こちらの動画が見られない方、もっと大きな画面で見たい方は、YOUTUBEのサイトで直接どうぞ。「http://youtu.be/fOQfAIIWQzc」」 | LMW(Leaning Multi Wheel)ということで、ご覧のように車体ばかりではなく、フロント2輪自体もバンクしながら走行する。あくまで“バイク”(スクーター)の走行感覚を残しているのがポイント。 |
第2ラウンド、“第3の移動体”は特設コースで待っていた
昨年の東京モーターショーに出展、世間を”アッ”と言わせたヤマハのマルチホイール125ccコミューター「TRICITY」。7月1日に行われた日本での正式発表以降、特設会場での展示や、試乗モニターキャンペーンの募集などが行われているが、発売はもうちょっと先の9月10日。「早く乗ってみたい!」と思っている方も多いことだろう。ヤマハが造ったマルチホイール・モデルは、久々に興味をひく乗り物だ。
秋葉原で行われた発表会では、報道向けに簡単な試乗会も催されたが、TRICITYという新しい乗り物を理解するには時間と場所の制約が多かった。その後、伊豆で行われたMT-07試乗会との併催で、特設コースでTRICITYを試す機会に恵まれたのでご報告を。
TRICITY最大の特徴であるLMW機構の動きは想像以上に軽く、二輪車とは異なるフロントの接地感は前回の短い試乗時間でも感じることはできた。果たしてその先、TRICITYはどのような動きを見せてくれるのか?
ライダーの身長は173cm。フロントに二輪が備わる関係上、インナーパネルが膝まわりにも及ぶが、ライディングポジションは標準的サイズの原二スクーターと同等。フラットボード&ステップスルーは乗り降りが楽で便利。スタンドはサイドとセンターに備わる。 |
慣れれば慣れるほど、スラロームコースのような切り返しが楽しい!
今回は直線あり、スラロームあり、波状路あり、段差ありという、TRICITYのチャームポイントを試すのに最適な試乗コースが設けられていた。いざ試乗となると前回同様、今回も乗り始め直後は若干戸惑いを感じた。普通に走ることは簡単だ。ただ、フロントのLMW機構をもつTRICITYをどこまで不安なくバンクさせることができるのか、この時点でもまるで未知。まずは手探り状態からの試乗となった。
しかし、ものの5分も走らないうちに戸惑いは痛快に変わっていった。スクーターに乗った経験がある者であれば、TRICITYの操作感はすぐに体得できるはず。通常のスクーターの感覚と言っていい。慣れれば慣れるほど、スラロームコースのような切り返しが楽しく、その感覚は確かに二輪車のように軽快だ。加えて、接地感を感じるので安定性も高い。
試乗コース上に設定された段差に対し斜めに進入しても難なく乗り越えていく。二輪車、特に小径タイヤを履いたスクーターではこのようなシチュエーションで安心感を得ることはできないだろう。軽快感と安定感を持ち合わせていることが、まさにTRICITYの二輪車に対するアドバンテージだ。
開発に携わった方にお話を聞くと、TRICITYは様々なパターンが想定されるが、フロント、またはリアの限界を超えると、場合によっては転倒してしまうのは二輪車同様だとか。今回の試乗で、その限界領域を試す勇気はなかったが、バンクさせていくに従ってまずセンタースタンドが接地、ライダーに注意を促すのは同クラスのスクーター同様だ。
また、二輪車に対し横風に強いのもTRICITYの特徴だとか。特に車両重量が軽い原付二種クラスにとって、さらなる安心材料といえる。
TRICITYの発売まであと1ヵ月ちょっと。同クラスのスクーターに対し車両価格も据え置かれた“第3の移動体”、果たして日本でどのような受け止められ方をするのか? 今年の二輪業界最大の注目ポイントと言えるだろう。
(報告:高橋二朗)
軽快でスポーティなハンドリングと安定感を備える”新しい楽しさ”を追求したフロントのLMW機構。 サスペンションは左右独立し、それぞれにディスク・ブレーキが備わる。リアは2本サス、ディスク・ブレーキを装備。 |
液晶デジタルメーターを採用。時計、外気温計も備わる。 | ゆったりサイズのシートを採用。グラブバーはアルミ製。 | ポジション&テールランプには低消費電力のLEDを採用。 |
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