XSR900/XSR900 60th Anniversary 1,042,200円/1,074,600円(4月15日発売)
★ヤマハ XSR900/XSR900 60th Anniversary 車両解説
MT-09シリーズに兄弟車、“Neo Retro”のXSR900を新発売
新時代の“MT”シリーズとして開発された“MT-09”。水冷3気筒、846cc、DOHC4バルブF.I.エンジンを搭載する「ネイキッドとスーパーモタードの異種交配造形による個性的なデザイン」を持つマシンとして、2014年4月に発売が開始された。ヤマハらしい先進的なデザインもさることながら、新世代MTのエンジンは、MotoGPマシン“YZR-M1”のヒューマンフレンドリーなハイテク技術“クロスプレーン・コンセプト”に基づいて開発されるなど、メカニズム面でも“ストーリー”を持つことで人気を集めている。
このMT-09シリーズに2015年2月、兄弟車のMT-09 TRACER ABSが登場している。
MT-09と基本部分を共有する車体は、アルミダイキャスト製ダイヤモンドタイプフレームに、外側締結リアアームの採用など最新テクノロジーを引き継ぎ、市街地での楽しい走りを狙いとしたもので、YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)およびD-MODE、マスの集中に貢献する一体成型のエキゾーストパイプ&サイレンサー、アルミテーパーハンドル、ラジアルマウント式フロントブレーキキャリパー、アルミ鍛造ブレーキ&シフトペダルなどを採用。MT-09 TRACER ABS独自の特徴としては、レイヤー構造を取り入れたフロントカウルの採用があり、ロングツーリング指向のオンオフ寄りのイメージをさらに強めたデザインを採用していた。標準装備のハンドルカバーの造形などとともにツーリング時の快適性の向上を図っている。好みによりハンドル、シート、フロントスクリーンの調整が可能で、視認性の高い多機能メーターパネルや、十分な配光特性を備えたフルLEDヘッドライト、そしてトラクションコントロールの採用などなど、快適な“アドベンチャーツーリング”性能を備えたモデルだ。
ちなみに、このMT-09 TRACERは、ヤマハが2013年から進めている“中期経営計画”のなかで、二輪車事業の新たな取り組みとして“基本プラットフォームをベースにしたバリエーション展開の拡大”を狙ったモデルの第一弾でもあった。
そして今回、そのバリエーション展開の拡大をはかる第二弾としてこのXSR900が登場した。
開発コンセプトは“The Performance Retro-ster”。味わいのあるレトロな外観と、先進技術によるハイパフォーマンスを合わせもつモデル、と説明されている。基本はMT-09で、水冷直列3気筒エンジンをダイヤモンドフレームに搭載。TCS(トラクションコントロールシステム)やA&S(アシスト&スリッパー)クラッチを新たに装備。車体は“CMFG(カラー、マテリアル、フィニッシュ、グラフィックの略称)”と呼ばれるデザイン手法を取り入れ、多彩な加工法による金属素材感を表現したものとしているという。
また、今回の発売に合わせてXSR900をベースに、“スピードブロック”グラフィックを採用したアルミ製タンクカバー、ゴールド仕上げのフォークアウターチューブ、ブラック塗装のヘッドライトケース、イエローのコイルスプリングを採用したリアサスペンション、そして専用エンブレムが取り付けられ、ヤマハの創業60周年を記念した“60th Anniversary仕様車を、2月23日から9月末日までの受注期間限定で販売する。
★YAMAHA プレスリリースより (2016年2月23日)
レトロな外観とパフォーマンスを調和させた“Neo Retro”ロードスポーツ
「XSR900」「XSR900」60th Anniversary新発売
ヤマハ発動機株式会社は、水冷直列3気筒エンジンをアルミ製フレームに搭載し、“Neo Retro”※1の世界を提唱する新製品「XSR900」および、当社創業60周年記念カラーの「XSR900」60th Anniversaryを2016年4月15日より発売します。「XSR900」60th Anniversary は、2016年2月23日から2016年9月末日までの受注期間限定モデルで期間内における予約受注分を販売いたします。予約窓口は全国の「ヤマハスポーツバイク取扱店」です。
「XSR900」は、<“The Performance Retro-ster”>をコンセプトに開発、味わいのあるレトロな外観と先進技術によるパフォーマンスを合わせもつモデルとなっています。現行「MT-09」に搭載の水冷直列3気筒エンジンにTCS(トラクションコントロールシステム)やA&S(アシスト&スリッパー)クラッチなどを装備し、高次元なファン・エキサイトメントの走りを提供します。ボディは、オーセンティックなイメージを強調するCMFG※2デザインを織り込み、多彩な加工法による金属の素材感で表現しました。また、ABS を標準装備しています。
※1“Neo Retro”;「スーパースポーツ」「ネイキッド」といった従来のカテゴリーを超え、レトロな外観やその背景の物語性を秘めながらも、先進技術に基づくエキサイティングな走りを楽しめるモデルのカテゴリー。
※2 CMFG ;カラー、マテリアル、フィニッシュ、グラフィックの略称。
- <名称>
- 「XSR900」
- 「XSR900 60th Anniversary」
- <発売日>
- 2016年4月15日
- <メーカー希望小売価格>
- 「XSR900」 1,042,200円(本体価格965,000円、消費税77,200円)
- 「XSR900 60th Anniversary」 1,074,600円(本体価格995,000円、消費税79,600円)
- ※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれません。
- <販売計画>
- 1,000台(年間、国内)
- <カラーリング>
- 「XSR900」
- ・マットグレーメタリック3(マットグレー)
- ・グレーイッシュブルーメタリック4(ブルー)
- 「XSR900 60th Anniversary」
- ・ライトレディッシュイエローソリッド1(イエロー)
- 主な特長
- 1)走行モードを選べる軽量3気筒エンジン
