幻立喰・ソ

第65回「幻立喰・ソ トライアングル」

 
 1970〜1980年代のアイドル全盛時代、多数のグループが誕生し、また多数が幻アグになりました。伝説のキャンディーズ(南海じゃない方の、という注釈を入れたがるのはパリーグファンではなく鉄)は誰でも知っていますが、キャンディーズJr(ジェイアールではなくてジュニアと注釈を入れたがるのは紛れもなく鉄)を覚えていらっしゃいますか。後にトライアングルと改名した3人組で、ミッチという女の子がいました。本名は森光子。紫綬褒章、勲三等瑞宝章、文化勲章、国民栄誉賞などを授与されたかの大女優が昔はアイドルだった訳ではなく、同姓同名の別人です(当たり前ですが念のため)。ミッチの本名じゃなくて芸名は小森みちこ。あの伝説の深夜放送、鶴光のオールナイトニッポンの「みちこの部屋」コーナーでいじられていたあの人なのです。思い出しましたか? 
 鶴光のオールナイト、ウブな中学生には十分過ぎる刺激で、毎週テープ(SONY CHF。120分は切れるといわれていたので90分)に録音し、繰り返し繰り返し聞き、あちこち熱くなる人間ヒートテ○ク状態でした。録音といえば、従兄弟にもらったラジカセ(ステレオ2chのナショナルRS-4100MAC 発売当時は結構な高級機)を担いで(といっても黒人ラッパーのように肩に担いで踊りながら行ったわけではありません。ものの例えです)駅のアナウンスも録音してふとんの中で聞いていました。その音源に駅ソをすする音も紛れ込んでいたのでしょう。まさにスピードラー○ング状態で、知らず知らずのうちにこんな大人のできあがり。あのときラジカセではなく、短波ラジオをもらっていたら、株価でも聞いて平成の是銀になっているわけがありませんが、もう少しきちんとした大人になっていたかもしれません(短波でも競馬中継に夢中になっていたでしょうから、現状と変わらないです)。


 是銀の話題が出た(無理矢理)ということは、日本のウォール街、茅場町周辺で起きた摩訶不思議な現象についてお話しせねばならないでしょう。茅場町は東京証券取引所や証券会社がわんさかあるあたり。といってもわんさかあるのは証券会社だけで、東京証券取引所は1つで、証券マンが電話を両肩にはさみ、ハンドサインを出してわあわあやっている所というイメージですが、株券は電子化されそんなことはやっていないそうです。それくらい株のことはわかりませんが、スーパーなカブのことならここでよくわかりますから、間違いがあったらどんどん指摘してあげましょう。

 
 前回完璧な企画倒れと思われていた幻立喰・ソ連鎖反応ですが、実は昨年から今年にかけ3店が連鎖で幻立喰・ソになってしまったのです。



おか田


おか田
連鎖反応といえば、前回お伝えしたおか田は、JR総武(快速)線新日本橋駅最寄りの、江戸通りと昭和通りの交差点、小伝馬町寄りに移転して12月1日オープンしました。おめでとうございます! 復活したので今お○田と伏せ字にしないとマズイです。めんどくさいルールを造ってしまったものですが、徐々にうやむやにして……店内には坂崎師匠の名著「ちょっとそばでも」がさりげなく置かれていました。昨今立喰・ソでよく目にする光景です。さすがは師匠、リスペクトされまくりです。(2015年12月撮影)

 
 連鎖反応の因果関係は? もちろん知りませんわかりません想像もつきません考えられません。で話が終りますので、下の図を見てください。3店を結ぶと大きなトライアングルができました。冒頭トライアングルのヨタ話は、ここにつながる前振りだったのです。だから? といわれると返す言葉も贈る言葉もございませんな前振りより大きな問題がひとつ。「こんな広範囲でも連鎖反応というのなら、日本中どこにでもあるんじゃない?」と情状酌量の余地も血も涙もおつゆもない、至極まっとうな結論が待っています。
 ならば、せっかく小森みちこも思い出したことだし、トライアングルもできたことですから「幻立喰・ソ連鎖反応」から「魔の幻立喰・ソトライアングル出現」に話題を変えましょう。



