2017年9月8日 

■MotoGP直系!? 新型パニガーレに搭載されるドゥカティ量産バイク初のV4エンジンを発表

 ドゥカティはロードレースの世界最高峰・MotoGPでライバルの上をいくパフォーマンスを発揮しているⅤ型4気筒のデスモセディチGPを元とし、11月5日にベールを脱ぐ新型パニガーレに搭載される新しい90°V4エンジンを開発。生産が間もなく開始されるという。MotoGP第13戦サンマリノGPの舞台となるミザノ・リビエラ・ディ・リミニで発表された。

 ドゥカティが量産バイクに搭載する初の4気筒となる「デスモセディチ・ストラダーレ」(Desmosedici Stradale)と名付けられた新型V4エンジンは、MotoGPでの経験、テクノロジー、キャラクターを惜しみなく投入。サーキット走行でその真価を発揮する一方、一般道におけるニーズも十分満たすよう設計される。中速域のトルクを最大化し、低回転域におけるトルクとパワーを向上させるため、排気量はMotoGP マシンのエンジンより拡大(1,000→1,103cc )。最高出力は155kW(210ps)以上/13,000rpm、 最大トルクは 120Nm(12.2Kgm)以上/8,750~12,250rpm を発揮し、排出ガスはユーロ4規制に適合させているという。

 また、スーパーバイク世界選手権(WSBK)に参戦するマシンのベースとして、排気量が1,000cc を若干下回る、より高回転型でサーキット走行に特化したRバージョンも開発中とのこと。このエンジンはドゥカティの伝統 に従い、ロードバージョンが発表された1年後の2019 年からWSBKへ参戦することになるという。


クラウデイオ・ドメニカーリCEO(ドゥカティ・モーター・ホールディング最高経営責任者)のコメント
「テクノロジーの芸術作品とも言うべきエンジンを発表できることを大変誇りに思います。今回の発表は、ドゥカティの歴史における新たな章の幕開けを告げると同時に、新製品を開発するために積極的かつ大規模な投資を行っているドゥカティの姿勢を強調するものです。

このエンジンは、ドゥカティ・コルセ とモーターサイクル開発グループの密接なコラボレーションの成果である同時に、モータースポーツのテクノロ ジーを非常に高いレベルで量産エンジンに適用可能であることを明確に示す好例でもあります。私たちはこのエンジンを搭載したニューモデル、新型パニガーレV4 を、11 月5日午後9時(中央ヨーロッパ標準時、日本時間 11 月6日午前5時)から開催される、ドゥカティ・ワールドプレミア2018 で発表します」

「デスモセディチ・ストラダーレ」主要技術データ
• 1,103cc、4 気筒、90°V 型エンジン
• ボア×ストローク:81×53.5mm
• 圧縮比:14.0:1
• 最高出力:155 kW(210ps)以上/13,000rpm
• 最大トルク:120Nm(12.2Kgm)以上/8,750~12,250rpm
• カウンター・ロテーティング(逆回転)・クランクシャフト
• ツインパルス点火シーケンス、クランクピン・オフセット:70°
• ユーロ 4 規制に適合
• デスモドロミック・ハイブリッド・チェーン駆動バルブ・タイミング・システム、デュアル・オーバーヘッド・カ ムシャフト(DOHC)、気筒あたり 4 バルブ
• 湿式多板アンチパター(スリッパー)/サーボ・クラッチ
• セミ・ドライサンプ潤滑システム、オイルポンプ×4(サプライ×1、リターン×3)
• 楕円スロットル・ボディ(52mm 径相当)×4、可変長インテーク・ファンネル
• 6 速ギアボックス、DQS(アップ/ダウン)
• バルブクリアランス調整・点検間隔(デスモサービス)/24,000km 毎
(諸元値はイタリア本国仕様)