- “クロスプレーンコンセプト”に基づく845cm3の水冷直列3気筒・DOHC・4バルブエンジンを搭載しています。コンパクトな燃焼室により素早い燃焼を図り、優れた出力・トルク特性を引き出します。YCC-T(電子制御スロットル)やメッキシリンダー、アルミ鍛造ピストン、1次偶力バランサー、FS(破断分割)コンロッドなどを投入、走行状況や好みに応じてエンジン特性を3種から選べるYAMAHA D-MODE(走行モード切替システム)も採用しています。
- 2)TCS(トラクションコントロールシステム)
- 発進・加速時に良好なトラクションをもたらすTCSを搭載しました。発進・加速時に後輪のスピン兆候が検知されると、①点火時期、②燃料噴射量、③スロットル開度(YCC-T)を統合制御することで滑らかな走行性を支援します。制御の強さは「1(弱)」「2(強)」「OFF」から選択できます。
- 3)レバー操作荷重も低減するA&Sクラッチ
- A&S(アシスト&スリッパー)クラッチを採用しました。減速時の穏やかな車体挙動、軽いクラッチ操作荷重により市街地での軽快な走りに貢献しています。クラッチ操作荷重は「MT-09」比約20%低減しました。
- 4)オーセンティックな印象を強調するCMFGデザイン
- ボディにはCMFGデザインを積極的に織り込みました。タンクカバーとリアフェンダーにはアルミプレス材、サイドカバーパネルとメーターブラケットには5㎜厚アルミプレス材、前フェンダーブラケットとライトステーにはアルミ製ダイキャスト、タンク懸架ステーは鍛造アルミ材を採用。金属が持つ素材感を強調しながら、シンプルなシルエットの中に独自の世界観を伝えています。
- 5)手仕上げによるアルミ製タンクカバー
- マットグレー車のアルミ製タンクカバーは、手作業によるバフ掛け後、マットクリアー塗装による”ヘアラインマット仕上げ”と呼ぶクリア塗装を施しました。バフ掛けの方向や粗さは製品毎に少しずつ異なる“オンリーワン”となっています。
ブルー車のタンクカバーは、このバフ掛け部分をマスキングで残して側面を塗装。マスキングで残ったヘアライン部をグラフィックの一部に見立てることで、往年のグラフィックをオマージュしました。シートはレザーの風合いを伝える新色「バーガンディ」(ワイン色)としました。 - 6)「XSR900」60th Anniversaryの仕様(受注生産)
- 「XSR900 」60th Anniversaryは、標準モデルの仕様のまま、①“スピードブロック”グラフィックを織り込んだアルミ製タンクカバー、②ゴールド仕上げのフォークアウターチューブ、③ブラック塗装のヘッドランプケース、④イエローのコイル採用リアサスペンション、⑤専用エンブレムなどを採用しています。
- 「XSR900」 フィーチャーマップ
- ※新デザインミラー
- ※丸形メーター
- ※丸形ヘッドランプ
- ※アルミ製ライトステー
- ※3分割フェンダー(アルミ製フェンダーステー)
- ・ラジアルマウントキャリパー採用4ポット対向ピストン
- ※ABS
- ※新デザインアルミラジエターカバー
- ※A&Sクラッチ
- ※トラクションコントロール(モード2選択+オフ)
- ・水冷4ストローク・直列3気筒DOHC・4バルブ、FI(YCC-T、小型燃料ポンプ)
- ・鍛造ピストン、メッキシリンダー、FSコンロッド、オフセットシリンダー、不等長吸気ファンネル
- ・潤滑系、冷却系のパイプレス設計
- ※アルミ製タンクカバー
- ※燃料タンク(14リットル容量)
- ※ステッチ入りダブルシート
- ※アルミ製サイドカバー
- ※丸形テールランプ
- ※アルミ製リアフェンダー
- ・CFアルミダイキャスト採用軽量フレーム
- ※丸形サイレンサーカバー
- ※新デザインマフラープロテクター
- ※印はXSR900で採用されたフィーチャー
★主要諸元
車名型式 | EBL-RN46J | |
---|---|---|
XSR900 | ||
発売日 | 2016年4月15日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.075×0.815×1.140 | |
軸距(m) | 1.440 | |
最低地上高(m) | 0.135 | |
シート高(m) | 0.830 | |
車両重量(kg) | 195 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 27.3(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
19.4(WMTCモード値 クラス3サブクラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転小半径(m) | - | |
エンジン型式 | N703E | |
水冷4ストローク直列3気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 845 | |
内径×行程(mm) | 78.0×59.0 | |
圧縮比 | 11.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 81[110]/9,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 88[9.0]/8,500 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ式 | |
潤滑油容量(L) | 3.40 | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.666 |
2速 | 2.000 | |
3速 | 1.619 | |
4速 | 1.380 | |
5速 | 1.190 | |
6速 | 1.037 | |
減速比1次/2次 | 1.680/2.812 | |
キャスター(度) | 25°00′ | |
トレール(mm) | 103 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 180/55ZR17M/C 73W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム(リンク式) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状況などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率。
※3:WMTCモード値とは、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果からの計算値。