ヤマハ
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今後の「経営の方向性」「技術の方向性」「ヤマハらしいモノづくり」を説明した柳 弘之代表取締役社長。「経営の方向性」のうち経営戦略では、「■お客様の期待を超える」として、モノ創りで輝くために、独創的コンセプト、卓越した性能・機能を実現する技術、洗練された躍動美を表現するデザイン、を挙げ、市場密着型マーケティングでお客様と強い絆を創る、新事業に挑戦する、の3点を強調。「■経営変革に挑戦し続ける」では、グローバル・コストダウンを拡大する構造改革をやり抜く、真のグローバル化を進める、としている。この他、「技術の方向性」、「高性能・軽量・低燃費」についても説明。今後のヤマハの進む道を示してくれた。 「広がるモビリティの世界 ~新しい乗り物の提案、挑戦~」と題して具体的な今後のモデルの一部を紹介してくれた滝沢正博常務執行役員 事業開発本部長。電動アシスト自転車(日本や欧州)や電動自転車(主に中国市場)、電動二輪車(台湾)これらSmart Power Vehicle(SPV)合わせてグローバル100万台へ挑戦すること、スマート・パワー技術を進化させること、Recreational Off-Highway Vehicle(ROV)の需要拡大の先駆者として市場プレゼンスを強化すること、新商品(VIKING)を投入、高精度の自律制御・位置制御機能を持つ無人モビリティシステム(Un-Manned System:UMS)のアプリケーション開発、顧客開拓、事業化を進めること、そしてLeaning Multi Wheel(LMW)により新しい面白さ、新しい顧客層を開拓すること、等を説明。

 このところニューモデルの話題が少なかった感のあるヤマハだが、いよいよ再攻勢が始まる。発表されている新中期経営計画によれば2013年から2015年までの3年間で、実に250のニューモデルが投入されるという。この数、RVやSPV(電動車)、マリンなども含めての数字だから、二輪はその約半分としても100機種を超えるニューモデルが続々と登場してくることになる。その口火を切ったのがMT-09であったり、SMAXというわけだ。

 二輪車のコア技術として紹介されたのは、高性能、軽量、低燃費の3項目。まず高性能のポイントでは、MotoGP技術のフィードバック、そしてクロスプレーンコンセプト、さらに車両制御技術。軽量化へのポイントでは、車両レイアウトの見直し、材料技術の追求、薄肉成形技術の確立。低燃費のポイントでは、次世代F.I.技術、高トルクハイギヤード、低ロス馬力、の3点を上げている。

 展示会場には、YZF-R1のクロスプレーンコンセプトを採用したクランクシャフトの実物や、MT-09の3気筒エンジンと一緒に、見慣れないツインエンジンが置かれていた。砂型ケースのいかにも試作エンジンという風貌のこのエンジンが、クロスプレーンコンセプトにより開発された新型ツインだった。これまでのツインでは定番の360度クランクや180度クランクとはまったく違う、90度、270度といった位相を持つ、ちょうどクロスプレーンコンセプト4気筒を半分に切ったクロスプレーンコンセプト2気筒だ。まだまだ本当に試作段階のようで、一切の詳細情報は無かったが、これもヤマハが進めるプラットフォーム戦略の一翼を担うようになることは間違いないだろう。

 低コストへの挑戦というのも目標として挙げられており、東南アジア向けモデルでも普及が急速に進んでいるF.I.を例として、現在の40%のコストダウンをさらに押し進めて、2014年度にはキャブレターの価格にほぼ近いところまでコストダウンを図ることを計画しているという。

 説明会の後半、滝沢正博事業開発本部長にバトンタッチして「新しい乗り物の提案・挑戦」と題して行われたプレゼンテーションでは、“サイド・バイ・サイド”と称される3人乗りの4輪マルチパーパスモデル、VIKINGが紹介された。

