MBニュース&トピック

 

2014年11月6日 

■“小さなホンダ達 ”の華やかな日曜日「第18回 カフェカブミーティング in 青山」

※写真をクリックすると大きく、または違う写真を見ることができます(以下同)

会場を取り囲むように、参加者のカブで埋め尽くされる。この日に限り、通常は四輪専用の地下駐車場も来場者の駐輪場となる。

 秋・真っ只中の東京・青山と言えば毎年恒例、Hondaウエルカムプラザ青山(本田技研工業・本社ビル)を目指して全国から“カブ種”が集まる「カフェカブミーティング in 青山」。今年は11月2日の日曜日、この季節としては暖かな気温の中、開催された。

 今年で18回目を迎えたミーティング、“世界の名車”であるスーパーカブをはじめ、車名に“Cub”と表記されているモデルであれば参加OK。その台数は400台近く(一般来場を含めたらそれ以上!)に及んだ。世界で愛される二輪車だけに、オーナー同士の交流の場としても大いに盛り上がる。またコンテスト(人気投票)も行われるので、各参加者の趣向を凝らしたカスタムも見どころだ。

 今年はニューモデルの発表こそ無かったカブシリーズだが、乗り物としては初めて、特許庁から立体商標として登録認可されたというニュースがあった。そんなこともあり、バイクフォーラム(トークショー)ではスーパーカブのデザインをテーマに、来場者は貴重な話を聞くことができた。

 誕生から50年以上(F型を入れたら60年以上)の歴史を誇るカブという乗り物に対し、毎年のことながら偉大さ、楽しさ、そしてオーナーの愛を感じるイベントであった。



北海道テレビ制作の人気番組 「水曜どうでしょう」で実際に使用されたスーパーカブを特別展示。Hondaウエルカムプラザ青山で11月9日(日)まで展示されています。 バイクフォーラムのゲストは、1966年のC50をはじめとするスーパーカブ・シリーズ、ダックスホンダ、四輪ではN360のデザインに携わった宮智英之助さん。本田技研工業の創業以来5人目のデザイナーで、東南アジア向けモデルでの苦労など、この場所ならではの貴重な話を聞くことができた。聞き手はカブ関連の書籍を多数産み出したノンフィクション作家の中部 博さん。
イベントはバイクコンテストの表彰式でピークを迎える。入賞者は豪華賞品をゲット! カップル賞に選ばれたカップル、選者の手違いにより実はカップルではなかったということが判明し、会場に失笑がこぼれるも、そこはひとつ“カブ仲間”ということでマルケス、いや、マルク収まるのでした。


今回初!? 来場者全員で協賛各社からのプレゼント争奪・ジャンケン大会で盛り上がり、イベントはお開きに。 毎年、イベントにエントリーした人に記念品としてプレゼントされるピンバッジ(非売品)。今年は「立体商標登録認可」を記念したものだとか。

2014年11月6日 

■トライアンフ モーターサイクルズ ジャパン「超特別低金利0.1%キャンペーン」

 トライアンフのクルーザーシリーズ「アメリカ」の日本再上陸1周年を記念するキャンペーンを2014年12月31日(水)まで実施。 トライアンフ ライダー ファイナンスプログラムのグレードアップ(据え置き型)プランで「0.1%」という超特別低金利が利用可能に。

 対象モデルはアメリカ、スピードマスター(アメリカLTは対象外。台数、カラーに限りあり)。ローン元金上限は車両本体価格+オプションパーツ価格(登録関連諸費用含まず)となる。

問:トライアンフコール
TEL:03-6809-5233
http://www.triumphmotorcycles.jp/

2014年11月5日 

■ホンダモーターサイクルジャパン「NC750Xクーポンプレゼント キャンペーン」

 2015年3月31日(火)まで実施。期間中、キャンペーン実施店にて対象機種の新車を成約すると、オプションパーツやライディングギアの購入に使用できる54,000円分(消費税込)のクーポンをプレゼント。

