第1回 RIDE AFRICA TWINリポート 乗る、知る、出会う──。笑顔の冒険、始まる。

ライドアフリカツイン実行委員会

「ユーザーとユーザー、ユーザーと造り手を仲間として結ぶ場の共有」をコンセプトにこの9月4日、群馬県の北軽井沢に位置する浅間火山レース跡地を舞台に行われたアフリカツインのファンイベント、『RIDE AFRICA TWIN ASAMA BIVOUAC MEETING』。新型アフリカツインのオーナー、歴代アフリカツインのユーザーはもちろん、アフリカツインのファン、そしてアドベンチャーバイクに関心を持つ総勢95名のライダーが参加した。

 終日雨という予報にもめげず、熱心なファンを始め『日刊アフリカツイン』という20年の歴史を持つファンサイトのメンバーも多数会場を訪れた。
 会場には、ホンダコレクションホールの協力により、1986年からパリ〜ダカールラリーを4連覇したワークスマシン、NXR750が2台展示されたほか、2016年のダカールラリーにジョアン・バレダ選手のライディングで実際に走った現代のワークスマシンCRF450 RALLYも展示された。また、日本のモータースポーツの黎明期、ここ、浅間で行われた浅間火山レースを制したRC160も特別に展示され、ホンダと浅間とアフリカツインのレガシーが展開された。
 開会式では日刊アフリカツインを代表して内田裕也さん、新型アフリカツインの開発でラージプロジェクトリーダーを務めた飯塚直さん、テストのまとめ役を務めた工藤哲也さんらが歓迎の挨拶。そして弾けるような集合写真を撮影した後、参加者は新型アフリカツインをオフロードで試乗できるコース、オフロード経験者向けのフリーライドコースでのライディングエリアや、タイヤ、パニアケース、シート、バッグ、空気圧モニターなどを持ち込んだ各出展ブースで気になるアイテムを直に見るなどファンイベントの交流を開始。
 中でもDCTモデル、MTモデル両方を同じ場所で試せるとあって、試乗エリアには長い列ができた。「DCTモデルでオフロードはどうなんだろう? と思っていましたが、雑誌で見た『これは良い』という意味がわかりました」「乗りやすい」など笑顔でインプレッションを語る場面も。ダートスポーツが持ち込んだラリー仕様にモディファイされた新型アフリカツインも試乗可能とあり、多くの参加者がダートライディングを楽しみ、試乗後は、開発者の飯塚さん、工藤さんらと直接バイク談義もできるとあって、あちこちで濃密な時間が流れていった。

 ケータリング形式のランチは、ダカールラリーのビバークを模した形式で提供され、北軽井沢にあるエスプレッソバー・TAGSが地元の厳選野菜も使ったランチプレートと珈琲で参加者をもてなした。午後も試乗他、アフリカツインの開発秘話など現地でしか手に入らない直接対話を含め、15時30分の閉会までおおいに盛り上がった。

 DCTモデル、MTモデルともみっちり試乗した参加者達は「アフリカツインってどうなんだろう、という疑問が晴れた。もちろん、最高でした」「乗りやすい。DCTってスクーター?って思っていましたが、全然ちがった」など、様々なコンテンツで発見した事実に満足げに自宅に向けて会場をあとにした。

 主催したライドアフリカツイン実行委員会では、今後もこうした会を続け、アフリカツインを軸に人の輪を広げたい、と話している。こうしたギャザリングを定期的に開催したい意向だ。

 9月4日の浅間火山レース跡地は、天気予報とは裏腹に、雨は少量、それも一時的で、午後には太陽が顔を出す好転傾向の天気にも恵まれ、ビッグオフ、アドベンチャーバイク、そしてアフリカツインファンが笑顔で冒険気分を楽しむことが出来たのである。



ゾクゾクとやってくる参加者


ゾクゾクとやってくる参加者
開場間もなく浅間火山レース跡地にゾクゾクとやってくる参加者たち。


100名近いエントラント
ユーザーとユーザー、ユーザーと造り手を結ぶ。そして集う、走る、知るをパッケージにしたイベントに100名近いエントラントが。雨予報もぶっ飛ばす、笑顔が溢れます。



開発チームをまとめた飯塚直さん(左)、テストのまとめ役を務めた工藤哲也さん


デイリーアフリカツイン
これまでもユーザーとのふれあいを通じて様々な活動をしてきた新型アフリカツインの開発チームをまとめた飯塚直さん(左)、テストのまとめ役を務めた工藤哲也さん。開会式での挨拶のほか、ランチタイムには開発ストーリー「ここだけの話」も披露された。 今年、20年目を迎えたアフリカツインのコミュニティー、デイリーアフリカツイン。Facebook上で活動する同好会的組織で、今回のRIDE AFRICA TWINではイベント告知など草の根的な活動を展開。メンバーも多く来場し、親睦を温め、情報を交換した。そのメンバーの一人、内田裕也さんが開会式で「楽しいバイクであり、人と人を繋ぐバイクです」と挨拶。



rider誌の三上勝久編集長


ランチ
rider誌の三上勝久編集長もランチタイムのトークライブに登壇。撮って出しの話題として、8月17日〜20 日にアメリカで行われたデザートレース、ヴェガス to リノにアフリカツインで参戦した模様を披露。アメリカ人ジャーナリスト、三上編集長、そして開発スタッフの一人、今井さんと、オフロードレースのレジェンド、ジョニー・キャンベルと組んで参戦。MT仕様のアフリカツインをベースに、レース用にサスペンションとポジションを改良した程度のストックベース。結果は111台中74位。他のエントラントが450クラスのバイクだったことを考えれば優秀。優勝はCRF450RALLYに乗るジョアン・バレダ+マイケル・メッジ組でした。 ランチは地元の拘り農家から仕入れた野菜を使った料理が美味しいエスプレッソバーTAGSが担当。午後へのエナジーチャージ。


