2016年11月8日
■中須賀が前人未踏の記録更新! 最高峰クラス5連覇&7度目のチャンピオンに
11月6日、鈴鹿サーキットで開催された2016年MFJ全日本ロードレース選手権の最終戦(第9戦)となる「第48回MFJ GP鈴鹿」。最高峰クラスのJSB1000ではボーナスポイントが与えられる2レース制で行われる。予選は全車出走のQ1でレース2のグリッドが、Q1上位10台が進出するQ2でレース1の上位10台のグリッドが決定する特別ルール。Q1では中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM )に0.023秒という僅差で津田拓也(ヨシムラスズキ)がレース2のポールポジションを奪取、中須賀の連続ポールポジション獲得を止めた。Q2では中須賀、レオン・ハスラム(TeamGREEN)、高橋巧(ハルク・プロ )の3人が2分05秒台の争いを展開。これを中須賀が制した。
決勝のレース1は8周という超スプリント。好スタートを切ったPPの中須賀と、ハスラム、渡辺一樹(TeamGREEN)のカワサキ勢による3台のテール・トゥ・ノーズで周回が続く。5周目の1コーナーでトップに立ったハスラムだが、7周目のシケインで再び中須賀がトップを奪い、追いすがるハスラムを抑えゴール。中須賀は昨年達成した全日本ロードレース史上初となる4連覇を更新、5年連続7度目のチャンピオンを獲得した。
20周で争われたレース2はオープニングラップの最終コーナーで多重クラッシュ、赤旗中断の波乱に。再レースでは中須賀、ハスラム、高橋巧、野左根航汰(YAMALUBE RACING TEAM )による神経戦が展開されるも、終盤に中須賀が一気にスパート。今シーズン7回目となる優勝を独走で飾り、 チャンピオンにふさわしい有終の美を飾った。
中須賀克行のコメント
「今大会は、レオンと清成龍一選手(Team KAGAYAMA)が参加したことで、僕を含めて全日本ライダーの意識が高まったと思う。レース1は、予想通り緊張から体が硬かったけど、レオンに抜かれてスイッチが入りました。レオンと僕の速いところと遅いところを見極めながら、いいレースになったし、久々に気持ちのいいトップバトルを楽しむことができました。レース2は、スタートで出遅れたけれど、レースを戦いながら思い通りにラップタイムを上げていき、作戦通りに勝つことができました。チャンピオンらしい戦いだったと思うし、今年最後のレースで勝てたことは良かったと思います。これで5年連続7回目のJSB1000チャンピオンなったけれど、これまでで一番緊張したのは3連覇のとき。過去、一度失敗しているし、もし失敗するとまた3連覇までに2年かかると思ったら緊張が高まったという記憶があります。4連覇の昨年は、誰も成し遂げていない記録だったので、チャレンジャー精神で戦うことができたし、今年は、昨年の延長で挑むことができた。YZF-R1は新型化されて2年目のシーズンですが、常にスタッフが最高の状態に仕上げてくれているし、当然、毎レース進化しています。来シーズンは、ライバルから新型マシンが出てきますが、さらに熟成を進め高いパフォーマンスと信頼性を磨けば十分に戦えると思っています。1年間、応援していただいたファン、スポンサー、スタッフには本当に感謝しているし、こうした応援にチャンピオン獲得という最高の形で恩返しできて僕自身、本当にうれしく思います」
吉川和多留監督のコメント
「決勝朝のフリー走行でマシンは仕上がったし、チームとしては自信を持って中須賀選手を送り出すことができました。そして中須賀選手は、しっかりとレースを組み立てて戦ってくれて、レース1、レース2ともに勝つことができ、同時にJSB1000で5連覇7回目のチャンピオンを獲得することができました。今シーズンを振り返ると、マシンに大きなトラブルはなく、中須賀選手もすばらしいパフォーマンスを発揮してくれました。岡山国際でのレース2は優勝こそ逃しましたが、あのコンディションを考えると、チャンピオン獲得においてとても意味のある3位になったと感じています。5連覇という偉業が達成できたのは、1年間、応援、そしてサポートしていただいたファンやスポンサー、関係者のみなさんのおかげです。本当にありがとうございました。これからもファクトリーチームの名に恥ない戦い、モータースポーツの発展に貢献できるレースをチーム一丸で目指していきますので、来シーズンもまた、多くの応援をお願いします」
MFJ GPはシーズンを締めくくるべく全クラスのレースを開催。J-GP2クラスは関口太郎(MISTRESA with HARC-PRO.) がポール・トゥ・フィニッシュを決めるも、全7戦中4勝を挙げた浦本修充(Team KAGAYAMA)がチャンピオンを獲得。ST600クラスは榎戸育寛 (MOTO BUM HONDA )が、J-GP3クラスはベテラン徳留真紀 (CLUB PLUSONE)がチャンピオンを獲得している。
J-GP2クラスチャンピオン:浦本修充+GSX-proto71 (Team KAGAYAMA) | ST600クラスチャンピオン:榎戸育寛+CBR600RR(MOTO BUM HONDA) | J-GP3クラスチャンピオン:徳留真紀+NSF250(CLUB PLUSONE) |
●2016全日本ロードレース選手権シリーズランキング(JP250はMFJカップシリーズ)
JSB1000クラス
1位 中須賀克行(ヤマハ)196 ポイント
2位 津田拓也(スズキ)149 ポイント
3位 高橋 巧(ホンダ)143 ポイント
J-GP2クラス
1位 浦本修充(スズキ)142.7 ポイント
2位 関口太郎(HARC-Pro)134ポイント
3位 水野 涼(HARC-Pro)99.7 ポイント
ST600クラス
1位 榎戸育寛(ホンダ)83ポイント
2位 チャロンポン・ポラマイ(ヤマハ)82ポイント
3位 名越哲平(ホンダ)79ポイント
J-GP3クラス
1位 徳留真紀(ホンダ)115 ポイント
2位 栗原佳祐(ホンダ)111 ポイント
3位 安村武志(HPRCS)98 ポイント
JP250(国際ライセンス)
1位 田中 歩(カワサキ)63 ポイント
2位 佐野優人(ホンダ)56ポイント
3位 南本宗一郎(ヤマハ)54 ポイント
JP250(国内ライセンス)
1位 笠井悠太(ホンダ)84 ポイント
2位 田中敬秀(ホンダ)57ポイント
3位 前田龍哉(ヤマハ)50 ポイント