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4メーカー最後のQ4となったZXR250がカワサキから登場し、Q4レーサーレプリカが出揃った1989年も押し迫った12月、ネイキッドスタイルのバンディット250がスズキから登場した。1989年といえばポストレーサーレプリカの大本命となったゼファーが登場した年であり、時代の流れを見極めた迅速な対応は、さすがQ4に先鞭をつけたスズキだけのことはある。実は少し前の9月、新型フレームになったGSX-R250Rをベースにしたノンカウルバージョン、コブラを発売していたのだが、単にカウルを外して丸目ヘッドライトを装着したGSX-Rの廉価版というイメージは拭えなかった。しかしバンディット250はエンジンこそGSX-R250系であったが、先行発売された400同様、パイプフレームを新調しスタイルも一新。本格的な新世代ネイキッドQ4の第一弾であった。
翌年にはモーターショーに参考出品されたX913が、アクロスの名称で発売された。エンジンはGSX-R250がベースで、一見するとフルカウルのレーサーレプリカ風だが、従来のガソリンタンク部分を25リットルの大容量トランクスペースとし、電磁ロックによりワンタッチでオープンすることができるという、今までにはない革新的なQ4モデルであった。
1991年になると、あれほど隆盛を誇ったレーサーレプリカブームは急激に陰りをみせた。熱くなり過ぎたブームの反動は大きく、それまで最も重視された新機能やスペックの追求から一転し、空冷、2本サス、パイプハンドルなどオーソドックスなスタイルに人気が集まった。さすがにQ2クラスでは空冷エンジンの新調までには至らなかったが、2月にヤマハのジール、3月にホンダのジェイド、4月にはカワサキのバリオス、そして5月にはなんとGSX1100S KATANAのレプリカであるGSX250S KATANAと、ネイキッドのニューモデルが次々に登場した。GSX250Sはともかく、前年のアクロス、ジール、ジェイド、バリオスなどは、兄貴分である400が存在しない250専用のニューモデルであり、ある意味でQ4は黄金時代を迎えた。