2006年5月17日に開館したカワサキの陸海空の代表製品を見て、感じて、学べる、カワサキワールド。カワサキファンはもちろん、小中学生の社会科見学や修学旅行から外国人観光客まで、幅広い層が年間約20万人来館し、開館以来9年5ヶ月で累計200万人を突破した。そんな人気の企業ミュージアムが10年目のリニューアルオープン。そして、幻の三式戦復元プロジェクトも完了し、近隣施設でお披露目されたので、合わせてご紹介。 ●取材協力ーカワサキモータースジャパンhttp://www.kawasaki-motors.com |
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今年(2016年)開館10周年を迎えたカワサキワールド。9の展示ゾーン(創業者紹介コーナー、ヒストリーコーナー、カワサキワールドシアター、モーターサイクルギャラリー、陸のゾーン、海のゾーン、空のゾーン、地球環境コーナー、パフォーマンスロボット)のうち、カワサキワールドシアターと、我々にとって一番気になる注目ゾーンのモーターサイクルギャラリーの2つのゾーンのリニューアルが完了し、2016年10月14日から一般公開が開始された。 |
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神戸元町からもほど近く、ポートタワーに隣接する神戸海洋博物館内にあるカワサキワールド。開館時間は10~17時。毎週月曜休館(祝日の場合は翌日。入館料大人600円、小人(小中学生)250円(神戸海洋博物館の入館料が含まれる)。http://www.khi.co.jp/kawasakiworld/ | こちらで動画が見られない方は、YOUTUBEのサイトで直接ご覧ください。 |
お待ちかね、時代を彩ったエポックメイキングなレーサーと市販モデルが展示されるヘリテージコーナーだ。最初は我らが編集王(憶えていますか??)、中野真矢選手が2005年にライディングしたMotoGPマシンNinja ZX-RRと、コーク・バリントン選手が世界に挑戦したKR500の2台のライムグリーンWGPレーサー。この2台が並んで見られるとは、カワサキファンのみならずとも、涙があふれてきそう。 |
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Ninja ZX-RR(2005年) 20年ぶりにWGPへ復帰したカワサキは、2004年の日本GPで中野真矢選手が3位、2005年中国GPでオリビエ・ジャック選手が2位、2006年オランダGPで再び中野選手が2位と着実に進化したが、2009年シーズンを最後に撤退。ふたたびライムグリーンがWGPに復帰するのは? |
KR500(1982年) 水冷2ストローク2気筒エンジンをタンデム配置したスクエア4エンジンをアルミモノコックフレームに搭載し、1980年に登場した斬新なWGPレーサー。コーク・バリントンがライディングをした。詳細はライムグリーン伝説でどうぞ。 |
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125 B8(1964年) 1962年に川崎航空機が設計開発まで一貫して行った初の実用車。鋼板プレスバックボーンフレームに空冷2ストローク単気筒エンジンを搭載。実用車ながらポテンシャルは高く、市販モトクロッサー125 B8Mへ発展する。 |
125 B8M(1963年) 125 B8ベースのモトクロッサーで、初出場したMFJ兵庫県支部主催の第1回モトクロス大会で1~6位を独占。これがカワサキの初勝利となった。その後各地のレースで活躍し、赤タンクはカワサキのイメージなった。 |
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AVENGER A7(1968年) 空冷2ストローク2気筒ロータリーディスクバルブエンジンの快速モーターサイクルとして人気の高かったA1の排気量を338ccにアップした兄弟車がA7。北米ではアベンジャー(復讐者)の愛称で販売された。詳細はBIG2スト大全で。 |
A7RS(1969年) 「サムライ」の愛称で呼ばれたA1ベースのレーサーA1Rのボアを拡大したGP350クラス用のレーサー。初代A7Rは1967年シンガポールGPで1、2フィニッシュ、1968年のクアラルンプール、シンガポールGPで優勝。展示車は改良型のRS。1969年デイトナ200マイルからライムグリーンが採用された。 |
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750SS マッハ4(1974年) 量産車で世界最高の加速性能発揮を目標に開発され、1971年に誕生した空冷3気筒2ストロークエンジンを搭載するマッハシリーズのフラッグシップモデル。1974年モデルのH2Bは各部を改良。詳細はBIG2スト大全で。 |
H2R(1972年) AMAのデイトナ200F750クラスに参戦するために製作された、750SSのエンジンをチューニングし、市販レーサーH1R(500cc)のフレームに搭載したモンスターマシン。 |
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KZ1000R(1982年) エディ・ローソンが1981年にAMAスーパーバイクでチャンピオンを獲得した記念に製作された市販車。KZ1000Jがベースでビキニカウル、カーカーマフラー、3段オイルクーラー、リザーバータンク付きリアショックなどでKZ1000S風に。 |
