TRACER900 ABS/TRACER900 GT ABS 1,112,400円/1,198,800円(4月20日/6月15日発売)

★ヤマハ TRACER900 ABS/TRACER900 GT ABS 車両解説

MT-09 TRACERがマイナーチェンジ、同時に上級バージョンの「GT」を発売

新時代の“MT”シリーズとして開発された“MT-09”。水冷3気筒、846cc、DOHC4バルブF.I.エンジンを搭載する「ネイキッドとスーパーモタードの異種交配造形による個性的なデザイン」を持つマシンとして、2014年4月に発売が開始されている。後を追うように8月発売に発売されたツインエンジン搭載の弟分、MT-07とともにクラスのトップを争う人気を集めることに成功した。ヤマハらしい先進的なデザインはもちろんだが、新世代のMTシリーズのエンジンは、MotoGPマシン“YZR-M1”のヒューマンフレンドリーなハイテク技術“クロスプレーン・コンセプト”に基づいて開発された、扱いやすいハイパワーというのも人気の一因だろう。

車体は、アルミダイキャスト製ダイヤモンドタイプフレームで、外側締結リアアームの採用など、最新テクノロジーを導入することで市街地での楽しい走りを狙いとした方向で開発されている。YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)およびD-MODE、マスの集中に貢献する一体成型のエキゾーストパイプ&サイレンサー、アルミテーパーハンドル、ラジアルマウント式フロントブレーキキャリパー、アルミ鍛造ブレーキ&シフトペダルなどを採用。そしてなにより極めつけは、188kgというMT-09の装備重量が性格のすべてを物語っていると言えるのでは。

その人気のMT-09シリーズに、2015年2月にラインナップに加わったのがMT-09 TRACER ABSだ。最大の特徴はレイヤー構造を取り入れたフロントカウルで、ロングツーリング指向のオンオフ寄りのイメージをさらに強めたデザインを採用。標準装備のハンドルカバーの造形などとともにツーリング時の快適性の向上を図っている。好みによりハンドル、シート、フロントスクリーンの調整が可能で、視認性の高い多機能メーターパネルや、十分な配光特性を備えたフルLEDヘッドライト、そしてトラクションコントロールの採用などなど、快適な“アドベンチャーツーリング”性能を備えている。

ちなみに、このMT-09 TRACERは、ヤマハが2013年から進めている“中期経営計画”のなかで、二輪車事業の新たな取り組みとして“基本プラットフォームをベースにしたバリエーション展開の拡大”を狙ったモデルの第一弾でもあるという。

2016年4月には、このMT-09 TRACER ABSにブルーとガンメタを組み合わせた最近のヤマハテーマカラーといえる新色「ダークブルーイッシュグレーメタリック8」が設定されている。

2017年の2月には初のマイナーチェンジとして、A&S(アシスト&スリッパー)クラッチの採用とともに新色が設定された。また、TCS(トラクション・コントロール・システム)も従来のオン・オフのみの選択から、オンの“1(弱)”“2(強)”そして“オフ”が選べる2モード選択式が新たに採用されている。

今回、このTRACERが2018年モデルとなるにあたって、より快適な乗り心地とツーリング機能の強化が行われた。具体的には、フロントスクリーンをリデザイン、新設計ハンドルバー、ブラッシュガードの採用、前後シートの再開発、サイドケース用マウントの設定、60mm延長でトラクションアップさせた新型リアアームなど。また2018年モデルでは車名から「MT-09」が外され単純に「TRACER900」とされた。

もう一つのトピックスは、このマイナーチェンジに合わせて、上級バリエーションの「GT」がラインナップされたことがあげられる。2018年型のTRACER900をベースに、アジャスタブルフロントフォークの採用、プリロード調整が可能なリモート操作機構を採用したリアサスの採用、フルカラーTFT液晶マルチファンクションディスプレイを採用、クルーズコントロールシステムの導入、グリップウォーマーの装備などが行われている。こちらTRACER900 GT ABSは若干発売が遅れて6月15日発売の予定。

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TRACER900 ABS。2色の設定。「マットダークグレーメタリック6」(マットダークグレー)。
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TRACER900 ABS。「ブルーイッシュグレーソリッド4」(グレー)。
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TRACER GT ABS。3色の設定。「ブラックメタリックX」(ブラック)。
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TRACER GT ABS。「ブルーイッシュグレーソリッド4」(グレー)。
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TRACER GT ABS。「マットダークパープリッシュブルーメタリック1」(マットダークブルー)。

★YAMAHA プレスリリースより (2018年3月13日)

