンク式 |
タイヤ前 | 110/70-17M/C |
タイヤ後 | 140/70-17M/C |
ブレーキ前 | φ296mmシングルディスク |
ブレーキ後 | φ220mmシングルディスク |
- ※スタートボタン通すと、CBR250Rの動画を見ることが出来ます。見られない場合はYouTubeで直接ご覧ください。http://www.youtube.com/watch?v=Dd1Rwz0PTo0
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