対象機種:2014年モデル新車
NC750X
NC750X Type LD
NC750X<ABS>
NC750X<ABS> Type LD
NC750X Dual Clutch Transmission<ABS>
NC750X Type LD Dual Clutch Transmission<ABS>
NC750X Dual Clutch Transmission<ABS>E Package
NC750X Type LD Dual Clutch Transmission<ABS> E Package

NC750Xクーポンプレゼント キャンペーン
http://www.honda.co.jp/HMJ/campaign/nc750x/

2014年11月5日 

■KTM JAPANショールーム、11・12月のテーマは「Ready to Race な690DUKE」

 東京・有明のKTM JAPANショールームでは定期的にテーマを変え、オーストリア製モーターサイクル・ライフの魅力をアピール中だ。

 「Ready to Race な690DUKE」をテーマとした11・12月は、“ババ1000に勝てるファクトリーマシン”を開発コンセプトとする690SM(2007年)をルーツとする690DUKEのパワーパーツ&ヨシムラサイレンサーを装着した特別仕様車を展示。

 また、タウンユースでもクールに着こなしたいライダーのために、KTMのオーストリア本社がパワーウェアを用意。690DUKEのようなネイキッドモデルに似合う、アウトドアスタイルでありながらファッショナブルなカモフラージュジャケットなども展示される。

KTM JAPANショールーム
東京都江東区有明3-5-7 TOC 有明 2F
営業時間:9時30分~18時30分(土日祝定休)

2014年11月5日 

■ピアッジオグループジャパン「ベスパプリマベーラ50/125&スプリント150 あったか試乗キャンペーン」

 12月末まで全国のスクーター・イタリアーノ店、コーナーショップにて実施。

 キャンペーン期間中、ベスパプリマベーラ50/125&スプリント150 の店頭試乗車に「あったかアクセサリー」(スクリーン、レッグカバー、ハンドルカバー)を装着し、冬場でも快適で楽しい“ベスパライフ”を体感試乗可能に。

 また、対象モデル(プリマベーラ50/125、スプリント150)を12月末までに購入・登録すると、あったかアクセサリー3点(税込34,960円)をプレゼント。

問:ピアッジオコール
TEL:050-3786-2635
http://www.piaggio.co.jp/

2014年11月5日 

■“市販車・世界最速決定戦”でギュントーリがダブルウイン、逆転チャンプに!



Sylvain Guintoli + Aprilia RSV4 Factory Michael Van Der Mark + Honda CBR600RR

 市販車をベースとしたマシンで争われる最高峰レース、スーパーバイク世界選手権(SBK)の2014年シーズン最終戦(第12戦)が11月2日、カタールのロサイル・サーキットにて開催された。

 ナイトレースとして行われた決勝では、アプリリアRSV4 Factoryを駆るフランス人、シルバン・ギュントーリが第1&第2レース共に優勝。トム・サイクス(カワサキ)との12ポイント差を逆転し、チャンピオンを獲得した。また、アプリリアは2009年の参戦以来、4度目のマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得している。

 一方、併催となるスーパースポーツ選手権は、 第10戦の舞台となったスペインで鈴鹿8耐でもお馴染みのマイケル・ファン・デル・マーク(ホンダ) が、マニュファクチャラーは第11戦フランスでホンダがタイトルを決めている。


シルバン・ギュントーリのコメント
「本当に信じられない気分だよ。今日は私のこれまでの人生の中で一番早くて強いレースだったと思う。トラブルも無くラップタイムも良かったしね。昨シーズンにアプリリアに加入して、素晴らしい機会をアプリリアは与えてくれたのに、僕の肩の怪我が原因でチャンピオンシップを満足に戦えなかったのが本当に悔しかったんだ。 でも今シーズンは体調も万全な状態でレースに臨めたし、チームは非常に素晴らしいサポートをしてくれたおかげで実力を見せる事が出来た。 これまで僕を支えてくれた家族をはじめ多くの人に感謝したいね。そしてアプリリアにもお礼を言いたい。チームはこれまでに乗った中で最高のバイクを提供してくれたからね!」


