第43回 「カエルがライオンになった話」
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「見上げたもんだよ屋根屋のふんどし〜」の韻を踏んだ地口。その後「そうか、そうか、草加越谷千住の先」と続く名調子の啖呵売といえば、ご存知フーテンの寅さん。さらに「栗橋幸手まだ先よ」と続くこともあるとか。 |
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千住=北千住ということであれば、千住大橋の南側にある南千住は、南北千住ということになりせんか? ならないのは百も承知でむりやり続けますと、南千住の北側にあたる北千住は、北南北千住になるわけで…… |
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頭の悪い子が書いた略図です。ピンクの一帯あたりが千住らしいです。 | ||
北千住駅の開業は明治26年。といってもまったくピンときません。アメリカの最高裁が「トマトは野菜である」と判決を下した年といえば「ああ、あの年か」と納得していただけるかと。それもピンと来ない人は毛沢東が生まれた年と言う方が解りやすいでしょう。共にまっ赤ですしね。 |
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外も中もかなり近代的です。鳩にも激しく愛されているようで、時折ぐるっぽーぐるっぽーが聞こえてきます。(2011年7月撮影) | ||
大改良で近未来的な駅へと進化した北千住ですが、嬉しいことに立喰・ソは健在です。昨今JR東日本の駅は改良→幻立喰・ソ、またはちょっと高級っぽいIKに変身が定番化していますが、東武、首都圏新都市鉄道(架空投資話に出てくるような会社か? と思うでしょうが、つくばエクスプレスを運営している会社です)、東京メトロと他社の手前もあり、好き勝手出来なかったかどうかは知りませんが、JR常磐線ホームと東武伊勢崎線上りホームに健在です。 |
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JR常磐線ホームにあるそば処は、K千住上りそば(上りホーム)、K千住下りそば(下りホーム)という名称です(例によって盛業中なのでイニシャルですが)。なんと味のある店名でしょう。KIOSKなどをやっているJR東日本傘下のとある会社の経営ですが、地に足の付いた昭和立喰・ソの雰囲気と味が嬉しいです。(2013年12月撮影)右は東武伊勢崎線上りホームで、かつては夢やでしたが、現在は大手チェーンのK諸そばに。ちなみにホーム初出店だそうです。(2011年11月撮影) | ||
地上部分は近未来シティを思わせる大変貌を遂げたのですが、地下までお金が回らなかったのか、それとも「どうせ地下なんだし、外から見えないんだからこのままでいいです」とスネたからなのか定かではありませんが、地下は所々に昭和が残っています。その地下から西口地上に向かう階段の途中に横穴があります。その穴奧にコーワーという、まさにザ・昭和なお店がありました。階段途中の無理矢理感が怪しさを倍増させておりました。反対に地上側からだと不釣り合いなほど大きな黄色看板が目印でした。
実はコーワー、一般的な立喰・ソではなく、定食、ラーメン、酒類となんでもありの大衆食堂でした。もちろんソもウもありましたし、セルフで価格も味も立喰・ソレベルでしたから、ここはひとつ立喰・ソの仲間に入れてやってくれませんか、と平にお願いします。 |
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昭和時代はどこの駅でも見られた、味も素っ気もないモノトーンお役所仕様の案内板。シンプルで見やすいかも。(2011年7月撮影) | ||
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今や世界遺産級の有人改札のラッチ(鉄道業界では改札口のこと)。待ち合わせの時「新宿南口のラッチ内(改札の内側)で」というとヲタ丸出しで鉄子うっとり。バリアフリー全盛の昨今、ただの障害物が未だに残っているのは、間違いなく平成の奇跡です。(2011年7月撮影) | ||
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地下ではありませんが「今、話題の」こんな機械も。今でもまだ磨いていますか?(2009年4月撮影) | ||
ところで、コーワという店名、しっくりくるようなこないような。経営主体がコーワという会社なのか(ググルと山ほど出てきます)? それとも主が生まれたのが日米講和条約の年だったとか。カエル大好きとか。真相はすでに藪の中(いつものうやむやパターン)。ああ、残念、ああ、無念。こんなことなら、パンチの利いた怖そうなおばちゃんに勇気を出して聞いておけば良かった(例によって後悔役に立たずパターン)。 |
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ありし日のコーワです。怪しい雰囲気伝わりますでしょうか。かけそばは280円。麺はややにちゃとした冷凍で、おつゆはお約束の業務用っぽい濃い目。雰囲気と共にビンビンにしびれました。トッピングのコロッケは70円。おばちゃんは一見怖そうだけど、プロの仕事的なてきぱき接客が気持ちよく、多くを語らずコロッケもすぐにチンしてくれました。(2011年7月撮影) | ||
コーワといえば最初に思い浮かぶのが、立喰・ソの茹で麺でおなじみ興和物産。でも一般的にはコルゲンコーワ(これも茹で麺とは違う興和という会社の製品)ですね。昭和の頃、子供連れで薬局に行くとケロちゃんの指人形くれました。ピンク色のやつもあったような気がします。なぜかうちには段ボール箱いっぱいありました。それだけ薬屋さんに通ったということでしょうか。なんのために? |
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怪しい雰囲気一掃。怪しい秘密基地から洒落た大人の隠れ家に大変身。変われば変わるもんです……(2013年12月撮影) | ||
北千住駅西口商店街にも著名な立喰・ソであるところの、そば千がありました。生そばを使った本格派ながら気取った店ではなく、種類の多い天ぷらが名物で、しかも24時間営業。店内にはまんが本がたくさん置いてあり、地元の人達に愛され、広いとは言えない店内はいつもお客さんでいっぱいでした。味も値段も立地条件もよく、常連客もたくさんいたのですが、ある日突然幻立喰・ソになってしまったのです。 |
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ありし日のそば千(左 2011年7月撮影)。なくなるとどこにあったのか、解らなくなるのが世の常。だから反対側から撮ってしまいました……すし屋になったかと思ったら、実はその隣でした。(2013年12月撮影) | ||
●立喰・ソNEWS 2014 |
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神保町の名店利根の跡に入ったむぎなわ。ここではたいへん申し訳ないことをした(その9参照)痛恨の極みの立喰・ソでしたが、特派員AB君が先日通りかかったところ、なんと新進気鋭のチェーン店IQになっていたそうです。2012年暮れにオープンしたばかりだったのに。調べてみたら武蔵小山にあったもう一軒もほぼ同時に幻立喰・ソになってしまったようです。老舗系ばかりではなく、一見元気いっぱいに見えた新進気鋭系までも……立喰・ソの未来はどうなってしまうのか。幸い後も立喰・ソになったのがせめてもの救いです。 |
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白がコーポレートカラーのむぎなわ(2013年1月撮影)から、オレンジのIQに。神保町もチェーン店ばかりになりました。あるだけいいか。(2014年1月撮影) |
バ☆ソ
日本全国立ち喰いそば全店制覇を目論む立ち喰いそば人。現在600店以上のデータを収集したものの、ただ行って食べただけではたいして役に立たない。立ち喰いそば屋経営を目論むも、先立つものも腕も知識も人望もなく断念。で、立ち喰いそば屋を経営ではなく、立ち喰いそば屋そのものになろうとしたが「妖怪・立ち喰いそば屋人間」になってしまうので泣く泣く断念。世間的には3本くらいネジがたりない人と評価されている。一番の心配事はそばアレルギーになったらどうしよう……。