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スロットルを捻った瞬間、思わず“ニヤリ”としてしまいました!

 アドレス110のご紹介の前に、報道向け資料に書いてあった小ネタをひとつ。皆さん、車名「アドレス=Address」の由来ってご存知ですか? ”Add”(加える)と”Dress”(衣装)を併せた造語で、アドレスの名が最初に冠されたモデル(1987年登場の50cc)がシート下にヘルメットを収納できるスペースを有していたこともあり、シート下に衣装を入れて持ち歩き、自分らしさを演出しましょう、という意味で命名されたそうです。ハズカシながら初めて知りました。というワケでアドレス・シリーズ、誕生から28年になるんですね。
 
 そんな歴史あるアドレス・シリーズの最新モデル「110」のハナシに戻しましょう。スズキの原二(90~125cc)スクーターとしてはV125S以来のニューモデルとなる110。リサーチによると、原二バイク・ユーザーの31%が原一(50cc以下)からのステップアップであることに加え、近年では普通二輪小型AT限定免許取得者、つまり125ccまでのスクーターに乗ることができる人が増加しているそうで、アドレス110は求め易い車両価格と充実装備で、そういった人々をターゲットにしているそうです。
 

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1ヵ月も経つと走っていても快適な気候となり、Part1とほぼ同じルートで三浦半島を反時計に周ってまいりました。横須賀の「三笠」は補修が終わったようで、京急・三浦海岸駅前の河津桜はもう青々としていました(Part1と見比べてみてください)。今回も一気に160kmほど走りました。

 さて、アドレス110の概要についてはコチラを参照いただくとして、460kmほど試乗させていただいた印象をレポートいたしましょう。
 
 セルフスターターでエンジンを始動、低めのエキゾーストサウンドが心躍らせてくれます。V125シリーズもそうですが、スズキさんはこういった演出、上手ですね。そして、スロットルを捻った瞬間、思わずニヤリ。「コイツは正真正銘スズキのスクーターだ!」と。なんてったってエンジンのレスポンス、吹け上がりがとても軽い! ここ近年の4スト・スクーターの中ではトップ・クラスの気持ちよさですね。
 
 一方で半クラッチが長い、つまり発進加速を重視した駆動セッティングではないので、扱い難いこともありません。クラッチが繋がった直後からの加速、速度の伸びもいい。確かに、開発者が目指した「125ccクラス並みの動力性能」を感じさせます。実際、街中の信号待ちからの発進加速ではスズキや他社製125ccクラスのスクーターなどと肩を並べる加速を見せてくれました。
 
 スリムに仕上げられたことによって、もしかすると華奢な印象を受けるかもしれない車体は、実際に乗って、使ってみると、とてもしっかりとした作りに。操縦性も自然かつ安定感があるので思うような走りができます。手頃な車両価格のイメージから、各部のコスト管理もシビアなのかと思いきや、振動やノイズもしっかりと抑えられ、サスペンションの動きもしなやかと、チープな印象は微塵も感じさせません。走っても走ってもトレッドのセンター部近くのイボが中々とれないタイヤに見た目、不安を感じましたが、ドライはもちろん、雨天の濡れた路面でも今回の試乗の間でヒヤリと感じることは一切ありませんでした。
 
 そして、ご参考までに燃費のご報告。今回、トータルで460kmほど走りまして、平均燃費は46.44km/L(満タン計測)。三浦半島を周ってきた時は53.48km/L(同)、通勤などを想定した市街地走行では43.57km/Lでした。気候がもっと暖かくなると燃費はさらに伸びるでしょう。
 

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試乗・撮影車の車体色はブリリアントホワイト。ライダーの身長は173cm。

 日本の4メーカーから販売される原二バイクの中で、最もお手頃な車両価格としているアドレス110ですが、ここまで価格を下げている(税抜きなら20万円切り!)のだから、多少目をつぶってもいい部分があってもいいのですが、各部の仕上がりや使い勝手など、色々と”粗”を探してみましたが、そこが見つからない。細部にいたるまでしっかり造り込んでます。 
 
 グローバル規模のモデルだからここまでの造り込みが実現できるのでしょうが、グローバルで使われるモデルだけにスズキの妥協なき造り込みに感服いたしました。大変失礼ながら、私の想像を超える仕上がりのバイクでした。スズキさんスイマセン、脱帽です!
 
 ただ、110ccという排気量から世界規模で見てもベーシックなクラスにカテゴライズされるので仕方ありませんが、見た目にもうちょっと華やかさがあってもいいかなと。とても安直ではありますが、個人的にはMotoGPマシン・カラーのモデルなんかもあるといいのでは? もしかするとアセアン仕様にはあったりして!?
 