マイケル・ファン・デル・マーク のコメント
「今シーズンは最高の一年でした。そして、今日はすばらしい一日となりました。気持ちよく走ることができたし、チャンピオンになれた理由を見てもらえたと思います。タイトルを獲得したいと本当に願い、がんばってくれたチームに感謝したいです。すばらしいマシンと、リズムよい走りがありました。僕を支えてくれたチームのみんなとスポンサーに感謝したいです。僕のスーパースポーツにおけるキャリアを、最高の形で終えることができました」


スーパーバイク(ライダー・ランキング)
1位 シルバン・ギュントーリ(アプリリア) 416ポイント
2位 トム・サイクス(カワサキ) 410ポイント
3位 ジョナサン・レイ(ホンダ) 334ポイント

スーパーバイク(マニュファクチャラー・ランキング)
1位 アプリリア 468ポイント
2位 カワサキ 431ポイント
3位 ホンダ 350ポイント

スーパースポーツ(ライダー・ランキング)
1位 マイケル・ファン・デル・マーク (ホンダ) 230ポイント
2位 ジュール・クルーゼル(MVアグスタ) 148ポイント
3位 フローリアン・マリーノ(カワサキ) 125ポイント

スーパースポーツ(マニュファクチャラー・ランキング)
1位 ホンダ 251ポイント
2位 カワサキ 181ポイント
3位 MVアグスタ 162ポイント

2014年11月4日 

■Hondaは、英国の現地法人であるホンダモーターサイクルヨーロッパを通して
EICMA2014ミラノショーモデルを発表

 Hondaの英国現地法人であるホンダモーターヨーロッパ・リミテッドは、現地時間の2014年11月4日(火)午前10時に以下のEICMA2014ミラノショー出展モデルを発表した。

【参考出品(プロトタイプ)】
■RC213V-S
 Hondaのレーシングテクノロジーを結集し、ロードレース世界選手権MotoGPクラスで2年連続ライダーズタイトルと4年連続コンストラクターズタイトルを獲得したホンダ・レーシング(HRC)のワークスマシン「RC213V」の基本メカニズムを踏襲。究極の公道仕様車として開発したプロトタイプ。

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■True Adventure
 Hondaが提案する新しいアドベンチャーモデル。開発にあたっては、オフロードでの優れた走行性能を追求し、これまでのアドベンチャーモデルで培ったテクノロジーや、「チーム・エイチアールシー(Team HRC)」のワークスマシン「CRF450 RALLY」のレーシングテクノロジーを反映したプロトタイプ。

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【ニューモデル】
■CBR1000RR Fireblade
 CBRシリーズのフラッグシップモデル「CBR1000RR」のスペシャルモデル。MotoGPクラスで、マルク・マルケス選手による2年連続ライダーズタイトルと、Hondaに4年連続コンストラクターズタイトルをもたらした「レプソル・ホンダ・チーム(Repsol Honda Team)」のカラーリングを施している。(ただこのカラーリングのゼッケンナンバー「93」は、マルク・マルケス選手をイメージした展示用のみ仕様とのこと。

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■NSC50R
 Repsol Honda Teamのカラーリングを施した50ccスクーターのニューモデル。

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Repsol Honda Teamのカラーリングを纏ったNCR50R。 125とは思えない車格を感じさせるForza125。

■Forza 125
 強く快適な走行を追求したスタイリッシュなスポーツGTスクーター。4ストローク・4バルブエンジンは、低フリクション技術を採用し優れた燃費性能を実現。視認性に優れるLEDヘッドライトの採用などで、さらに高級感を高めたモデルとなっている。