 Recreation Off-Highway Vehicle(ROV)として、すでに5月11日から海外で発売されている新製品だが、F.I.採用686ccエンジンを最大積載量270kgを誇る軽量シャシーに搭載。優れたハンドリングや悪路走破性で早くも人気を獲得しつつあるという。いわゆるATVの世界ではバイクテイストのタンデムシートスタイルから、サイド・バイ・サイドと呼ばれるクルマ的な横並びのシートを持つコクピット、使い勝手を前提としたモデルへと需要は変化してきているという。このVIKINGでも横に3名が乗車でき、農業分野やオフロードでの実用性はもちろん、スポーツやレジャーユースにも対応できるマルチパーパスぶりが高く評価されている。

 そしてラストが二輪ファン注目のニュービークル、Leaning Multi Wheel(LMW)と呼ばれる前2輪、後1輪の3輪を備えたコミューターだった。3輪コンセプト自体は、今やさほど珍しくはなくなっているが、ヤマハのチャレンジは、この3輪ビークルをファン領域、スポーツ領域も楽しむモデルとして開発していることだろう。前2輪で安定性を確保。そしてリーニング・メカニズムと合わせて優れたハンドリングを生み出しているという。こちらも詳細はまだ発表されていないが、二輪のスポーツ性を損なわずに、転倒等の危険性を軽減することで、新たなユーザー層にもアピールしていきたいという。

 ちょっと気が早いが、今年の東京モーターショーではこれらの技術を元にしたニューモデル群が登場する予定というから大いに期待したい。また、MT-09を基本モデルとしてプラットフォーム化したバリエーションモデル等も開発中だ。いよいよ眠れるヤマハが覚醒してくれた、という期待も込めて今後のヤマハの動きに注目したい。

Leaning Multi Wheel(LMW)と呼ばれる前2輪、後1輪の3輪を備えたコミューター。その名の通り「リーン(傾く)」する3輪車。コンセプト自体は、ヨーロッパメーカーなどから実際に製品も発売されており、さほど珍しい存在とは言えないが、ヤマハのLMWは、3輪ビークルでファン領域、スポーツ領域も楽しむモデルとして開発しているということ。
MotoGPマシンのYZR-M1、そしてスーパー・スポーツYZF-R1に搭載されたクロスプレーン技術、そのクロスプレーン技術を元にしたクロスプレーンコンセプトによってツインエンジンも開発されていた。MT-09の3気筒に続くクロスプレーンコンセプト・エンジン第三弾だ。写真でも分かるとおり試作段階で、今後も中身、外観ともに変化していくはずだが、ヤマハの提唱するプラットフォーム戦略の重要な一角を担う存在となることは間違いないだろう。上右端写真の手前はYZF-R1のクランクシャフト(ピストンの上下位置に注目)その奥がMT-09のクロスプレーンコンセプト3気筒、そして一番奥がクロスプレーンコンセプト2気筒。(※写真の上でクリックすると大きな画像が見られます)
「優れたマルチパーパス・マルチパッセンジャーモデル コア市場へ新商品を投入する」と説明されたRecreational Off-Highway Vehicle(ROV)のVIKING。ことし6月に海外で発売されたばかり。2003年発売のRHINO(ライノ)のフルモデルチェンジ版ともいえる。全速度域で力強い686cc、F.I.エンジン、最大270kgの積載量を持つシャシー、優れた悪路走破性、ハンドリングを実現、3人乗車可能セパレートシートの採用など。 ニューカラー&グラフィックをまとったYZF-R15をはじめとする、アジアン市場向けのスポーツモデルたち。日本国内と違ってアジア諸国でのスポーツモデル需要は立ち上がったばかり。これからの発展に期待。
中国での電動自転車市場はなんと3,000万台なのだとか。台湾では電動二輪車市場へグローバルEVモデルを展開、実用性と価格を両立。欧州と日本国内は電動アシスト自転車を導入。国内での完成車シェアは30%以上で、今後さらに高機能モデルの導入、顧客ターゲットの拡大を行っていくという。 ヤマハの得意分野のひとつがUn-Manned System(UMS)と呼ばれる高精度の自律制御・位置制御機能を持つ無人モビリティシステム。農薬散布に活躍する無人小型ヘリコプターなどはおなじみだろう。1989年の初代からすでに第4世代に発展しているという。また空だけでなく、無人ボート(東日本大地震で調査活動を行った)、無人走行車(アプリケーション開発段階とか)など今後の市場拡大が期待される分野だ。


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