西村 章
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スポーツ誌や一般誌、二輪誌はもちろん、通信社、はては欧州のバイク誌等にも幅広くMotoGP関連記事を寄稿するジャーナリスト。訳書に『バレンティーノ・ロッシ自叙伝』『MotoGPパフォーマンスライディングテクニック』等。第17回小学館ノンフィクション大賞優秀賞と、2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞した『最後の王者 MotoGPライダー・青山博一の軌跡』は小学館から絶賛発売中(1680円)。 twitterアカウントは@akyranishimura |
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みなさんご無沙汰しています。ノマドワーカーのにしむらみふゆです。さて、2013年のMotoGPプレシーズンテストが2月5日から7日の三日間、恒例のマレーシア・セパンサーキットで行われた。今回のテストは、大方の予想どおりダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)とホルヘ・ロレンソ(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)が頭ひとつ抜けたパフォーマンスを披露した。 |
MotoGP8年目。今年こそ悲願達成なるか!? |
狙うは連覇。高水準の走りを今回も披露。 |
この両選手以上に今回のテストで注目を集めていたのは、ヤマハファクトリーに復帰した33歳のバレンティーノ・ロッシとレプソル・ホンダ入りを果たした19歳のマルク・マルケス。ロッシは2011年にドゥカティへ移籍し、昨年までの二年間は過去にない苦戦が続いた。自分は終わってしまったのだろうか、という若干の不安も抱いていたようだ。今回のテストでペドロサ、ロレンソに匹敵するパフォーマンスを発揮できてまずはひと安心、といった様子。だが、そこから先のレベルで、はたして彼ら二名と真っ向から激突する互角の勝負を繰り広げられるかどうか、ということに関しては、けっして安堵ばかりしているわけでもなさそうだ。 |
復活に向けて着実に本来の姿を取り戻しつつある。 |
恐るべき19歳。「アンファン・テリブル」ってやつですか。 |
CRT勢のアヴィンティア・ブルセンスで新たな挑戦を開始する日本人選手、青山博一は、テスト直前に左手首を負傷したため、充分に満足なテストとはいかなかったようだ。それでもある程度の大きなメニューを消化し、車体まわりの大きな部品やエンジンブレーキなどについてチェックを行って、方向性の確認を進めていった。 |
万全な状態でベースセットアップを着実に積み上げてゆきたい。 |
最後に短めの話題を数点。すでに各所でも話題となっているとおり、ホンダは2014年に向けてMotoGP用の量産レーサーマシン開発を進めている。中本修平HRC副社長の話では、エンジンバルブはニューマチックではなく金属スプリング、電子制御はマニエティ・マレッリ社の共通ECU(=燃料容量は24L)を使用。トランスミッションはRCVのシームレスではないスタンダード品で、100万ユーロの価格で5台程度の販売を想定しているようだ。エンジンは現在ベンチテストで車体は鋭意開発中、という段階なので、シーズン半ばの合同テストでお披露目できるかどうかは微妙なところだが、最終戦バレンシアGP後の合同テストでは、おそらくその姿を見ることができるのではないだろうか。 |
量産レーサー、そしてマルケスについて質問が集中した。 | 今年はタイトルスポンサーが変更になった。 | 今季こそ初表彰台なるか!? | ||
ドゥカティへ移籍。心機一転? | ヤマハはご存知吉川和多留と中須賀克行。 |
ホンダからは秋吉耕佑と高橋巧がテストに参加。 | 悩みは深いのです。 |
※第17回小学館ノンフィクション大賞優秀賞と、2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞した西村 章さんの著書「最後の王者 MotoGPライダー 青山博一の軌跡」(小学館 1680円)は好評発売中。西村さんの発刊記念インタビューも引き続き掲載中です。どうぞご覧ください。 ※話題の書籍「IL CAPOLAVORO」の日本語版「バレンティーノ・ロッシ 使命〜最速最強のストーリー〜」(ウィック・ビジュアル・ビューロウ 1995円)は西村さんが翻訳を担当。ヤマハ移籍、常勝、そしてドゥカティへの電撃移籍の舞台裏などバレンティーノ・ロッシファンならずとも必見。好評発売中です。電子書籍化もされました。Amazon Kindle Storeや各電子書籍サイトで購入できます。 |
2013 MotoGP暫定エントリーリスト
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No. | ライダー | チーム名 | 車両 | |||||
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#4 | Andrea Dovizioso | Ducati Team | DUCATI | |||||
#5 | Colin Edwards | NGM Mobile Forward Racing | FTR-Kawasaki(CRT) | |||||
#6 | Stefan Bradl | LCR Honda MotoGP | HONDA | |||||
#7 | 青山博一 | Avintia Blusens | FTR(CRT) | |||||
#8 | Hector Barbera | Avintia Blusens | FTR(CRT) | |||||
#9 | Danilo Petrucci | Came IodaRacing Project | Ioda-Suter(CRT) | |||||
#11 | Ben Spies | Pramac Racing Team | DUCATI | |||||
#14 | Randy De Puniet | Power Electronics Aspar | ART(CRT) | |||||
#17 | Karel Abraham | Cardion AB Motoracing | ART(CRT) | |||||
#19 | Alvaro Bautista | Go & Fun Honda Gresini | HONDA | |||||
#26 | Dani Pedrosa | Repsol Honda Team | HONDA | |||||
#29 | Andrea Iannone | Pramac Racing Team | DUCATI | |||||
#35 | Cal Crutchlow | Monster Yamaha Tech 3 | YAMAHA | |||||
#38 | Bradley Smith | Monster Yamaha Tech 3 | YAMAHA | |||||
#41 | Aleix Espargaro | Power Electronics Aspar | ART(CRT) | |||||
#46 | Valentino Rossi | Yamaha Factory Racing | YAMAHA | |||||
#67 | Bryan Staring | Go & Fun Honda Gresini | FTR-HONDA(CRT) | |||||
#68 | Yonny Hernandez | Paul Bird Motorsport | ART(CRT) | |||||
#69 | Nicky Hayden | Ducati Team | DUCATI | |||||
#70 | Michael Laverty | Paul Bird Motorsport | PBM(CRT) | |||||
#71 | Claudio Corti | NGM Mobile Forward Racing | FTR-Kawasaki(CRT) | |||||
#93 | Marc Marquez | Repsol Honda Team | HONDA | |||||
#99 | Jorge Lorenzo | Yamaha Factory Racing | YAMAHA | |||||
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