KZ1000S(1982年) KZ1000Jをベースに製作されたAMAスーパーバイク仕様の市販レーサー。ツインプラグ、CRキャブ、カーカーマフラー、スタビライザー付きの通称S1スイングアームなどを装備。 |
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ZXR750(1993年) カワサキ初の本格的ナナハンレプリカとなる初代ZXR750は1989年に登場。1991年新エンジンと倒立フォークを採用し、この1993年モデルではカウル前面からエアを吸入するK-RASを採用するなど着実に進化した。 |
ZXR-7(1993年) 1993年の鈴鹿8耐でスコット・ラッセルとアーロン・スライト組が見事優勝を飾ったのが、通称「伊藤ハムカラー」と呼ばれるこのマシン。ZXR400をベースにこのカラーリングを施したモデルが350台限定で発売された。 |
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KX450F(2014年) AMAスーパークロス選手権で2011年から2014年まで4年連続チャンピオンを獲得したのライアン・ビロボート。市販モトクロッサーKX450Fをベースにしたこのマシンは2014年のチャンピオンマシン。 |
Ninja ZX-10R(2015年) 2015年のスーパーバイク世界選手権で14勝を挙げると共に、開幕戦から20戦連続表彰台獲得という圧倒的な強さでチャンピオンを獲得したジョナサン・レイとZX-10R。 |
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カワサキワールドからそれほど離れていない神戸ポートターミナルにて、川崎重工創立120周年記念展-世界最速にかけた誇り高き情熱-が2016年10月15日から11月3日まで開催され、復元された三式戦飛燕をメインとした展示が行われた。 |
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展示は神戸ポートターミナルにて、2016年10月15日から11月3日まで開催(10月18、19日は休館)。時間は10~17時。入場無料。 | こちらで動画が見られない方は、YOUTUBEのサイトで直接ご覧ください。 | |
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修復プロジェクトを統括した野久徹氏によれば、そこまでやらなくてもいいと言うよりは、予算もあるのでやるなと言ったのに、当時のサイズ、ピッチでボルト、ナットも600本も製作してしまった(笑)とのこと。そこまでやってしまう、やらなければ気が済まない好き者だからこそ、感性に訴えかけるものを産み出す原動力になることは間違いない。今後のカワサキに大いに期待だ! | 知覧に展示されていた時の迷彩塗装は、調査の結果この試作17号機には採用されていないノンオリジナルであると判明したため、丁寧に塗装をはがした所、塗装の下から当時書かれた機体番号や日の丸の跡も発見された。現在機体にある日の丸や黄色の敵味方識別は塗装ではなく簡単にはがすことが出来るカッティングシートで仮の再現(もちろん色は忠実に再現されているそうだ)。 | |
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ダイムラー・ベンツ製のV型12気筒エンジンDB601をライセンス生産したハ40を、さらにパワーアップしたのがⅡ型に搭載されたハ140。生産には高い技術が要求されたが、工業技術が低いうえに頼みの熟練工を兵隊に取られた状態では生産もままならず、エンジン待ちの機体が岐阜工場の周辺にずらり並んだ。この機体にとりあえず空冷エンジンを搭載して急遽生産された陸軍最後の正式戦闘機となる五式戦は現場で高い評価を受けたのだか、もしエンジンさえまともに作ることが出来たら……。 | 詳細な調査の結果、コクピットの計器もほんの一部を除いて、米軍の地上訓練用のものが取り付けられていた。そのためプロジェクトの協力者からの譲渡やネットオークションでの購入を行い、どうしても入手できなかった計器については、英国に残されている兄弟機五式戦の計器を詳細に取材し、精密なレプリカを製作して復元。またネジやナット、銘板についても詳細に調査した結果に基づき、忠実に再現されている。 | |
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ハ140エンジンの指している部分に過給器が取り付けられていたはずだが、過給器本体は失われていた。そこであらゆる方面に呼びかけ情報収集や調査を行い、そのデータを元に三次元設計により見事、幻の過給器を再現した(写真右は実物大のモックアップ)。ちなみにこの作業を担当したのは明石工場の修復チームHaRET(Ha140 Reverse Engineering Team)で、H2/H2Rのスーパーチャージャーを担当した方も参加しているそうだ。 | ||
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カワサキ唯一のターボチャージャー付きのバイクとして1984年に登場した750TURBOの実車とタービン、H2/H2Rも合わせて展示されている。 | ||
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スーベニアショップも特設されており、飛燕オリジナルグッズを始め飛行機関連のグッズが各種販売されている。 |