ゴールドウイング F6C 1,998,000円(4月22日発売)

★ホンダ ゴールドウイング F6C 車両解説

ゴールドウイングシリーズに“マッスルクルーザー”F6Cが誕生

ホンダのフラグシップ、ゴールドウイングシリーズの歴史は長い。1974年に水平対向4気筒SOHC2バルブ、排気量999ccエンジンを搭載してデビューして以来なので、なんと40歳だ。その歴史だけで本が1冊出来てしまうほどだが、ざっと紹介しておくと、1980年にエンジンを1,085ccへとアップ。さらに1984年には水平対向4気筒時代の最大排気量となった1,182ccまで拡大。1988年にはフルモデルチェンジにより、エンジンも水平対向6気筒SOHC2バルブ、排気量1,520ccへと発展。この1500時代から国内の型式認定を得て国内発売が開始されている。

当時すでに生産は米国のホンダ拠点であるホンダ・オブ・アメリカ・マニファクチャリング(HAM)で行われており(1980年の1,085cc時代から)、海外生産車両を輸入販売する魁けとなった。また同時にクルマの方でもスペシャリティーカー「アコードクーペ」(アコードの派生機種)を日本に輸入販売したことで話題となっている。

その後ゴールドウイングは、ほぼ毎年イヤーモデルとして国内販売されてきている。1990年にはアメリカでの生産10周年を記念した特別仕様車を発売。1994年にはゴールドウイングの20周年を記念した特別仕様車も発売している。1996年にはゴールドウイングをベースに本格的なクルーザーとしたワルキューレを発売、このモデルは2001年モデルまで継続発売された。

2001年8月、水平対向6気筒SOHC2バルブエンジンの排気量を1,832ccまでアップした1800ゴールドウイングの時代が始まる。三元触媒の「Honda Evolution Catalyzing System 3」(HECS3)を採用して世界最高水準の環境性能を実現、フレームも新設計のアルミフレームを採用。そして国内専用仕様として、量産二輪車世界初の電動式光軸調整機能付のディスチャージ式ヘッドライトや、間欠機能付電動ワイパー、Honda Ignition Security System(H・I・S・S)という盗難抑止システムなどを採用していた。

1800時代もほぼ毎年イヤーモデルが登場したが、2004年には、低価格設定のゴールドウイングUSパッケージをタイプ設定。通常モデルが3,150,000円のところUSパッケージは2,614,500円とお買い得だった。2005年にはゴールドウイング30周年記念モデル。2007年には二輪車用エアバッグシステムを搭載したタイプを追加設定。2008年にはビルトインタイプのナビゲーションシステムを導入。また、2004年にはゴールドウイングの水平対向6気筒エンジンを搭載するメーカー純正カスタムマシンといえるRUNEが発売されている。2012年12月発売の2013年モデルでは、車体色に新たにデジタルシルバーメタリックを採用したモデルを追加、従来からのパールフェイドレスホワイトに加え2色の展開となっていた。

2013年12月、2014年モデルとしてゴールドウイングシリーズのカラーチェンジが行われたが、同時にゴールドウイング F6Bもカラー設定が変更された。ゴールドウイング F6Bは、ゴールドウイングのユーザー層を拡大するために、若い世代にも受け入れられそうなロー&ロングフォルムのスタイリングと、軽量化、そしてなによりコストダウン努力により、頑張れば手の届く価格設定として2013年2月に発売されたモデルだ。ゴールドウイングシリーズの一員でありながらついに200万円を切るプライスがで登場した(199万5千円だったがこの12月のカラーチェンジで価格が若干上がって200万円を超えてしまった)。ゴールドウイング F6Bも本体のゴールドウイングシリーズと同様カラーチェンジのみで、パールシャイニングイエローの新色1色と、グラファイトブラックの継続色1色、計2色の設定となった。

今回登場したゴールドウイングF6Cは、F6B同様ゴールウイングシリーズのバリエーションモデルで、2013年の東京モーターショーに登場したあの“マッスルクルーザー”だ。ゴールドウイングシリーズの水平対向6気筒、1832ccエンジンと基本骨格を継承、フロントからリアにかけて流れるように下がっていく“トライアングルフォルム”のクルーザースタイルを特長とする。ゴールドウイングに比べ75kgの軽量化と、価格もF6Bの登場時と同様、200万円を切る199万8千円の低価格設定を実現している。
 

ゴールドウイング F6C。カラー設定は2色。アトモスフィアブルー。
ゴールドウイング F6C。グラファイトブラック。

★HONDA プレスリリースより (2014年4月14日)

迫力のスタイリングと爽快な走りを追求した「ゴールドウイング F6C」を発売

Hondaは、躍動感あふれる迫力あるスタイリングに、パワフルな1800ccエンジンを搭載したストリート・マッスル・クルーザー「ゴールドウイング F6C」※1を4月22日(火)に発売します。

スタイリングは、「ゴールドウイング」の伝統と上質感を受け継ぎながら、全身にパフォーマンスイメージを大胆に表現することで、躍動感にあふれ迫力と存在感を高めたデザインとしています。フロント回りは、ボリューム感のあるラジエーターシュラウドが力強さを際立たせています。また、フロントからリアに流れるように下っていくトライアングルフォルムとロー&ロングの車体構成によって、迫力に満ちた独特なスタイリングを確立しました。なお、LEDをヘッドライト、テールランプ、ウインカーの全灯火器に採用することで、先進的なスタイリングに寄与しています。

