CRF1000L Africa Twin<ABS>/<DCT> 1,350,000円~/1,458,000円(2月22日発売)
★ホンダ CRF1000L Africa Twin<ABS>/<DCT> 車両解説
元祖アドベンチャーマシン“アフリカツイン”が帰ってきた
アフリカツインが帰ってきた。1989年、XRV650R Africa Twinでヒストリーが始まった、ホンダのアドベンチャーモデル史に燦然と輝く名車の復活だ。
ただ意外にも、その知名度の高さからはあまり想像できないのだが、この稀代の名車の歴史はわずか10年足らずしか無い。初代XRV650Rの登場から、2代目XRV750Rを経て、3代目のXRV750R、2000年の最終モデルの製造中止までのわずかな期間に超新星のごとく耀き、そして消えていった。まだ“パリ・ダカールラリー”と呼ばれていた当時の壮大なアドベンチャー・ラリーでの活躍とともに、その存在を強烈に印象付けたからでもあるのだろう。
また、ホンダの大排気量アドベンチャーカテゴリーマシンとして、XL500Sを始め、XLV750R、XL600Rファラオ、XLV600Rトランザルプと連綿とその歴史を積み上げてきていたからこそ、アフリカツインのヒストリーも光るのだともいえる。
それはともかく、いよいよ新時代のアフリカツイン、CRF1000L Africa Twinが国内販売される。スタイルはすでにモーターショーなどでもおなじみ。現代の“ダカール・マシン”CRF450RALLYのイメージも取り入れてはいるが、LEDヘッドライトを備えたフェアリングを始め、18リットル入りの大型燃料タンク(さすがに初代の23リットルには及ばないが)などにより、まぎれもないアフリカツイン一族のDNAを受け継ぐデザインで、新世代のアフリカツインであることを強烈に主張している。
搭載されるエンジンは、“ユニカムバルブトレイン”や“軽量キャストカムシャフト”などの最新テクノロジーを取り入れた新開発の直列2気筒で、270度位相クランクによる不等間隔爆発及び、ツインプラグの位相点火制御システムなどを採用することで、優れたトラクション性能を発揮するとともに、小気味よい鼓動感も実現している。
また、エンジンの背面にバッテリーなど重量物を集中配置することで、マスの集中化も実現。さらに、軽量でありながら十分な剛性を確保する「セミダブルクレードルフレーム」の採用によってオフロードでの優れた走行性能とオンロードでの安定感のあるハンドリングを両立。荒れた路面でも効率よく動力を伝達する“Honda セレクタブル トルク コントロール”を全車に搭載。Honda独自の“Dual Clutch Transmission”採用モデルでは、オンロードからオフロードまでライダーの感覚に沿ったコントロール性能を発揮するよう3段階のシフトパターンを選択できるようさらに進化したという。
★HONDA プレスリリースより (2016年2月12日)
アドベンチャーモデル「CRF1000L Africa Twin」を発売
Hondaは、新開発の水冷・4ストローク・OHC・直列2気筒998㏄エンジンを搭載したアドベンチャーモデルの「CRF1000L Africa Twin」を、2月22日(月)に発売します。
CRF1000L Africa Twinは、1988年に国内で販売して以来、1990年には、アドベンチャーカテゴリーを確立した「XRV750 Africa Twin」と同様に市街地のオンロードから高速道路さらには未舗装路まで、さまざまな道を走破できるアドベンチャーモデルです。「どこへでも行ける」「True Adventure」を開発コンセプトに、次世代アドベンチャーモデルにふさわしい装備や技術を搭載したモデルとして開発しました。
力強く端正なスタイリングをはじめ、新開発の直列2気筒エンジンを搭載。エンジンは270度位相クランクによる不等間隔爆発および、ツインプラグの「位相点火制御システム」などを採用することで、優れたトラクション性能を発揮するとともに、小気味よい鼓動感を実現しました。また、エンジンの背面にバッテリーなどの重量物を集中配置することで、マスの集中化を実現。さらに、軽量でありながら十分な剛性を確保する「セミダブルクレードルフレーム」の採用によってオフロードでの優れた走行性能とオンロードでの安定感のあるハンドリングを両立。加えて、Honda独自の二輪車用「デュアル・クラッチ・トランスミッション(以下DCT)」によってオンロードからオフロードまでライダーの感覚に沿うようにコントロール性能を向上させました。また、荒れた路面でも効率よく動力を伝達する「Honda セレクタブル トルク コントロール」を全車に搭載しています。車体色は、ダカールラリー参戦マシン「CRF450 RALLY」のカラーをまとったヴィクトリーレッド、歴代の「Africa Twin」を彷彿させるトリコロールカラーのパールグレアホワイト、ソリッド感がある都市の様々な光を美しく輝かせるデジタルシルバーメタリックの全3種類を設定しました。
- ●販売計画台数(国内・年間)
- 2,200台
- ●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- CRF1000L<ABS>デジタルシルバーメタリック 1,350,000円(消費税抜き本体価格 1,250,000円)
- CRF1000L<ABS>ヴィクトリーレッド/パールグレアホワイト 1,382,400円(消費税抜き本体価格 1,280,000円)
- CRF1000L<DCT>デジタルシルバーメタリック 1,458,000円(消費税抜き本体価格 1,350,000円)
- CRF1000L<DCT>ヴィクトリーレッド/パールグレアホワイト 1,490,400円(消費税抜き本体価格 1,380,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
- =主な特長
- ●エンジン
- モトクロス専用マシン「CRF450R」「CRF250R」など、レーシングマシンの開発で培ったノウハウを活用した4バルブの「ユニカムバルブトレイン」を搭載。カムシャフトには、Hondaのフラッグシップスポーツモデルである「CBR1000RR」と同じ素材の軽量キャストカムシャフトを採用。また、「クランクケース内臓オイルタンク式ドライサンプ構造」により、クラストップレベル※1の最低地上高を実現。ウォーターポンプはクラッチケースに内蔵してオイルポンプともにバランサーシャフトで駆動させることによって、軽量でコンパクトなパッケージを実現しました。