ランチ後、ステージ前


ダンロップもブース
ランチタイムにはステージで飯塚さん、工藤さんが開発ストーリーを紹介。また、ランチ後、ステージ前でアフリカツインの開発者を交えてDCTやGスイッチ、サスペンション、カラーリングについてワークショップも行われた。「次期モデルのDCTはDCT2になるのか?」など買う気満々な質問も飛ぶ。 アフリカツインのOEMタイヤサプライヤー、ダンロップもブースを出展。RIDE AFRICA TWINの一つの目玉になったオフロードコース走行に備えた空気圧調整、帰宅前の空気圧補填などをサービス。


オフロード試乗


オフロード試乗
↑ホンダモーターサイクルジャパンの協力により実現したオフロード試乗。新型アフリカツインにダートで乗れるとあって、午前中から参加者が絶えないコンテンツに。MTモデルもDCTモデルも試乗できた。コンチネンタルTKC80を履いた状態で用意されたモデルもある。

↖ホンダモーターサイクルジャパンの協力により実現したオフロード試乗。その試乗コースとはことなり、自車を持ち込んだオフロード上級向けルートのバレークロッシング。ダウンヒル後、ヒルクライムがある。迂回路も設けられ、超上級を自認するライダーが果敢にアタック。



参加者パーキングロット


参加者パーキングロット
参加者パーキングロットには世代、年代を超えたアフリカツインが集合。パニアケース付きのゲストは専用パーキングラインに案内された。ケースからの荷物の出し入れを考慮した幅でバイクを停められるように、との配慮からだ。


世代を超えてアフリカツインが並ぶ


会場後、間もなくのパーキングロット
初期型RD-03、2代目RD-04、そして750としての2代目、RD-07、現行のSD-04と世代を超えてアフリカツインが並ぶ。KTM、BMWなど同セグメントのバイクも多数参加した 開場後、間もなくのパーキングロット。バイクを通じて仲間同士が集う。


かつて浅間火山レースのエントラントも走った


上級ルート
かつて浅間火山レースのエントラントも走った、と思われる直線。この道でアフリカツインの試乗が行われた。 上級ルートではアップダウン、テーブルトップなどが組み込まれ、オフロードライディングには欠かせない縦方向にダイナミックな動きを楽しんだ。


スタート&フィニッシュ地点


初期型+最新型
スタート&フィニッシュ地点から試乗待ちの列が途切れることがなかった。


XLV750R
ヒルクライムに挑むさらに先代のXLV750Rに乗る参加者も! 初代650と新型アフリカツインがオフロードコースでランデブー。オフロード経験の少ない参加者は試乗コースの比較的フラットで道幅の広いコースで腕試しができた。



攻める!


BMWオーナーも
攻める! BMWオーナーもアフリカツインを体感。「乗りやすい!」とのこと。


メッツラー


リストバンド
アフリカツイン用オフ向けタイヤを展示したメッツラー。このブースでも空気圧調整サービスを展開。多くのライダーが利用した。 受付で参加者はリストバンドを装着。ランチなどの時にID代わりにこれを見せる。ビバークミーティングの由来は、ダカールラリーなどのキャンプ地のムードを味わってもらおう、というもの。


出展ブース


出展ブース


出展ブース


出展ブース


出展ブース


出展ブース


出展ブース


出展ブース
RIDE AFRICA TWINに参加した出展ブースは、アフリカツインライフを豊かにするアイテムを販売するブランドが軒を並べた。皆さん、興味津々でブース巡りをしている。


CRF450RALLYと2ショット


沙布岬
CRF450RALLYと2ショットが撮れるサービスタイムも設定された。みなさん、大喜び! ランチタイムには、リストバンドの番号から抽選で、CRF450RALLYに跨がって記念撮影ができるサプライズも!
ホンダコレクションホールからのサプライズ編


RC160


RC160
浅間火山レースを制したRC160。250㏄4気筒のマシン。ボトムリンクサス、ブリッジフレーム、赤とシルバーのカラーリング、日本のレース黎明期を駆け抜けた一台。メッシュのスクリーンが跳ね石の多いダートロードレースを思わせる。


1986年NXR750


1986年NXR750
1986年のパリ〜ダカールラリーに参戦したHRCのワークスマシン、NXR750。フロントアクスルのクイックリリース、キックペダルを踏むときに踏ん張れるよう右に配置されたサイドスタンド、フレームマウントのカウルなどが特徴。45°V型二気筒。位相クランクで270°相当の爆発間隔を持つ。


1989年NXR750


1989年NXR750
こちらは1989年パリ〜ダカールを4連覇したNXR750。ゼッケン100番はジル・ラレイ選手のマシン。カウルの傷が生々しい。

CRF450RALLY
今回、最もサプライズだったのがこのCRF450RALLYの登場かもしれない。2016年のダカールラリーを戦ったマシン。撮影場所に移動する僅かな時間にも参加者からのため息が漏れる。関係者の粋な計らいに感謝します!

1997年式アフリカツイン
もう一台のサプライズは作家の故・戸井十月さんと五大陸走破の旅で北米、南米、ユーラシアの3大陸を回った1997年式アフリカツイン。2009年に大きな仕事を成し遂げたが、今も現役。浅間まで自走でやって来た。世界を旅したアフリカツインのトリップメーターには10万キロを越す距離が刻まれている。外装は各大陸時に変更されたが、中身はそのまま。アフリカツインの丈夫さ、信頼性を印象付ける。

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