第101回「驚ソ」
|
||
それはさておき、「永遠に君を愛する」とか「絶対に君を離さない」という意味の歌はごまんとあります。 理論の破綻や恥辱しつつ、どんどん話がそれるのはいつものことなので驚くこともないのですが、坂崎師匠のためになるすばらしいコラム、文春オンライン「東京でいま食べるべき『立ち食いそば』新メニューは“この2つ”」を読みはじめわずか9行目、我が目を疑いました。 それからしばらく後、実は、行列に並ぶのがめんどくさいというだけで、その後も行かなかったのですが、新橋で仕事の打ち合わせの後に「気になる店があるのですが、一人だと入りにくいんですよね。行ってみませんか?」という誘いを受けました。「ほう、どこですか?」「港屋というおそば屋さんなんです」「へえ〜、そうですか。そんなに行きたいんですか。それではしょうがないですね」と言いながらもこれ幸いと小躍りしながら向かいました。 昼時を外したとはいえそこそこの行列です。しかし回転がそこそこ早いので、数十分ほど待っただけでどきどきしながらついに入店です。薄暗い店内に入ると店員さんは親切で、一見の私でもまごつかないようにリードしてくれました。師匠のインタビューにもあるように厨房は菊池さんひとりですべてを仕切っていました。こんだけ行列ができるんですから、人に任せてまたは人を増やして、と思ったりするのですが、それは逆で人に任せないからこそ行列の絶えないクオリティを保てるということなのでしょう。ま、よくよく考えてみれば個人経営の立ち食いの場合は、ほとんどがこのスタイルでした。なるほど、いちいち勉強になりました。さすが行列が絶えないだけのことはありました。老舗名店の閉店が相次いでおりましたが、超人気店だけにまたいつでも食えるからと慢心しきって、結局食べたのはこの一度っきり。あー、こんなことなら……と、また後悔の重ね着です。 ちなみに師匠は、店主の菊地剛志さんと1時間におよぶ単独インタビューをされております。これを読めば「やはり思い込みだけで判断してはいかん」とすぐに改心すること間違いなし。今は幻立喰・ソになってしまった店内や、数々のインスパイア系を生み出したソの写真も掲載されておりますので、ぜひご一読を(と、前回に続きひとさまのふんどしをお借りして、たった一度しか行っていない私ごときがうだうだ書くのも申し訳ない超人気店ですが、幻立喰・ソ史に残すべきインパクトある名店ですから、ご了承いただければこれ幸いということで今月はおしまい。 |
||
|
|
|
立喰・ソとは思えない、ノルマンディ海岸に構築されたトーチカのような小さな窓があるだけで中の様子はわかりません。どうでもいいのですがトーチカってロシア語って知ってました?(2018年3月撮影) | よくよく見れば入口の横に小さくオシャレな表札状のものはありますが、看板もメニューも一切ないので、知らなければまさかここが立喰・ソだとは思わないでしょう。(2018年3月撮影) | |
|
|
|
行列する人のために電気ストーブ。さすがです。ちなみに店内は薄暗かったのでソの写真はありません。師匠のコラムでご覧くださいませ。(2018年12月撮影) | 閉店のお知らせまで港屋流。最後の最後までブレを知らない立喰・ソだったといことでしょう。おつかれさまでした。(2019年2月撮影) | |
|
||
●幻立喰NEWS2019 |
||
|
東急沿線で展開するしぶそば。蒲田店が50周年の記念イベントで、2019年1月27日にしぶそば特別列車が運行されたとか。抽選でわずか30名という超難関ですから、最初からあきらめておりました。だからというわけではありませんが、しぶそば蒲田店50周年? 私が知る限り、しぶそばになったのはつい最近(といっても10年以上前)。その前は二葉という幻立喰・ソでした(写真は2004年頃)。その時代も含めてということでしょうね。それはさておき、乗れたみなさんおめでとうございます。しぶそばグッズももらえたようで、よかったですね。 |
|