今回、一斉に発表された5台の原二の中でも、グロムは一際注目を集めているようです。私、個人的にはさほど気にならなかったのですが、いざ乗ってみると、印象はガラッと変わりました。はじめに申しますが、今回の5台の中で一番面白かったっス! 前後に12インチタイヤを履くなど、見た目はエイプと相通ずる、いわゆる“ミニバイク”ですが、グロムはモダンなデザインが目を惹きます。またバックボーン・フレームにカブやモンキーでお馴染みの“横型”エンジンを搭載するなど、基本構造も異なります。さらに、倒立フォークや前後ディスクブレーキを装備するといった本格派。 |
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こちらで動画が見られない方、もっと大きな映像で楽しみたい方は、YOUTUBEのサイト「http://youtu.be/VDB13SgJlD0」で直接ご覧ください。 | ||
まず感じたのは、原付二種枠上限の排気量をもつエンジンのトルク感! 車体が小さく重量も軽めということもあり、発進からとても力強いのです。最初、足まわりの本格装備とは対照的に、4速ミッションってどうなのよ? と思いましたが、こりゃストリートでは4速で十分なんでしょうね。おそらくサーキットを走りたい人には、4miniパーツメーカーからいずれ5速ミッションキットなんて出てくるでしょうし。 足まわりや車体もしっかりしてます。試乗した場所がクローズドで広かったこともあり、思わずジャックナイフをやってしまいました。車体の小ささのおかげで、私のようなヘボ・ライダーでもなんだかとっても操りやすい、つまり、ものズゴく愉快なんです。ホイールベースが短いのでウィリーとかもやりやすいでしょうね。 オーバーハングが切り詰められたリアセクションにアップマフラーのスタイルが個人的にGoodだと思います。それでいて2名乗車も可能としているところがイイ! グロムのような小さなバイクで二人乗りはちょっとキツイかも……、いや、確実にキツイでしょう。でも、そこがいいと思うんです。大の大人が小さなバイクに二人乗りって可笑しいし、そんな姿を見た街の人々の心も和ませてくれるような気がします。 女性同士のタンデムもカッコイイと思うし、親子タンデムなんてのもいいですね。エンジンにトルクがあるので、想像以上にイイ走りをすると思います。まずは若い世代に積極的に乗ってもらって、「ああ、バイクって楽しそうだな」って思わせてもらいたいですね。 私個人的には窪田正孝さんの「バイクが、好きだ。」CMのように、初めて女の子とタンデムした時のドキドキ感を、グロムでまた味わってみたいと思ってしまいました! |
ライダーの身長は173cm。180cmを超える人は足の曲がりが窮屈に感じるかもしれません。 |
■グロム 主要諸元
■型式:EBJ-JC61■全長×全幅×全高:1,760 ×755×1,010mm■ホイールベース:1,200 mm■最低地上高:160 mm■シート高:750 mm■燃料消費率:63.2 km/L(60km/h定地走行テスト値)■最小回転半径:1.9 m■車両重量:102 kg■燃料タンク容量:5.5 L■エンジン種類:空冷4ストロークOHC単気筒■総排気量:124 cm3 ■ボア×ストローク:52.4×57.9 mm■圧縮比:9.3■燃料供給装置:PGM-FI■点火方式:フルトランジスタ式バッテリー点火■始動方式:セルフ式■最高出力:7.2 kw[9.8 PS]/7,000 rpm■最大トルク:11 N・m [1.1 kgf・m]/5,250 rpm■変速機形式:常時噛合式4段リターン■フレーム形式:バックボーン■ブレーキ(前/後):油圧式ディスク/油圧式ディスク■タイヤ(前/後):120/70-12 51L / 130/70-12 56L■車体色:パールクィーンビーイエロー、パールバレンタインレッド、アステロイドブラックメタリック■メーカー希望小売価格:309,750円 |