2019年5月8日 

■二輪車事故を防ぐ安全運転支援システムの公道試験、日本でも

 ボッシュ(BOSCH)は1995年に第一世代の二輪車用ABSを市場に投入、その後も20年以上に渡って二輪車向け製品や技術を提供してきた。そして2020年の量産に向け、二輪車向け安全運転支援システム(アドバンスト ライダー アシスタンス システム)の公道試験が3月より日本でも行われている。警察組織に届け出が提出された二輪車向け安全運転支援システムの公道試験は日本初。

 今回の試験は、道幅が狭く、レーダーの検知に影響を及ぼす可能性がある遮音壁やガードレールなどの外乱が多いことなど、日本特有の道路交通環境にもとづいたシステムの開発により、日本の二輪車ユーザーにより安全で快適な運転環境を提供すること、またグローバルに事業を展開する車両メーカーの日本市場への対応をサポートすることが目的。東京都、神奈川県、栃木県の高速道路で行われる。

 アドバンスト ライダー アシスタンス システムは●交通の流れに合わせて車速を調整し、前走車との安全な距離を維持できる「ACC(アダプティブ クルーズ コント ロール)」●他の車両が危険なほど接近し、ライダーがその状況に何も対処しないことを検知すると、聴覚的、または視覚的な信号を通じてライダーに警告する「衝突予知警報」●レーダーセンサーにより、ライダーから見えづらい位置にある対象物を確認し、ライダーの死角に車両が来た際には、ミラーに視覚信号などを表示し警告する「死角検知」からなり、二輪車の安全性と走行快適性を向上させるというもの。レーダーにより二輪車が周辺の状況を正確に把握でき、ボッシュの事故調査報告によると、レーダーベースの安全運転支援システムの装備により、二輪車事故の7件に1件を防ぐことができたとされる。

 尚、ボッシュのアドバンスト ライダー アシスタンス システムは最初にドゥカティとKTMのモデルに搭載されることが決まっている。