図A
アバウトな地図です。左側が茅場町です。ちゃんとした地図はグー○ルマップとかで検索してください。

 
 トライアングルといえばバミューダー魔のトライアングル。100件近い遭難が起き1000人以上が行方不明というトライアングル界の五郎丸(数年後「五郎丸ってなに?」となっていませんように! ヤマハ万歳)。ですが、昨今の調査研究の結果、ドキドキしながら読んだ事件は、完璧な作り話や誇張、彎曲されているケースが多数だとか。それでも解明できないケースもあるのですから、魔のトライアングルなど存在しないと言い切って、たたりがあっても困るし、最近はとんと話題にもならいのでそっとしておきましょう。

 



みどりと風のシンフォニー


みどりと風のシンフォニー
2012年4月に幻立喰・ソになってしまった「みどりと風のシンフォニー」。女将さんは水道橋駅前にあった神田家で働いていた(と、おか田にも置かれていた坂崎師匠の名著「ちょっとそばでも」に書いてありました。こんな裏情報も入った立喰・ソのバイブルです。ぜひ読みましょう)。惜しくも幻立喰・ソになってしまいましたが、現在はお総菜と定食のお店に業種変更して健在です。こういうケースは伏せ字にすべきなのか困りますが、立喰・ソではなくなったのだから実名でいいか、という安易な結論で話を進めます。以下すべて左がbefore、右がafterです。左(2013年7月撮影)右(2015年11月撮影)


たまそば


たまそば
2012年11月に開店した「たまそば」は、揃いのTシャツに元気なあいさつ、明るく広めの店内には静かにジャズが流れ、昭和立喰・ソとは対極的なオシャレ新進気鋭系でした。生そばで、季節の天ぷらが揚げたてハフハフ。こだわりのカレーは自慢の逸品。しかも嬉しいことにねぎは入れ放題でした。左(2013年7月撮影)右(2015年11月撮影)


まち家


まち家
首都高高架下(正確には脇)の「喜楽」。ですが写真が違います。喜楽の前は「まち家」という立喰・ソでした。いつの間にか(たぶん2014年春頃)喜楽になっていたのです。さすが魔の幻立喰・ソトライアングル。しかも驚いたことに両方とも未食です。さすが魔の幻立喰・ソトライアングル。しかも撮った記憶はあるのに喜楽の写真が見つかりません。さすが魔の……未食幻立喰・ソは数知れずですが、二度あることは三度ある、こうなったら喜楽の次も未食で幻立喰・ソと、不謹慎なハットトリックと脳裏をかすめましたが、立喰・ソ神はお見通し。ラーメン屋さんになりました。ちなみに3店共定点観測になっていないのも、間違いなく魔の幻立喰・ソトライアングルの影響です。左(2013年7月撮影)右(2015年11月撮影)

 
 魔の幻立喰・ソトライアングルでは、きつねソがたぬきソに化けたり、たぬきソがきつねソに化ける不可解な事件が起きるのでしょうか。もし起きたとしても、たぬきソを注文するときはきつねソを、きつねソ気分の時はたぬきソを注文すれば問題ないのですが、肝心のデータがないため立証できないのです(=そんな事実は起きていないともいう)。魔の幻立喰・ソトライアングル内に立喰・ソがありませんが、きっとあったはずです。忽然と消えてしまったに違いありません。信じないか信じるわけもないか、それは貴方の広い心次第ですが。

 
 その魔の幻立喰・ソトライアングルの中心点にはなにがあるのか? 興味そそられますね。たぬきソの食券を置くときつねソの食券に、きつねソの〜(以下同)、そんなパワースポットに違いありません。



