しかし今年の8耐は暑かったですね! 毎日照りつける日差しが強烈でメディアセンターのコカコーラゼロも売り切れでした。なのに・・土曜日のトップ10トライアルが雨で中止になってちょっと拍子抜けしましたけどね。それでもそれぞれのタイムアタックが見られて、中須賀くんの走りは最高でした
ちょいちょい8耐の思い出を整理していきましょう
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レースは、スタートして序盤(9周目)にヨシムラ(#12 YOSHIMURA SUZUKI RACING TEAM)をかわしたハルクプロ(#634 MUSASHI RT HARC PRO)が好走。TSR(#11 F.C.C TSR Honda)が追い上げてかわしますが、トップ走行中にまさかの転倒、それまで2位を単独走行していたハルクプロ(高橋巧 、マイケル・ファン・デルバーグ、レオン・ハスラム、)が優勝し、2位にヨシムラ(津田拓也、青木宜篤、ジョシュ・ブルックス)、3位はケビン・シュワンツ選手を招聘し、今年の8耐で一番話題を提供してくれたチームカガヤマ(#071 加賀山就臣、芳賀紀行、ケビン・シュワンツ)という結果でした。
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ウィーク中安定していたハルクプロ、実は毎日遅くまで茂樹監督も残ってピット作業の練習をしていました。
「走りで1秒詰めるよりピットで1秒詰めるほうが簡単だろ?」と茂樹監督。ライダーはライダーの仕事をきっちりやって、メカニックも仕事をきっちりやるチームワークの良さはさすがですね。
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レース中もたいしたトラブルはなく、全て順調にこなしていきました。初の8耐参戦になるマイケル・ファン・デル・マーク選手に、WSB参戦中で2度目の8耐となるレオン・ハスラム選手、そして高橋巧選手は2010年以来2度目の優勝。表情にはあまり出さない選手ですが、表彰台の頂点はすごく嬉しいはず!!
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ヤマハ(#8 MONSTER ENERGY YAMAHA-YART)は、中須賀克行選手が前日のタイムアタックで昨年に自身が記録したポールポジションタイムを上回るタイムで1番グリッドを獲得し、スタート直後はブロック・パークス選手がトップを走行するなどレースも好調でしたが、ライダー交代時にオイル漏れが発覚、にじみ箇所の発見と修復に6分ほどかかり、順位後退して結果8位でフィニッシュ
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2位のヨシムラは、青木選手がピットロードの速度違反でストップ&ゴーのペナルティを受けてしまいました。ジョシュ・ブルックス選手が転倒した後は若手の津田選手が活躍。フロントスクリーンが割れたままの走行で首を相当酷使し、スクリーンのありがたみが分かったという津田選手。レースが終わってしばらくは首が痛すぎて夜寝られないなど苦しんだらしいです。
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そして、4位に入ったスズキエンデュランスチームSERT(#1 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM)。過去に北川圭一選手が参戦し、2度の耐久チャンピオンを獲得したことでも有名なフランスの名門チームです。コンスタントに順位をあげ、終盤には3位のチームカガヤマに迫る追い上げを見せ、スズキのポテンシャルの高さをアピールする4位入賞でした。
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TSRは2011年に秋吉・伊藤・清成組で優勝している清成龍一選手。
昨年は、ハルクプロから参戦した清成選手が転倒炎上した衝撃映像も記憶に新しく、今年はリベンジのはずが同じデグナー(今度は出口方面ですが)で転倒。昨年は燃えたバイクをピットまで押して帰り、懸命の修復でラスト1時間を走行しチェッカーを受けていますが、今回はピットに帰るも修復かなわずリタイヤとなりました。それまでの走りが最高にカッコ良かっただけに、とても残念でした。