●ホンダ http://www.honda.co.jp/motor/

2014年11月4日 

■MotoGPマシン直系のスーパースポーツ「YZF-R1」がフルモデルチェンジ
そしてよりレーサーライクな「YZF-R1M」も追加して、欧米向けに発売


 ヤマハは、クロスプレーン型クランクシャフトを備えた水冷直列4気筒、998cm3エンジンを搭載したスーパースポーツのフラッグシップモデル「YZF-R1」の新型と、それをベースにした上級モデルの「YZF-R1M」を、2015年3月上旬から欧州で発売、その後順次北米などでも販売すると発表した。

 オールニューとなる2015年モデルのYZF-R1、YZF-R1Mは、”High tech armed Pure Sport”のコンセプトのもと、歴代のYZF-R1同様、MotoGPマシン「YZR-M1」の技術思想を体感できるサーキット最速のポテンシャルを備えるモデルとして開発された。

 200馬力の出力性能に加え、6軸姿勢センサー(※“3軸角速度”と“3軸加速度”を検出する装置)を市販二輪車として初搭載、高度な制御技術によりライダーが走りに集中できる高次元なハンドリングと走行性能を提供するという。また、デザインは、MotoGPマシン「YZR-M1」のイメージを投影するとともに“Speed Racer”をコンセプトにイノベーションを図り、新たなR-DNAの構築を図っている。

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YZF-R1。ブルー/ホワイト。 YZF-R1。レッド/ホワイト。
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YZF-R1M。カラーはシルバーの1色。 YZF-R1。レッド/ホワイト。電子制御サスペンションやカーボン素材の軽量カウル、“レース”に役立つ各種情報を記録するインターフェイスを搭載。


 新たにシリーズに加わった上級モデルのYZF-R1Mは、電子制御サスペンションやカーボン素材の軽量カウル、“レース”に役立つ各種情報を記録するインターフェイスを搭載したモデルだ。

 欧米のリッタークラスのスーパースポーツカテゴリー市場は、「サーキット走行」を楽しむコアユーザーにより一定の市場規模が形成されている。技術の粋を投入した新型YZF-R1とYZF-R1Mは、サーキット走行での性能を重視する先進国地域のユーザーのニーズに応える事はもとより、新興国を含む全世界に向け、ヤマハブランドを訴求するフラッグシップモデルとしている。なお、11月6日からイタリア・ミラノで開催の国際モーターサイクルショーEICMAに出展する。

■ヤマハ http://www.yamaha-motor.co.jp/

2014年11月4日 

■MT-09のバリエーションモデル 「MT-09 TRACER」を来年3月から欧州で発売


 ヤマハ発動機は、850ccの直列3気筒エンジンを搭載するスポーツモデル、MT-09をベースに開発したバリエーションモデル「MT-09 TRACER」を来年の3月上旬より、欧州市場で発売すると発表した。

 このMT-09 TRACERは、“クロスプレーンコンセプト”により開発された直列3気筒エンジンによる“意のままに”に扱える走行性能で人気の現行MT-09をベースモデルとし、“Sport Mulrti Tool Bike”のコンセプトのもと、市街地走行からツーリング用途まで、多彩なシーンでスポーティかつ快適な走行が楽しめる“スポーツマルチモデル”として開発された。

 主な特徴としては、1)ツーリングを支援する“TCS”(トラクションコントロールシステム)、2)レイヤー構造を取り入れたカウルやハンドルカバー等による走破性、快適性、積載性を強調したスタイル、3)ライダーの好みにより調整可能なハンドル、シート、フロントスクリーン、4)視認性の高い多機能メーターパネル、5)フルLEDヘッドライトなど。

 ちなみに欧州市場でのメーカー希望小売価格は、9,499ユーロ、販売計画台数は発売から1年間、EU圏内で5,500台を計画している。

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■ヤマハ http://www.yamaha-motor.co.jp/