図B
みどりと風のシンフォニーとたまそばの中間地点をみどりと風のシンフォニー-たまそばの真ん中とし、みどりと風のシンフォニーと喜楽の中間地点をみどりと風のシンフォニー-喜楽の真ん中とすると、みどりと風のシンフォニー-たまそばの真ん中とみどりと風のシンフォニー-喜楽の真ん中は、それぞれみどりと風のシンフォニー-たまそば間とみどりと風のシンフォニー-喜楽間の中点ということになるので、みどりと風のシンフォニー-たまそばの真ん中とみどりと風のシンフォニー-喜楽の真ん中を結ぶ線の長さは、中点連結定理により、たまそば-喜楽間の半分ということになる。みどりと風のシンフォニー-たまそば間とみどりと風のシンフォニー-喜楽間の中線の交点を真ん中とする。同じようにたまそば-喜楽間、喜楽-みどりと風のシンフォニー間の中点をそれぞれ〜(以下略)。というのが中点連結定理(ですよね?)。もちろんネットで拾ってきた情報のフルパクリを悟られないように回りくどく表記してあります。なんのことだかまったくわかっていませんが。

 
 魔の幻立喰・ソトライアングル中心に背筋がぞぞぞっとするようなものがあるのかどうか、行っていないのでわかりません。だってちゃんと測量したわけじゃないので正確な場所わからないし……何があるのか永遠の謎です。本家バミューダーも謎だらけですから、いいのいいの、ちっちゃいことは気にしない。めんどくさいだけだろうって。ちがいます! だって祠とか鳥居とかあったら本格的に恐いじゃないですか。

 そもそも、幻立喰・ソを3つ結びつけただけで魔の幻立喰・ソトライアングルが出来るなら、日本中魔の幻立喰・ソトライアングルだらけだね〜ぇ。伸びきったゆで麺よりもしまりのないシメで、今年も愛読ありがとうございました。それではみなさま、よい年越しソを!

●立喰・ソNEWS 2015

あやふやな記録の累積である立喰・ソ帖を紐解けば、2015年今日まで食べた立喰・ソは、1月15杯、2月7杯、3月23杯、4月15杯、5月15杯、6月11杯、7月12杯、8月14杯、9月15杯、10月15杯、11月13杯、12月5杯(えらく各月のバラツキがありますね)の計160杯。平均すれば2日に1杯ほど。もっと多いかと思ったら、たいしたことはありません。初訪問は82店。まだまだ未訪問だらけです。幻立喰・ソになってしまったのは確認できただけで20店くらい。しかも未食店が半分以上あります。ちなみに昨年はバタバタっとそれこそ連鎖反応のように多かった記憶があります(実際確認に行っていないので、具体的な数字を示さずごまかす)。
「正月は冥土の旅の一里塚」、あと立喰・ソを何杯いただくことができるのか。それは立喰・ソ神のみが知ることです(いればの話ですが)。

みなさま、年末年始はお休みの立喰・ソが多くなります。禁断症状が起きないよう早め早めの対策を(←どんな対策しろってんだよ!←自分で立喰・ソを経営すればいいんじゃない?←なるほど。開業資金は?←年末ジャンボで←緑のたぬき買っておきます)。

●緊急告知 坂崎師匠がNHKラジオに

今年の大晦日12月31日の朝7時45分からNHKラジオ「おでかけ関東甲信越」コーナーに坂崎師匠が出演します。AM放送は関東甲信越エリアのみの放送となりますが、インターネットなら全国どこでも聞けますからご安心を。
http://www.nhk.or.jp/r1/の「聞く」ボタンをクリック。
今年のシメは師匠のトークで! 内容は? え〜っと、聞いてのお楽しみ!


バソ
バ☆ソ
日本全国立ち喰いそば全店制覇を目論む立ち喰いそば人。現在800店以上のデータを収集したものの、ただ行って食べるだけで、たいして役に立たない。立ち喰いそば屋経営を目論むも、先立つものも腕も知識も人望もなく断念。で、立ち喰いそば屋を経営ではなく、立ち喰いそば屋そのものになろうとしたが「妖怪・立ち喰いそば屋人間」になってしまうので泣く泣く断念。世間的には3本くらいネジがたりない人と評価されている。一番の心配事はそばアレルギーになったらどうしよう……。


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