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エヴァンゲリオンレーシング(#01 EVA RT TEST TYPE-01SynergyForceTRICKSTAR)、グランドスタンドの応援席は盛り上がっていましたね! ピットの度にフラッグがなびいていました。スタートは出口選手で順調に周回していたのですが、エンジンが吹けないトラブルで2度のピットインにより順位を落とし、12位で完走。井筒選手の転倒に始まり、計測時の芹沢選手ストップと、予選中からいまひとつ波に乗れない感じでした。トリックスターはこのあと9月のル・マン24時間にもこの3名の選手で参戦です
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KTMハマグチレーシング(#44 KTM HAMAGUCHI BAKUON RACING)は、世界初のKTM,RC8での耐久参戦を2年連続で果たしました。決勝はレース用アクスルシャフトが抜けなくなるトラブルにより、フロント周りをごっそり交換する作業で大きくタイムロスとなってしまいましたが、突然の雨に、元スーパーモタードチャンピオン大楽選手のハイペース走行など周りを驚かせるパフォーマンスもありました。KTMジャパンの野口社長が自身のフェイスブックに書いているように、レースパーツ以外のトラブルは全くなく、マフラーを換えただけのノーマルマシンのポテンシャルを実証できたレースとなったようです。またマンガ「ばくおん」とのコラボで痛車としても話題になりました。
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アジア選手権からの参戦は(#22 Honda Team Asia)アズラン、玉田、そして高橋裕紀組でしたが、玉田選手が予選時の転倒による怪我で欠場、決勝はアズラン選手と高橋選手ペアでの走行になりました。決勝グリッドには亀谷選手が玉やんのヘルメットを持ってきてくれました。9月1日に鈴鹿で行われるアジアロードレース選手権には、玉田選手は復帰するとのことなのでファンのみなさま是非!
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私も、そして大半の観客が注目していた、チームカガヤマ。
加賀山就臣、芳賀紀行、ケビン・シュワンツ組が見事表彰台を獲得でしたね。ユッキーが昨年からずっと打診していて、ケビンは参戦が決まってからというもの体力トレーニングやアメリカでレースに参戦したりと精力的に活動していたようです。8耐の事前テストでもチームカガヤマのピットにはファンや昔の関係者が絶え間なく訪れていました。ユッキーは去年の怪我の状態がよくなく、今シーズン開幕前にも膝の化膿で入院していて、杖を使わなければ歩けない状態でしたが、バイクに乗ったらそんなこと全く関係ないようなハイペースの走行。芳賀も初のスズキでのレースでしたが素晴らしい走りでした。
それぞれ、モンスターヤマハの中須賀選手、ウォータースとお昼の一番暑い時にずーっとテール・トゥ・ノーズの争いで白熱しました。ケビン選手は加賀山選手と芳賀選手のタイムがよかったので「オレが走らない方がいいんじゃないか?」などつぶやいていたらしいです。とても謙虚なケビンさん。結局午後の1回しか走らなかったのだけど、それでもケビン選手の存在感はありました。
ケビンさん、木曜の走行で逆バンクで転倒、翌日は芳賀紀行選手が同じ場所で転倒。チームスタッフは色々と忙しく寝られないウィークだったと思いますが、見事3位表彰台に上ることができたのもスタッフのみなさんのおかげです。
サーキットやテレビで観戦された皆さんお分かりだと思いますが、ケビン選手はみなさんがお持ちのレプリカヘルメットではなくて、友人であるウェイン・レイニーのヘルメットを被っての走行でした。「一緒に8耐を走りたい」とケビン選手たっての意向だったそうです(写真はあえて予選時のケビンヘルメットのものです。だって、私はやっぱりこっちが好き!)
全て出し切った加賀山選手は表彰台でギャン泣き。ところで表彰台はなぜユッキーとケビン選手だけ? とお思いの皆様。4スティントをハイペースで走り切った芳賀選手は疲労困憊して表彰台に登ることができなかったのです。
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8耐は、木曜日から取材が始まり、金曜はナイトプラクティス、土曜に、日曜はお客さんで混雑する前にサーキットに行き、朝のフリー走行から流れ作業のようにレースになだれ込みます。場合によっては水曜から移動したりとレース取材の中でも長丁場ですが、終わってみればあっというまの8時間。たくさんある8時間のドラマを撮り切るには身体が一個しかないのはつらい。それでもなるべくたくさんの人の心に残るような場面を撮っていきたいなと思います。
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