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先鋭化しすぎたレーサーレプリカへのアンチテーゼとして、一躍脚光を浴びたのが空冷444のスポーツモデル、ゼファーであった。オーソドックスながらキリッとしたスタイルと、尖りすぎてない扱いやすいエンジン特性で、新たなるムーブメント、ネイキッドブームを巻き起こした。新たなる市場の出現に対し、ホンダとスズキは水冷エンジンでアプローチしたのに対し、ヤマハは新たに空冷2バルブエンジンを搭載したニューモデルのディバージョンを投入する。プロテクション効果の高いカウルと馬力を押さえフラットな扱いやすいエンジン特性に、ワイドなギアレシオのツーリングモデルとして誕生したが圧倒的なゼファー人気に対抗することはできず、残念ながら短命に終わってしまった。国内では影の薄いモデルというイメージの強いディバージョンであるが、輸出仕様の600は、特に欧州で人気があり2000年代初頭まで販売された。
フラットな特性のツーリングモデルであったディバージョンから一転して、スポーツ性を全面に打ち出したニューモデルが1993年3月27日に登場したXJR400だ。エンジンは新たに開発された前傾41度にセットされた空冷のDOHC4バルブで、最高出力は水冷のライバルと同一、当時の自主規制値いっぱいの53馬力。このエンジンを高張力ダブルクレードルフレームに搭載し、かつての人気モデルXJ400をさらにスポーティにしたようなデザインも相まって大好評を持って受け入れられた。登場した1993年と翌年の登録台数でゼファーを抜いて3位、1995年にはCB400SUPER FOURも抜いてベストセラーを獲得した。ネイキッドブームの1990年代にXJR400シリーズは累計で約5万3千台(第4位)が登録されている。その後2000年代に入っても販売され続け、長く愛された。
ベリーダークバイオレットカクテル2が廃止され、新色のディープバイオレットメタリック1が加わった。ブラック2とディープレッドカクテル2は継続。価格、主要諸元に変更はない。
1994年モデルをベースに、専用セッティングを施したオーリンスのリアサス、専用サイドカバー、タンクと同色のホイールを装備して4000台を限定発売。主要諸元はスタンダードモデルから変更なし。589000円。
ピストン形状の変更、ピストンとコンロッドの軽量化などにより加速フィーリングやトルクアップした改良型のエンジンを搭載し、オーリンス(ヤマハではこう表記している)のリアサスと、ブレンボのフロントブレーキキャリパーを標準装備したRが登場。車体色はブラック2とブルーイッシュホワイトカクテル1。6月には新色のニューシルバーダストが加わり3色に。スタンダードモデルのXJR400も同様の改良型エンジンを搭載して3月にモデルチェンジ。こちらは車体色も継続のブラック2とディープレッドカクテル2で、価格も変更なし。
オーリンスのリアサス、ブレンボキャリパーが付いたXJR400Rをベースに、ゼッケンプレート風のミニカウル、XJR1200にも採用された新素材ワイラックスを使用したワイラックスシート、そしてバーコード式タコメーターや時計、燃料計などを内蔵したデジタル表示の専用メーターを装備したRⅡを追加。エキパイはつや消しのブラックで精悍なイメージになった。
XJR400RⅡで採用された新素材ワイラックスを使用したワイラックスシートをXJR400R、XJR400にも新たに採用。車体色はニューシルバーダスト、ブルーイッシュブラックの2色で、5月にブルーイッシュホワイトカクテルが追加された。スタンダードモデルのXJR400は変わらずディープレッドカクテル2とブラック2。XJR400はこれが最終型となり1997年末頃までXJR400Rと併売された。価格、主要諸元ともに変更はない。
新色のブラック2とパープリッシュブルーメタリック7を追加。従来色のうちブルーイッシュホワイトカクテル1とニューシルバーダストは継続されたので初の4色ラインアップに。主要諸元、価格共に変更なし。
容量をアップしたタンクをはじめとして、上下2分割式となったマルチリフレクター付きのテールランプ、低シート高化されたシート、電気式ニューメーター、別売りの盗難抑止装置である専用イモビアラーム装着用のプレワイヤリング、シルバー仕上げとなったエンジンなどでモデルチェンジ。好評のオーリンスリアサスとブレンボのフロントブレーキキャリパーは引き続いて採用されている。
ビビッドレッドカクテル7に代わり新色のブラック2。このブラック2のみエンジンがブラックに変更され、よりシックなイメージとなった。シルバーメタリック1とダークグリニッシュブルーメタリックCは継続。主要諸元、価格とも変更はない。
ダークグリニッシュブルーメタリックCに代わり新色のブルーイッシュホワイトカクテル1が登場。継続のブラック2と同様これもエンジンがブラックとなり、シルバーエンジンは継続のシルバーメタリックのみとなった。主要諸元、価格とも変更はない。
軽量化されたニューデザインのホイール、ワンピース構造の対向4ポッドフロントブレーキキャリパー(リアは2ポッド)、アルミ角型スイングアーム、ニューBSRキャブレター、エア・インダクション・システム、アルミパネル付きメーターなど250以上のパーツを交換してリニューアル。車体色は初のグラフィックの入ったディープパープリッシュブルーメタリックCとシルバー3、ダークグレイッシュパープルメタリック1の3色。
ダークグレイッシュパープルメタリック1に代わってグラフィックの入ったブラック2が登場。ディープパープリッシュブルーメタリックCはグラフィックを変更。シルバー3は継続。価格、主要諸元ともに変更はない。
シルバー3は、かつてのXJ400のようなグラフィックの入った新グラフィックに。ブラック2は廃止されブルーイッシュホワイトカクテル1に変更。イメージカラーのディープパープリッシュブルーメタリックCはグラフィックを小変更した。継続。価格、主要諸元ともに変更はない。
マフラーと点火時期の見直しにより低中速域での加速フィーリングの向上と、騒音規制の適合化が行われた他、XJR1300と同形状のステッピングモーター式でLED照明や液晶表示が付いたニューメーター、プレワイヤリングのみでオプション設定であったイモビライザーの標準装備も行われ、タンクエンブレムは丸形の音叉マークに変更されている。車体色はブルーイッシュホワイトカクテル1に代わりレディッシュイエローカクテル1が登場。ディープパープリッシュブルーメタリックCは恒例となったグラフィックの変更を受け、XJ風のシルバー3は継続。価格は全色が同価格に統一された。
車体色を一新。真っ黒なブラックメタリックXと、XJ風のグラフィックとなったディープパープリッシュブルーメタリックCの2色に。価格、主要諸元ともに変更はない。
ディープパープリッシュブルーメタリックCのグラフィックを変更。ブラックメタリックXは継続。価格、主要諸元ともに変更はない。
XJR1300と共通グラフィックとなり、楕円型バックミラー、ホイールにピンストライなどの変更を受けた。車体色はディープパープリッシュブルーメタリックCのグラフィックを変更。見た目はほとんど変わらないがブラックメタリックXはグレーメタリックBに変更。価格、主要諸元ともに変更はない。ついにこれが最終型となり、長い歴史に幕を引いた。
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