2012年10月2日
■停電時にガスで電源を確保するホンダの2つの新製品
未曾有の大災害となってしまった東日本大震災は言うに及ばず、昨今は台風や集中豪雨、竜巻などの自然災害に伴う停電がいつ起きても不思議ではないし、電力不足による計画停電も記憶に新しい。
我が国ではついこの前まで、電気は安定供給されるのが当たり前だったのだが……
2003年ホンダは、ガスにより発電しその排熱を利用し給湯する家庭用ガスエンジンコージェネレーションを世界で初めて量産化したが、今回新たに発売されるのは、そのユニットに停電時でも電源と給湯を確保する自立運転機能を追加した。
従来モデルは停電時の使用ができなかったが、この新システム「MCHP1.0R」では、停電時に①コンセントの差し替え②スイッチの切り換え③リコイルスターターによるエンジン始動という簡単な操作で、最大合計980wの電気供給と給湯が可能になった。
ガスも水道が遮断されるような状態になってしまうと発電も給湯もできないが(断水時ならば発電のみ可能)、一般的な停電時の電源確保はいうまでもなく、普段の日常生活時にはエネルギー利用率92パーセントという高効率な発電、給湯、暖房用として使用し、光熱費やCo2が削減できるので、日常使用でのメリットも大きい。
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コージェネユニット(左)と給湯暖房ユニット(右)を組み合わせ「エコウィル」のブランドで販売される。 | 停電時、エンジンの起動はひもを引っ張るリコイルスターター方式。それほど力を入れなくてもスタートできる。 |
もうひとつの新技術は、低圧LPガスを燃料とした小型発電機「EU9iGP」。
これは東日本大震災時に1000台のガソリンエンジン発電機を提供したホンダに寄せられた「非常時に入手しにくいガソリンではなく、LPガスを使った発電機があれば」という要望に応えたもので、一般家庭にあるLPガスシステムに専用のガス供給ボックスを追加し、そこからホースを発電機に接続して供給される低圧LPガスによって発電する小型発電機。
一般的なガソリンエンジンの発電機と同様にコンパクトサイズで、-15℃の低温環境でも使用可能。また、正弦波インバーターにより安定した高品質な電源なので、パソコンやなどの電子機器用としても使用できる。本体の価格は199500円。
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発電機を入れる防音ボックスも同時発売。吸音材と防音構造により、約10dBの騒音を低減。実際に体感するとほぼ半分になったような静かさで、夜間でも心配なく使用できそう。スライド方式なので出し入れもスムーズ。99750円 | 追加工事は一般家庭にあるLPガス配管の途中に専用のガス供給ボックスを追加するだけ。専用ガス供給ボックスは230790円~(工事費用は別途)。 |
●問い合わせ
本田技研工業株式会社 日本営業本部 汎用パワープロダクツ営業部エネルギー事業推進室
TEL048-452-0312