 そんなアドレス110に興味のある方、まずは販売店などでの試乗をお勧めいたします。是非、その仕上がり具合を見て、感じていただきたいと思ったバイクです!
 
(試乗:ピンキー高橋)
 

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バッテリーなど電装類が収まるスペースのリッドを車体色と変えることでフロントにアクセントを与えている。フラッシャー下にはポジションランプが備わる。 足元スペースは173cmという日本の男性の平均的身長の場合、前後スペースに若干制約はあるものの窮屈感はない。スカイウェイブやバーグマンなどスズキ・スクーターお馴染み「カットフロアボード」は優れた足つき性をサポート。 シャープな外観デザインが完結するリアまわり。日本と欧州仕様のフラッシャーは視認性の高い別体式(灯火類の法規が異なるアセアン仕様はテールランプと一体式)となる。
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大きな文字、左右共通としたフラッシャーインジケーターなど、シンプルなデザインとレイアウトによって見やすいメーターまわり。速度スケールは大袈裟だが、110ccとしては意外なほど針は右方向に振れる性能を有する。 右側に500ml、左側に600mlのペットボトルなどが収まるフロントのインナーラック。外したグローブなどをちょっと置いておくにも便利だ。中央のコンビニ用フックの最大積載許容重量は1.5kg。シートオープナー兼用のキーシリンダーも使いやすい。 リアのブレーキロックシステムを装備。強く握るとリリースされるという、シンプルで使いやすいタイプだ。駐車時のロックの他、バイクに跨ったままスマホなどで写真を撮る際に便利。
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滑りにくい表皮を採用し、タンデム時でも余裕をもたせたロングシート。アセアン諸国でも販売されるグローバルモデルだけに、日本での想定を超えた荷重にも耐えられる仕様と思われる。 シート下にはフルフェイスのヘルメットを収納できるトランクスペース(20.6L)を確保。シート高を上げることなく容量を確保するため、1mm単位の部品設計がなされたアドレス110″こだわり”の部分である。 荷掛フック付のアルミ製リアキャリアを装備。穴が開けられており、テールボックスの取り付けに対応。スポーツ派にはアシストグリップ機能に特化した「ピリオンライダーハンドル」をアクセサリーとして用意。
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アドレス・シリーズとしては初となる14インチ・タイヤを採用。銘柄は純正装着タイヤとして定評あるIRC製SS-530。サスペンションのセッティングもアドレス110の開発者によるこだわりの部分。

アドレス110に搭載されるエンジンはWMTCモード値51.2km/Lの燃費性能と125cc並みの動力性能が特徴。燃焼効率を上げ、フリクションロスを低減することでパワーを落とすことなく低燃費を実現した新設計ユニットの総称を「SEP(スズキ・エコ・パフォーマンス)」エンジンとし、5月から発売されるアドレスV50などでも展開。 ボディサイドに光るエンブレム。「Address」の車名は全世界共通で、排気量を表す数値はない。日本では同じアドレスでも「Vシリーズ」ではないため、1998年4月に発売された2ストローク・モデル(前後12インチタイヤ)と車名は同じに。
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■アドレス110主要諸元

■型式:EBJ-CE47A ■全長×全幅×全高:1,845 ×665 ×1,095 mm ■ホイールベース:1,260 mm■最低地上高:120 mm■シート高:755 mm■車両重量:97 kg■燃料消費率:53.0 km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、2名乗車時) 51.2 km/L(WMTCモード値 クラス1、1名乗車時)■最小回転半径:1.9 m■エンジン種類:強制空冷 4ストロークSOHC 2バルブ単気筒■総排気量:112 cm3■ボア×ストローク:51.0 ×55.2 mm■圧縮比:9.3 ■最高出力:6.7 kW(9.1 PS) /8,000rpm■最大トルク:8.6 N・m(0.88 kgf・m)/6,000rpm■燃料供給:フューエルインジェクションシステム ■始動方式:キック・セルフ併用式 ■燃料タンク容量:5.2 L ■変速機形式:Vベルト無段変速 ■タイヤ(前/後):80/90-14 M/C 40P /90/90-14 M/C 46P ■ブレーキ(前/後):油圧式シングルディスク /機械式リーディングトレーディング ■フレーム形式 :アンダーボーン ■車体色:ブリリアントホワイト(YUH) 、アイスシルバーメタリック(YNJ) 、タイタンブラック(YVU) ■メーカー希望小売価格(消費税8%込み):205,200円


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