2015年10月19日
■東北を走ろう! ライダーの力、見せてやろう! ~MFJ東北復興応援ツーリング~
2011年3月に起こった、忘れもしない、忘れてはならない東日本大震災。あれから4年半が過ぎても、宮城や福島を中心に、被害を受けた地域が復興したとは、とても言い難い。
「地震が起こってしばらく、少し落ち着いた数か月後かな、すぐに石巻に行ったんだ。キャンプ場に4か月くらいいて、バイクを使ったボランティアや救援物資の運搬とかさせてもらってたんだよ。バイクの機動力ってすばらしいよな。入っていけない場所、ちょっとした準備だけで物資運搬も移動もできる。あれからずっと復興支援のことを考えていて、実際に自分もやって、ヨシここでもう一回、バイクの力を発揮するころだな、って思ったんだ」というのは、冒険家の風間深志さん。
風間さんが考えたのは、なにも特別なことじゃない。ライダーがごくふつうにやっている「ツーリング」で、東北を訪れればいいと思ったのだ。東北に足を運んで、宿泊して、食事して、ガソリンを入れて、お土産を買って――。そうやってお金を落とすことは、確実に復興支援につながっていくのだ。
だから風間さんは、MFJに掛け合った。だれかが主催するよりも、日本のバイクとライダーたちの頂点にいるはずのMFJが主催すればいいじゃないか、と。MFJもその提言に共感してくれて、FIMも「公式イベント」として承認してくれた。海外では、レース以外のツーリングやイベントに「FIM公認」があるのだけれど、日本でFIM承認イベントが行われるのは初めてのことだ。
「大震災から4年半になるっていうのに、まだ復興が進んでないところはたくさんある。オリンピックも大事だけどさ、少し東北のこと、忘れてはいないか? もちろん、人間って物忘れしやすいからね、オレだって東北のことを毎日いちばんに考えてるわけじゃない。でも、忘れちゃいけないよ。時々でもいいんだ、思い出さなきゃだめだ」と風間さん。
そして風間さんが提唱した復興支援は、「走ろう東北! 東北復興応援ツーリング」という形になって走り出した。イベント要素を持たせようと、ツーリングハンドブックを作って、それをもってライダーがスタンプラリーすれば、ひとつの目安になるんじゃないか、という形にした。東北の150近い道の駅、そこにあるスタンプをあつめて、立ち寄った先のレポートを書いて、MFJに送付。風間さんをはじめとした審査員が「最優秀東北応援ライダー」を決定して、MFJとして表彰する、というものだ。
キックオフイベントが行われた10月17日、会場となった石巻のサンファン・パークには150名ものライダーがあつまってくれた。風間さんの提唱に共感してくれた「ツーリングライダーのカリスマ」賀曽利 隆さん、それに月刊オートバイの体験取材記者として訪れていた、チュートリアルの福田充徳さんが「MFJ復興応援大使」に任命され、イベント説明や開催宣言をおこなった。このイベントは、まだまだ始まったばかりなのだ。
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左から大島MFJ会長、賀曽利さん、石巻市の亀山市長、福ちゃん、風間さん。イベント説明のステージは風間さんの独壇場でした。 | 賀曽利さんと風間さんに挟まれてタジタジだった福ちゃん。実は風間さんの熱烈なラブコールを受けての復興応援大使就任でした。 |
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キックオフ会場を出るみなさん。この日は快晴で、夏を思わせるような陽気だったけれど、さすがに夕方にはヒンヤリ。 | 美しい景色と工事中のエリアが交互に現れて、ちょっと複雑な心境。どれでも足を運ぶのが大事なのだ。 |
開会式会場となった石巻から、いろいろな方向にスタートしていくライダーたち。チュートリアルの福田さんは、石巻から女川、南三陸方面へと海岸線を走って、初めての東北ツーリングを体験していた。
「きょう通ったルートは、まだまだ工事用トラックが走り回っていて、道路もダストっぽかったり、急にアスファルトにひび割れがあったり。きれいな景色の中を走るんだけど、工事中の風景と交互にあらわれたりね。それでも、復興の現場をこの目で見られたのはすごくよかった。まだまだ復興なんか進んでない、って地区もたくさんありました。でも、またこの場所を走りたいし、それが復興の役に立つなら、すごくうれしいですね」(福田さん)
「思い出してくれよ、月光仮面も仮面ライダーも、ライダーってのは正義の味方なんだ。ここでライダーの力、みせてやろうぜ!」(風間さん)
詳細はMFJのホームページにて。ライダーの力、みせてやろう!
MFJ東北復興応援ツーリング
http://www.mfj.or.jp/touring/index.html