XP500 TMAX 945,000円(3月14日発売)

★ヤマハ XP500 TMAX 車両解説

TMAXの国内ユーザー向けには2011年モデルをベースに“WHITEMAX”化した熟成版を投入

スタイルはスクーターに似ていながら、走行性能はスポーツ・モデル、というユニークな乗り物、「TMAX」が国内市場に導入されて12年になろとうしている(2001年8月に国内発売開始)。その後、他社からもオートマチックを組み合わせた“スポーツ・モデル”が誕生するなど、オートマチックの世界は徐々に広まってきてはいるが、それにしてもこの10数年で劇的な環境変化があったかと言えば、残念ながらスポーツ・モデルのオートマチック化はあくまでユニークな独自のモデルとしてしか認知されていないというのが現状だろう。

そんな世間の趨勢はともかく、この10余年でTMAXは熱烈なファンを着実に増やしてきたのは事実だ。オートマチックがどうのこうのではなく、「TMAXの姿、走り」そのものが支持されてきた証だ。支持されていればこその10余年。

TMAXの変遷の歴史をざっと振り返ると、2003年5月に“ブラックエディション”を追加、2004年9月(海外では2003年9月ミラノショーでデビュー、12月から発売)には、初のモデルチェンジを受け、F.I.(フューエルインジェクション)、φ41mmフロントフォーク、ラジアルタイヤなどを新たに装備。2005年9月には、特別カラーや、ツートーンシートなどの“スポーティ・ハイクラス”をイメージしたSPECIALモデルを発売。2006年2月、2007年2月には、それぞれカラーリング変更によるイヤーモデル。

さらに2008年7月発売(海外では2007年9月のパリショーでデビュー、2007年10月から発売)のモデルでは、ついに新設計フレームを採用、前後15インチ化、そしてキープコンセプトながらもデザイン一新などで“走りのパフォーマンス”と“クオリティ感”をより向上させた新型に発展している。

2009年11月には、TMAXの誕生10周年を記念した「TMAX 10th Annversary WHITEMAX」が発売されている。専用のホワイトカラーのボディに、コクピットへのカーボン柄水圧転写パーツの織り込み、ツートーンカラーホイール、ツートーンシート、専用エンブレムの採用などが行われたモデルだ。

最近では、2010年8月に新色のハイテックシルバーが追加され、2011年4月には車両用車体制振ダンパー“パフォーマンスダンパー”を海外でのオプション部品として設定。2011年7月には、ヤマハのロードレース世界選手権参戦50周年を記念した「TMAX WGP50thAnniversary Edition」を発売。おなじみのヤマハのレーシングイメージといえるスピードグラフィック外装、記念エンブレムなどを採用した限定仕様が発売されている。

ちなみにこの年のロードレース世界選手権、6月25日のオランダGPと7月24日のアメリカGPでは、懐かしいスピードグラフィック外装が与えられた特別カラーのYZR-M1が走っている。

昨年の秋には、フレームから前後サスに至るまで、すべてに渡って見直された新型TMAXが海外でデビューしたが、当面国内仕様が登場する予定はなさそう。ということで、国内仕様を望むユーザーに向けては継続モデルとなるXP500 TMAXがリリースされた。

2009年11月に発売されて人気を呼んだ“WHITEMAX”を彷彿させるモデルで、白の車体色に(黒ベースもラインアップ)ツートーンシートやシルバーアルマイトのブレーキキャリパーキャップ、ブロンズカラーのメーターパネルとホワイトLEDメーター、リム部を切削加工しツートーンカラー化した前後ホイールなどを採用している。

WHITEMAX”を彷彿させるブルーイッシュホワイトカクテル1(ホワイト)。
継続色のブラックメタリックX。

★YAMAHA プレスリリースより (2012年2月16日)

切削加工ホイールを採用するなど上質感を向上
「XP500 TMAX」
2012年モデルについて

ヤマハ発動機株式会社は、“オートマチック・スーパースポーツ”「XP500 TMAX」について上質感の向上を図り、2012年3月14日より発売します。

2012年モデルは、(1)前後ホイールリム部の切削加工(ツートーンカラー化)、(2)ブロンズカラーのメーターパネルとホワイトLEDメーター、(3)ツートーンシート(ホワイト車のみ)、(4)シルバーアルマイトのフロントブレーキキャリパーキャップ、などを採用し上質感の向上を図りました。カラーリングは「ブルーイッシュホワイトカクテル1」(ホワイト)を新たに設定、人気の「ブラックメタリックX」(ブラック)は継続設定としました。

名称
「XP500 TMAX」
発売日
2012年3月14日
メーカー希望小売価格
945,000円(本体価格900,000円、消費税45,000円)
※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれない。
カラーリング
■ブルーイッシュホワイトカクテル1(新色/ホワイト)
■ブラックメタリックX(ブラック)
販売計画
300台(年間、国内)
「XP500 TMAX」フィーチャーマップ
※ブロンズカラーのメーターパネルとホワイトLEDメーター
※リム部を切削加工した後にクリア塗装を施し上質感を持たせた前後ホイール
※シルバーアルマイトキャリパーキャップ
※ツートーンシート(ホワイト車のみ)
・アルミフレーム/リアフレーム(CFアルミダイキャスト)
・水冷DOHC直列2気筒往復バランサー内蔵エンジン
・滑らかな加速を引き出すCVT
・F.I.最適セッティング
・触媒採用マフラー、A.I.システム
※印は本モデルの新フィーチャー。他は従来からの継続のフィーチャー

★主要諸元

車名型式 EBL-SJ08J
XP500 TMAX
発売日 2012年3月14日
全長×全幅×全高(m) 2.195×0.775×1.445
軸距(m) 1.580
最低地上高(m) 0.125
シート高(m) 0.800
車両重量(kg) 222
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 2
燃費(km/L) 25(60km/h定地走行テスト値)
登坂能力(tanθ) -
最小回転半径(m) -
エンジン型式 J408E
水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 499
内径×行程(mm) 66.0×73.0
圧縮比 11.0
最高出力(kW[PS]/rpm) 28[38]/7,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 44[4.5]/5,500
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 T.C.I.式(フルトランジスタ)
潤滑油方式 強制圧送ドライサンプ
潤滑油容量(L) 3.6
燃料タンク容量(L) 15
クラッチ形式 湿式遠心多板式
変速機形式 Vベルト式自動
変速比 2.025~0.728
キャスター(度) 25°00′
トレール(mm) 92
タイヤサイズ 120/70-15M/C 56H
160/60-15M/C 67H
ブレーキ形式 油圧式ダブルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム
フレーム形式 ダイヤモンド