上級仕様の「TRACER900 GT ABS」も追加設定
スポーツツーリング「TRACER900 ABS」2018年モデルを発売

ヤマハ発動機株式会社は、水冷直列3気筒845cm3エンジンを搭載したスポーツツーリングモデル「MT-09 TRACER ABS」をマイナーチェンジし、4月20日より「TRACER900 ABS」を発売します。また、上級バリエーションとして走行性能や装備充実を図った「TRACER900 GT ABS」を追加設定し、6月15日より発売します。

マイナーチェンジを行った「TRACER900 ABS」は、“Two Sides of the Same Coin:Sports and Travel”を開発コンセプトに、高いスポーツ性はそのままに、より快適な乗り心地とツーリング機能の強化を行いました。主な特徴は、1)形状変更/表面積の拡大により、高速走行などでライダーへの風の影響を抑える新型フロントスクリーンの装備、2)機敏な走行を支える新設計ハンドルバー/ブラッシュガードの装備、3)ツーリングモデルならではの快適性に貢献する新しい前後シートの設定、4)サイドケースの装着に配慮しながら、サイドカバー形状と調和したサイドケース用マウントの設定、5)60mm延長により、高速走行時、旋回時の優れたトラクションを支える新設計の高剛性リアアームの設定、6)優れた整流効果など快適なツーリング性能を生み出しながら、質感を高めた新しいスタイリング などです。

上級バリエーション「TRACER900 GT ABS」は標準モデルをベースに、1)サスペンション性能の向上および調整範囲を広げるフルアジャスタブルフロントフォークの搭載、2)ライダーの好みに合わせてプリロード調整可能なリモート操作機構採用のリアサスペンションの搭載、3)様々な情報を表示するフルカラーTFT液晶マルチファンクションディスプレイの採用、4)長距離走行の疲労を軽減し快適なライディングを支援するクルーズコントロールシステムの採用、5)グリップウォーマーの搭載 などにより、スポーツツーリング性能の充実を図りました。
 

<名称>
「TRACER900 ABS」
「TRACER900 GT ABS」
 
<発売日>
2018年4月20日
2018年6月15日
 
<メーカー希望小売価格>
1,112,400円 (本体価格1,030,000円/消費税82,400円)
1,198,800円 (本体価格1,110,000円/消費税88,800円)
※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれません。
 
<販売計画>
1.000台(シリーズ合計/年間、国内)
 
<カラーリング>
「TRACER900 ABS」
・マットダークグレーメタリック6(マットダークグレー)
・ブルーイッシュグレーソリッド4(グレー)
「TRACER900 GT ABS」
・ブラックメタリックX(ブラック)
・ブルーイッシュグレーソリッド4(グレー)
・マットダークパープリッシュブルーメタリック1(マットダークブルー)
 
「TRACER900 ABS」フィーチャーマップ ※印は「TRACER900 GT ABS」専用
※フルカラーTFT液晶メーターディスプレイ
・新設計ハンドルバー/ブラッシュガード
※グリップウォーマー
※クルーズコントロールシステム
・優れた防風効果を備える大型スクリーン
・新デザインフロント周り
※フルアジャスタブル機能(伸圧減衰)を追加したフロントサスペンション
・質感を向上させた外装パネル
※クイックシフトシステム(QSS)装備(シフトアップ側)
・快適性に優れた新デザイン前後シート
・サイドケースの装着に配慮しながらサイドカバー形状と調和したサイドケース用マウントの設定
※リモート操作式プリロード調整機能を追加したリアサスペンション
・新デザインのリアフットレスト&ブラケット
・60mm延長したリアアーム
 

 

★主要諸元

車名型式 2BL-RN51J
TRACER900 ABS〈TRACER900 GT ABS〉
発売日 2018年4月20日〈2018年6月15日〉
全長×全幅×全高(m) 2.160×0.850×1.375
軸距(m) 1.500
最低地上高(m) 0.135
シート高(m) 0.850
車両重量(kg) 214〈215〉
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L)※1 28.4(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2
19.7(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)※3
登坂能力(tanθ) -
最小回転半径(m) -
エンジン型式 N711E
水冷4ストローク直列3気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 845
内径×行程(mm) 78.0×59.0
圧縮比 11.5
最高出力(kW[PS]/rpm) 85[116]/10,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 87[8.9]/8,500
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 T.C.I.(トランジスタ式)式
潤滑油方式 ウェットサンプ
潤滑油容量(L) 3.4
燃料タンク容量(L) 18
クラッチ形式 湿式多板
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 2.666
2速 2.000
3速 1.619
4速 1.381
5速 1.190
6速 1.037
減速比1次/2次 1.680/2.812
キャスター(度) 24°00′
トレール(mm) 100
タイヤサイズ 120/70ZR17M/C 58W
180/55ZR17M/C 73W
ブレーキ形式 油圧式ダブルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム(リンク式)
フレーム形式 ダイヤモンド

※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
 ※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。
 ※3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。