2014年11月4日 

■Kawasakiのモンスター「H2R」が、鈴鹿サーキットに見参

 うわさのモンスターマシン、KawasakiのH2Rがついにベールを脱いだ。舞台は国内屈指の鈴鹿サーキット。デモンストレーション走行を担当するライダーは、藤原克昭選手だ。

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※このページ、写真の上でクリックしていただくと、別カットの写真が見られます。

「かっちゃん」こと藤原選手は、世界選手権をはじめヨーロッパ選手権で数々の名勝負を展開し、現在アジア選手権のトップライダーとして君臨するKawasakiのエースライダーのひとりだ。当初のイベントプランでは、土曜日と日曜日の二日間にわたり、デモ走行が計画されていたが、あいにくの雨で土曜日の走行がキャンセル。そのパワフルすぎる性能ゆえか、2日目の日曜日も雨が落ちてきた時点でサーキット走行はキャンセルすることが決まっていた。そしてあろうことか日曜日の降雨確率は60%。見上げる空はいつ降り出してもおかしくない状態だった。

 レースアナウンサー辻野ヒロシのMCでメインスタンド前に登場した藤原は、インタビューを受けながらもどこか上の空。それもそのはず、誰よりもH2Rの魅力を知っている藤原は、集まったファンにH2Rの魅力を直接感じて欲しかったのだ。それには、エンジンに火を入れ300馬力を誇るH2Rの雄姿とエンジンサウンドを体感してもらうのが一番なのだ。インタビューを早々に切り上げるとヘルメットを奪うようにしてマシンに跨った藤原はたちまちコースへと消えていった。ヘルメットのシールドに小さな雨粒がぽつりと落ちてきたからなのか、レーススケジュールが押していたせいかは定かではないが、フルコース3ラップのデモ走行は決行された。

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 ゆっくり、ゆっくり路面状況を確かめるように5.8キロの鈴鹿サーキットをラップしてきた藤原だったが、最終コーナーを立ち上がると一気にフルスロットル。その瞬間、大げさにいえばマシンだけがずんずん近づいて大きくなり、エンジン音がわずかに遅れてやってくる錯覚に陥った。しかも爆音だから、まるでジェット戦闘機が起こす音速衝撃波、ソニックブームのような感覚だ。「フル加速しない」と聞いていたメディアのカメラマン達も思わず目を丸くしていた。

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 2周目の藤原はさらにパフォーマンスする。メインストレートに戻ってきた藤原はコース中央ではなく、ピットウォールぎりぎりを駆け抜けた。「コンクリートの壁で反響させれば、メインスタンドで見ているファンの方にもH2Rの咆哮を感じてもらえるよね」とは走行後の藤原のコメント。どこまでもファンサービスを徹底する藤原らしい意気なはからいだったが、広報スタッフは肝を冷やしたに違いない。もちろんそのパフォーマンスのおかげでH2Rの持つ計り知れないパワーの魅力を多くのファンが感じることができたはずだ。

 ファンへのはからいはサウンドだけではなかった。マシンが搬入された金曜日の夜、サーキットの闇を引き裂くようなエンジンサウンドが50番ピットから轟いてきた。新品のチタンマフラーが装着されたマシンに気付いた藤原選手が、「ファンにお披露目するなら、きれいなチタンカラーにもこだわるべきでしょ」と急きょイグニッションスイッチを入れ、チタンが真っ赤に灼けるまで熱を入れたのだ。

「航空宇宙学とかガスタービンの最新技術とか、すごいハイテクがぎっしり詰まってるんだよね。デザインだって、ひとつひとつに意味があって細部にこだわって誕生している。でもさ、感じてほしいの。僕がセパンではじめて出会った時に感じたフィーリング『お~、かっこいい』ってうなったのと同じ感覚を。まずはそこからだよね」と藤原選手。

 見て感じて、聞いて感動して、そのサウンドと速さに震えて。この日鈴鹿サーキットを訪れた14000人強のファンは、一気にその感動を手に入れたんじゃないのだろうか。

(レポート:林 海洋 写真:楠堂亜希)

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