2015年3月10日
■二輪も四輪も、今も昔も味わえたMSファン感謝デー
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日曜はグランドスタンドに空席がなくなるほどの大盛況だった。 |
新旧合わせた二輪と四輪、それも世界最高峰のMotoGPマシンとF1カーに、日本が誇るJSBとスーパーGTが一度にすべて見られるなんて、世界中を探してもこのイベントの他にない——。それが鈴鹿サーキットの「モータースポーツファン感謝デー」(3月7日〜8日)だ。
今年のファン感謝デーは、ホンダがF1に復帰するという節目ということもあって、メインテーマは「ホンダF1復活祭」。二輪の存在感はちょっと控えめで、四輪のファンに二輪のすごさも見てもらおう、という印象だった。土曜は午前中の小雨から夕方に向けて本降りになったけれど、日曜は初夏を思わせる陽気で、土日あわせて5万7000人が来場。特に日曜は、グランドスタンドに空席がなくなるほどの盛況ぶりで、あぁやっぱり大観衆のサーキットっていいなぁ、ってシミジミと思ったものでした。
グランドスタンド裏には、ホンダ歴代F1カーがずらりと並べられ、ピット並びも四輪メイン。しかし! 初日に大観衆の度肝を抜いたのは、二輪! カワサキ! そう、Ninja H2&H2Rだったんです!
ご存じ、スーパーチャージドモンスターNinja H2&H2R、2台揃っての走行は、これが世界初! ライダーは全日本JSBクラスに参戦する「チームグリーン」所属のふたりのライダー、渡辺一樹と柳川明でした。
まずは渡辺が公道バージョンH2でコースイン。2014年の全日本選手権・最終戦でNinia H2Rは走ったものの、H2の走行はこれが日本で初めて。公道バージョンらしく、十分に消音されたNinja H2。全開でメインストレートを走るH2からは排気音はほとんど聞こえず、スーパーチャージャーのタービン音がド迫力で駆け抜けていったのだ! 文字にすると「ドヒュヒュヒューン!」…あぁ、伝わらない(笑) とにかく、Ninja H2は、音だけでゼニが取れるバイク——そう実感させられました!
Ninja H2Rは、これが初ライドという柳川がコースイン。小雨上がりでコースがわずかに湿っていたこともあって、柳川は慎重に走行。Ninja H2Rはスリックタイヤ、しかもこの車両に装着されていたのはテッカテカの新品タイヤだっただけに「世界に何台もあるわけじゃないH2R、万が一のことがあっちゃマズイでしょう!」(柳川)
Ninja H2Rも、ショートカットからメインストレートに姿を現す、つまりゼロスタートに近くてストレートも短いというのに、やっぱり300psのスーパーチャージドモンスター、その加速とトップスピードはド迫力! コースサイドのカメラマンも「うわ、目が追いつかない…」と絶句するほどの超速っぷり! 十分に観衆の度肝を抜いたNinja H2&H2Rのデモンストレーションだった!
他にも、ハーフウェットで全チーム走行というわけにはいかなかったけど、土曜に8耐マシンの公開テストや「スズキMotoGP復活」のデモンストレーションとして、ホンダRC213V、ヤマハYZR-M1、スズキGSX-RRが走行。夕方にはトワイライトデモレースと銘打って、8耐マシンの走行もあったけれど、これも雨でちょっと不完全燃焼……。っでもまぁ、花火も見られたからいいか!
打って変って晴天となった日曜は、同じプログラムでも、やっぱりスロットルの開けもハンパじゃないからド迫力も倍増! Ninja H2&H2Rも、MotoGPマシンも、やっと全開にしてもらってうれしそうでした!
「ホンダF1復活祭」がメインテーマとあって、四輪のイベントはもりだくさん。四輪に疎い僕だって、セナプロ時代のマクラーレンホンダのデモランはシビれたし、今シーズンからスーパーフォーミュラに参戦する小林可夢偉も参加したデモレースは、2日間を通して一番の歓声が上がっていたかも!
中島悟さん、鈴木亜久里さん、デイモン・ヒルやジャン・アレジ、それに今年からレースを始めるというジャン・アレジの息子さん、ジュリアーノも登場(ゴクミにそっくり!)。クルマもバイクも、ライダーもドライバーも、今も昔も知ることができて、これぞモータースポーツの熱さだよなぁ、というテンションが上がった2日間でした!
来週にはF1も開幕しますね。バイク乗りだもん、復活したホンダを精一杯応援しましょう!
(写真・文:中村浩史)
間もなく開幕、2015年のMotoGPを戦う日本の3ファクトリー・マシン、そして開発に携わる3ライダー(ホンダRC213V・高橋 巧、ヤマハYZR-M1・中須賀克行、スズキGSX-RR・青木宣篤)がデモ走行を披露。 |
Ninja H2&H2Rで2台揃って走行した「チームグリーン」の柳川明と渡辺一樹は2015年、全日本JSB1000に参戦。8耐では藤原克昭を加えた活躍に期待! | 昨年のJ-GP2から今年はJSB1000にステップアップ、高橋 巧 との2台体制で活躍が期待されるハルクプロの浦本修充。 | JSB1000で4連覇を狙う中須賀克行は、2014年度「モータースポーツ顕彰」に選出、表彰された。 |
第1期からのホンダF1マシンがずらり! 1983年にカムバック(第2期)を果たしたスピリット・ホンダ201Cは参戦期間も短かっただけに興味深いマシン。 | 2015年の注目、F1に復活したマクラーレン・ホンダ。展示されているのは2014年のアブダビでテストされたMP4-29H/1×1。フェルナンドの走りも早く見たい! | ホンダの市販車ブースでは最新モデルに触れることができた。 |