エンジンは、ゴールドウイングの水平対向6気筒1800ccエンジンを継承。ゴールドウイングに比べ車両重量で75kgの軽量化を図り、専用開発のマフラーを採用することなどで、低速からパワフルなフィーリングと力強いエキゾーストサウンドを実現しています。

車体・足回りは、ゴールドウイングシリーズとして最大のホイールサイズとし、フロントに19インチ、リアには17インチの新デザインのアルミダイキャストキャストホイールを採用しています。低く身構えた車体構成は、シート高を740mmに抑え足着き性にも配慮しています。ブレーキには安心感のあるABSを搭載しています。

※1受注生産車となります

●販売計画台数(国内・年間)
200台
●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
1,998,000円(消費税抜き本体価格 1,850,000円)
※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
=主な特長=
●スタイリング
ゴールドウイングで築き上げた「威厳」「優雅」「躍動」「迫力」で構成される「The King of Motorcycles」の遺伝子に、新たに「パフォーマンス」「マッシブ」を加え、Honda独自のクルーザーを目指しました。サイドビューは、ボリュームに満ちたラジエーターシュラウドと、フロントからリアに流れるように下がっていくトライアングルフォルムに加え、ロー&ロングの車体構成によって、個性を際立たせています。フロントビューは、新デザインのヘッドライトカウルにLEDヘッドライトを組み合わせて採用。大径19インチのフロントタイヤと、左右に張り出したラジエーターシュラウドによって、マッシブ感を強調しています。
リアビューは、パニアケースやトップボックスを装備しないシンプルな構成とし、ローダウンしたテールカウルに水平に配したLEDテールランプとウインカーによって、引き締まった印象としています。燃料タンクは、ゴールドウイングで採用しているシート下配置から、一般的な二輪車と同様にシート前方に配置しています。グラマラスで流れるようなティアドロップ形状とすることで、よりクルーザーイメージを高めたスタイルとしています。
メーター類は、シンプルでコンパクトな設計とし、ライダーがメーター越しに開放感に満ちた風景を楽しみながら走行できるように配慮しています。
車体色は、アトモスフィアブルーとグラファイトブラックの2色を設定しています。
●エンジン
力強く静粛性に優れた水冷・4ストローク・水平対向6気筒1800ccエンジンは、さらに力強い出力特性としています。エアクリーナー、エキゾーストパイプ、マフラーそれぞれを専用に開発。ゴールドウイングに比べ、最高出力を6kW、最大トルク値は7N・mそれぞれ高めることで、低速域からパワフルなフィーリングを実現しています。マフラーは、専用に開発した内部構造とし、テールエンドにはそれぞれ3本のテールパイプを配置することで、水平・対向6気筒ならではの迫力あるスタイリングと独特な力強いサウンドを実現しています。
●車体・足回り
フレームは、ゴールドウイングで定評のある剛性と柔軟性を両立した、マルチボックスセクション式アルミツインチューブを継承。フロントサスペンションは、φ45mmのカートリッジタイプのテレスコピックフォークを、リアには、プロリンクサスペンションに片持ち式のプロアームを採用しています。ホイールは、新設計の10本スポークタイプのアルミダイキャスト製で、フロントには大径の19インチをリアには17インチをそれぞれ採用しています。ブレーキは、安心感のあるABSを採用しています。これらの装備によって、柔軟で軽快な操縦フィーリングと快適な乗り心地を実現しています。
●その他の装備
・シンプルな形状のフル液晶タイプのインストルメントパネル
・自動でウインカーの点滅をオフにするウインカーオートキャンセラー
・市街地走行から長距離ツーリングまで快適な乗り心地に配慮したシート
 

★主要諸元

車名型式 EBL-SC68
ゴールドウイング F6C
発売日 2014年4月22日
全長×全幅×全高(m) 2.470×0.940×1.150
軸距(m) 1.705
最低地上高(m) 0.145
シート高(m) 0.735
車両重量(kg) 342
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 2
燃費(km/L) 25.0(60km/h定地走行テスト値)
登坂能力(tanθ) -
最小回転半径(m) 3.3
エンジン型式 SC47E
水冷4ストローク水平対向6気筒SOHC2バルブ
総排気量(cm3) 1,832
内径×行程(mm) 74.0×71.0
圧縮比 9.8
最高出力(kW[PS]/rpm) 86[117]/5,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 168[17.1]/4,000
燃料供給装置形式 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)
始動方式 セルフ式
点火方式 フルトランジスター式バッテリー点火
潤滑油方式 圧送飛沫併用式
潤滑油容量(L) -
燃料タンク容量(L) 22
クラッチ形式 湿式多板ダイヤフラムスプリング式
常時噛合式5段リターン
変速比 1速 2.375
2速 1.454
3速 1.068
4速 0.843
5速 0.685
変速比 1.591/1.028×2.750
キャスター(度) 29°50′
トレール(mm) 114
タイヤサイズ 130/60R19M/C 61H
180/55R17M/C 73H
ブレーキ形式 油圧式ダブルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム式(プロリンク、プロアーム)
フレーム形式 ダイヤモンド

※2燃料消費率は定められた試験条件のもとの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。