2018年8月1日
■二輪車用パーキング・チケットで斜め駐車を検討…警視庁
二輪車用パーキング・チケット 、これまでの平行駐車から斜め駐車とすることで設置台数を増やすことが可能に。 |
警視庁が路上の側端に設置している二輪車用パーキング・チケットで、斜め駐車を検討していることが関係者への取材でわかった。
二輪車用パーキング・チケットと通常のパーキングの違いは、白線で囲われた駐車枠の大きさと利用料金だけで、駐車方法は乗用車など四輪車を止める場合と同じ。車道と歩道の境界に車体を平行して置くことを想定して白線が区切られている。これを斜め駐車に対応させるだけで、設置台数を2倍近くに増やすことができる。
これまでも斜め駐車のほうが、利用台数を増やせることはわかっていたが、越えられない課題があった。全国に先駆けて二輪車用パーキング・チケットを設置した警視庁でも、なかなか導入には踏み切れなかった。
斜めに駐車は平行駐車より、当然のことながら道幅を余分に必要とする。また、斜め駐車のままで乗車して再出発しようとすると、平行駐車の時より大きく振り向かなければならないため後方確認が不充分になり、事故の原因となるのではないか。そんなことが心配されたためだ。
背景には、今年4月の警察庁交通局が都道府県警察あてた「自動二輪車等に係る駐車環境の整備の推進について」という通達が影響しているようだ。通達には2つの大きな柱がある。斜め駐車にも関係するのは、都道府県警察に対して全国的に不足する既存の駐車場に二輪車の受け入れを働きかけることを要請している点だ。これが警視庁の決断を加速させた。
斜め駐車で台数を増やすことで早急な対策を打ち出し、不足する駐車場を警視庁自らが増やす好事例となる。
都内では、表参道(港区北青山3)、中央区銀座8丁目、台東区上野7丁目の3か所で合計44台分が稼働中だ。これまでも警視庁は利用料金を1時間300円から100円に値下げするなど使いやすくしてきたが、台数そのものを増やすことに踏み切るのは6年ぶりのことだ。
斜め駐車できる二輪車用パーキング・チケットは、この秋にも登場しそうな気配だ。
(レポート:中島みなみ)