- 出力特性は、270度位相クランクシャフトによって、常用から高回転域までレスポンスがよく、回転数の上昇に伴い、小気味よいパルス感と力強い排気音を演出しながらしっかりと動力を路面に伝達するトラクションを感じさせるとともに、「2軸プライマリーバランスシャフト」が振動を低減します。
- また、変速機にはマニュアルミッションとともに、Honda独自の定評のあるDCT搭載車をタイプ設定。マニュアルモードのほか、良好な燃費性能と快適なクルージングを最適バランスで発揮できるように設定された「Dモード」、スポーティーな走りをさらに追及した3段階のシフトパターンを選択できる「Sモード」の2つのオートマチックモードを備えています。
- さらに、このDCTは、不整地においても本来の性能を最大限に発揮する仕様とし、インストゥルメントパネルの右側に装備したG-スイッチで、スロットル操作に対するクラッチのすべりを最小限にすることで、路面状況に応じてトラクションを改善。これによりライダーの、オフロード走行時に重要となるマシンコントロールを容易なものとします。また、新機能として、登降坂を推定する制御を採用し、傾斜角に最適なシフトパターンを選択します。
- ※1 2014年Honda調べ
- ●車体・装備
- 2灯式ヘッドライトは、初代Africa twinのアイデンティティを踏襲。適度なしなやかさと剛性を併せ持つスチール製のセミダブルクレードルフレームは、“オフロード走行”や“高速道路での快適性”、“荷物積載時の走行”など、様々な状況下においても必要な剛性を確保し、軽快性と安定性を高次元でバランスさせました。
- ブレーキは、フロントに「4ポットラジアルフィットキャリパー」と、310㎜のウェーブ形状のフローティングディスクを組み合わせて装備。リアブレーキには、256㎜のウェーブ形状ディスクを採用。さらに、リア側のABSはオン・オフの切り替えを可能とし、オフロード走行の使い勝手を向上させています。
- サスペンションは、路面からのショックの吸収性に優れたロングストローク倒立フロントフォークとし、路面状況に応じて可変できる「フルアジャスタブル機構」を採用。リアショックは、工具なしで調整が可能なダイヤル式油圧プリロードアジャスターを含むフルアジャスタブル機構を採用。
- ホイールは、フロントとリアにそれぞれ21/18インチのスポークホイールを採用し、それぞれ90/90-21、150/70R 18サイズのタイヤを装備しています。
- シート高は「シート・アジャスト機構」を採用し、タンデム走行時や足つき性を重視するような状況において、シートの着脱操作だけで簡単に変更が可能。スタンダードポジションの870㎜から20㎜低い850㎜へ変更可能としました。
- ●デザインカラーバリエーション
- 「UNLIMITED ADVENTURE(無限の冒険)」をテーマにデザインされたスタイリングは、最低限のボディーワークにより軽量のデザイン形状とし、ライダーを外気から守ると同時に、スリムで軽快な印象を実現しました。
- 車体色は、ダカールラリー参戦マシン「CRF450 RALLY」のカラーをまとったヴィクトリーレッドをはじめ、歴代のAfrica Twinを彷彿とさせるトリコロールカラーのパールグレアホワイト、金属のソリッド感を持ちながら都会の一日のさまざまな光を美しくリフレクトするデジタルシルバーメタリックの全3種類を設定しました。
★主要諸元
車名型式 | EBL-SD04 | |
---|---|---|
CRF1000L Africa Twin<ABS>〈CRF1000L Africa Twin<DCT>〉 | ||
発売日 | 2016年2月22日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.335×0.930×1.475 | |
軸距(m) | 1.575 | |
最低地上高(m) | 0.250 | |
シート高(m) | 0.870/0.850 | |
車両重量(kg) | 232〈242〉 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※2 | 32.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時) | |
21.6(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転小半径(m) | 2.6 | |
エンジン型式 | SD04E | |
水冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 998 | |
内径×行程(mm) | 92.0×75.1 | |
圧縮比 | 10.0 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 68[92]/7,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 95[9.7]/6,000 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 18 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン〈電子式6段変速(DCT)〉 | |
変速比 | 1速 | 2.866〈2.561〉 |
2速 | 1.888〈1.761〉 | |
3速 | 1.480〈1.375〉 | |
4速 | 1.230〈1.133〉 | |
5速 | 1.100〈0.972〉 | |
6速 | 0.968〈0.882〉 | |
減速比1次/2次 | 1.733×2.625〈1.883×2.625〉 | |
キャスター(度) | 27°30′ | |
トレール(mm) | 113 | |
タイヤサイズ | 前 | 90/90-21M/C 54H |
後 | 150/70R18M/C 70H | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | セミダブルクレードルフレーム |
〈 〉内はデュアル・クラッチ・トランスミッション
※1 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※2 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます